グリソン・スコアとPSA-density
PSA-densityとは、前立腺単位容積当たりのPSA値濃度を意味します。
例えば、前立腺の大きさが20ccでPSA値が4ng/mLであった場合、PSA-densityは、4÷20=0.2ng/mL/cm3になります。
前立腺の大きさが40ccでPSA値が7ng/mLであった場合、PSA-densityは、7÷40=0.175ng/mL/cm3になります。
PSAの絶対値だけをみれば、明らかに7>4です。前立腺の大きさ40ccの患者さんの方が前立腺癌を疑われます。しかし、PSA-densityから考えると、0.2>0.175ng/mL/cm3ということになり」、20ccの前立腺の患者さんの方が実質PSAが高く前立腺癌の可能性が高いことになります。
この文献では、【PSA-density高くなればグリソン・スコアの値も高くなる】という可能性が示唆されたことになります。つまり、PSA-densityの結果によって、前立腺針生検を実施しなくても、前立腺癌の悪性度(ゲレソン・スコア)を予測可能?だということになるのです。リ
もしそうであれば、手術前検査である針生検によって癌細胞を前立腺の外に「ばらまく」リスクもなくなり、完璧な前立腺手術が実現できるかも知れません。(あとは、手術による弊害が死亡率を上げないことを祈るばかりですが・・・)
さらに、この文献ではPSA-densityのカット・オフ値を0.23ng/mL/cm3とし、0.23以下であれば、正常?と考えているのでしょう。
この値からすれば、前立腺20ccの場合PSA値4.6以下、30ccの場合PSA値6.9以下、40ccの場合PSA値9.2以下がいづれもOKと判断されることになります。(ただし、前立腺容積が大きくなればなるほどラテント癌の存在の可能性が高くなるので、前立腺容積とPSA-densityとの関係は手放しで賛成できません。この文献の筆者は、ラテント癌をまったく無視して理論展開している可能性があります。このことについては、後日解説します。)
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