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前立腺の大きさに関連した問題

Psize前立腺の大きさは年齢とともに大きくなると思われyています。
この考え方は大筋では正しいように思えますが、さまざまな患者さんを拝見していると、そうではないように思えて仕方がありません。

例えば、20歳代の男性の前立腺の大きさは、10cc~15ccの大きさが多いのですが、慢性前立腺炎症状で来院する患者さんの中には、25ccくらいの大きさの男性も散見します。

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前立腺癌のPSA産生能力

Monographpca10前立腺癌腫瘍マーカーであるPSAが話題にのぼることが多いので、前立腺癌は正常の前立腺細胞よりもPSA産生能力が高いとお思いでしょう?

ところが、それは間違いなのです。
右の専門書の記載されているように、前立腺癌は正常の前立腺細胞に比較してPSAを産生・分泌する能力は低いのです。これは、あまり知られていない事実です。泌尿器科専門医でも全員知っているか疑問です。

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free-PSA/total-PSA比と前立腺癌

Freepsa一般開業医で行われるPSA検査は、総PSA値(total-PSA)を意味します。
実はPSAには、遊離型PSA(free)と結合型PSA(complex)に区別できます。総PSAは、この遊離型PSA(free)と結合型PSA(complex)を加えた総量を意味しています。

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早期前立腺癌に対する針生検の功罪

Monographpca6前立腺手術で採取された前立腺を詳細に病理検査し、正確なグレソン・スコア評価とその後の再発をPSA値で検討したグラフです。

グレソン・スコア5以下は、手術後の再発(PSA値を指標とする)が、ほとんどなく(5%未満)経過しています。
グレソン・スコア6(3+3がほとんどでしょう)は、再発が3年で10%程度で、その後横ばいです。
グレソン・スコア7(3+4あるいは4+3)の場合は、3年~10年でグッと高くなり35%~50%になります。
グレソン・スコア8を超えると、10年で再発率は75%近くにもなります。

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PSA値が高い場合の診断と治療の流れ

Ratentpcaage今まで、過去のデータから様々な解釈をしてきましたが、実際にPSA検査値が高い患者さんが紹介されてきた場合、どのような手順を踏めばよいのでしょう。

【観点1】
60歳男性でPSA検査値が7.8ng/mLと高い値で前立腺癌を疑われた患者さんが紹介されたとします。
直腸触診で硬結を触れません。するとステージT1=ステージAの早期前立腺癌の可能性がある訳です。
60歳ですから、上の表で示されたように21.7%(0.217)の確率でラテント癌が存在することになります。

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前立腺潜伏癌(ラテント癌)の悪性度

Ratentpcadifferこの表は、ラテント癌の悪性度を集計したものです。
ラテント癌のうち70%以上は高分化型(グリソン悪性度で1か2)です。ですから、80歳以上の高齢者の50%にラテント癌が存在しますが、そのうち70%、つまり80歳以上の35%には高分化型のラテント癌が存在していて、治療の必要のない可能性がある訳です。

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前立腺重量と潜伏癌(ラテント癌)

Ratentpcavolume前回の文献解説で、前立腺容積=前立腺重量が増えれば、PSA-density値0.23ng/mL/cm3をカットオフ値として計算すると、60cc(60グラム)でも、PSA値13.8以下で安全圏に入る可能性が出てきました。
ところが、ラテント癌の前立腺重量との関係を右のような統計で見直すと、PSA-densityのカットオフ値がすべての前立腺重量で信頼できるかどうか疑わしくなります。
この表で分かるように、前立腺重量60グラム以上では、75%の患者さんが前立腺癌(ラテント癌)を持っていることになります。

 

ただし、PSA-density値がカットオフ以下であれば、グレソン・スコアが低く臨床的に全く問題ないのであれば、ラテント癌の確率が高くても問題ない訳です。

 

 

 

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グリソン・スコアとPSA-density

GspsadensityTTMed-Urologyという泌尿器科医向けのインターネットサービスで定期的にup-to-dateの情報が数々送られてきます。
その中に興味ある文献があったので、右にご紹介します。

グリソン・スコアは前立腺癌の悪性度を示す指標です。この指標が臨床経過と相関するので泌尿器科医は重宝しています。ただし、一つの指標だけで、前立腺癌の性格をすべて表現できないことは想像できます。


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