早期前立腺癌統計のデータ解釈 #3
このグラフは前立腺手術で摘出され前立腺に含まれた癌組織の体積を年代別に比較したものです。
近年、グラフで示すように「臨床的に意義のない前立腺癌」が増えています。要するに手術をしなくてもよかった患者さんが増加しているのです。グラフで見ると、前立腺手術を実施された20%以上の患者さんが、実は手術が無意味であった可能性があるのです。
癌なのに『臨床的に意義がない?』と、『???』に思われる方も多いと思います。つまり、手術しなくても、その患者さんにとっては生命をまったく脅かさないであろう前立腺癌の一群を意味します。
具体的には、病理進行度がT1で、前立腺癌組織の全ての体積が0.5cc以下で、組織悪性度がグレソン・スコア5以下の癌を指します。
これらの基準を満たしている癌は、2倍の大きさになるまで10年~20年の期間が必要で、場合によっては発見されてからその患者さんの本来の寿命までの期間よりも長くなることがあります。
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