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PSAと前立腺癌(エビデンスの信憑性)

Roundocotyanomizu200912122009年12月12日(土)御茶ノ水駅近くの中央大学駿河台会館にて「ラウンドテーブルカンファレンスinお茶の水」という代替医療の研究会が開催されました。
私は、その講演の講師として呼ばれました。
エビデンス一辺倒の現代医学に「間違いはないのか?」というのがテーマです。
私は現代医療と代替医療の両方をバランスよく診療に取り入れています。そこで私に講師の依頼があったのです。
今回は、泌尿器科の常識である前立腺癌の疫学エビデンスをテーマに話をすすめました。

Lectureevidencepcaこのグラフは、今年の5月に日本医師会雑誌に掲載された前立腺癌特集から抜粋したものです。
近年、他の癌をしり目に前立腺癌の患者数の伸びがダントツです。

Lectureevidencepca2癌患者数ランキングでは、65歳から上では、前立腺癌がトップです。

Lectureevidencepca3患者数が増加するのと呼応して、死亡数もぐんぐん増加しています。

Lectureevidencepca4群馬県の前立腺癌検診のステージ分類です。
ステージAは前立腺に1か所に限局、ステージBが前立腺内だけに限局、ステージCが前立腺を超えてしまった、ステージDは他の臓器に浸潤・転移してしまった状態を示します。
前立腺癌の啓蒙活動で受診者が増え、右肩上がりですが、ステージBだけが増加しているようにです。

Lectureevidencepca5PSAは前立腺癌の腫瘍マーカーとして広く知られた血液検査です。
このグラフで示したように、PSAが4~10の中途半端に高い値(いわゆるグレイゾーン)であっても、30%弱に男性に前立腺癌が発見されます。
PSA検査は前立腺癌の早期発見の有力な検査ですから、50歳以上の男性の健康診断にはなくてはならない検査です。

Lectureevidencepca6しかるに、厚生労働省は、PSA検査の対費用効果が認められないということで、行政主体の健康診断にルーチン検査として認めません。
前立腺癌は増える一方、前立腺癌で死亡なさる患者さんも増える一方なので、前立腺癌の早期発見は国民の健康行政の急務です。このような状況を全国の泌尿器科医はとても怒っています。

Lectureevidencepca7ところが、読み進めている内に不思議なことに気がつきました。
群馬県の前立腺癌検診事業の結果が論理的に矛盾するのです。PSA検査で異常値が出た患者さんを前立腺針生検して診断できたステージ分類です。PSA検査は前立腺癌の早期発見のための検査です。受診者の母集団が増え、前立腺癌の実数が増えることは納得いくのですが、早期の癌であるはずのステージAの癌が横ばい(空色の矢印)なのです。PSA検査が早期発見のための検査であるのなら、出現率の割合はもっと増える(黒の破線矢印)筈です。

Lectureevidencepca8疑問が疑問を呼び、エビデンスに関していろいろ考えることが出てきました。
早期発見のPSA検査も、正確な診断のための前立腺針生検も、進んだホルモン治療も、前立腺癌の啓蒙活動も、すべて正しいことであれば、前立腺癌の発見数は増えることはあっても、前立腺癌で亡くなる方は増えない筈ではないか?と。
ところが、実際はこれらのことを行えば行うほど、前立腺癌死亡数は増加しているのです。

Lectureevidencepca9そこで、良く知られたエビデンスを再考察してみたい気持ちになりました。

Lectureevidencepca10PSA検査と前立腺癌について考察してみましょう。
PSA検査のグレイゾーン(4~10)の患者さんの30%弱の患者さんに前立腺癌が発見されます。言い換えれば、70%以上の患者さんは前立腺癌ではないわけです。PSAが20~30ととても高い患者さんでも50%の方は、癌が発見できなかったことになります。PSA検査は前立腺癌特有の検査ではないことが分かります。

Lectureevidencepca11問題のPSAとはどんなものでしょう?
前立腺特異抗原というもので、前立腺で産生される、ある種の酵素です。精液のゼリー状たんぱく質を分解して精子の動きをスムーズにする働きがあります。
つまり、PSAは前立腺癌特有の物質ではないのです。

Lectureevidencepca12前立腺の成分であるPSAが血液中に紛れ込む病態を説明しましょう。
教科書的には、前立腺癌の場合、基底細胞・基底膜のバリアーが不完全で、前立腺腺腔内のPSAが毛細血管に漏出するために起こるとされています。

Lectureevidencepca13したがって、PSA=前立腺癌でもPSA高値=前立腺癌でもありません。
前立腺癌は、PSAが高くなる原因の一つでしかないわけです。

Lectureevidencepca14実際の組織像を使って、PSAが血液中に出てくる様子をイメージしましょう。
右が前立腺肥大症の組織像、左が悪性度が高い前立腺癌の組織像です。
前立腺肥大症には、腺腔構造を確認できますが、前立腺癌の場合は、悪性度が増せば腺腔構造は認めません。とくに重要なのは、悪性度の高い前立腺癌組織の場合、前立腺肥大症にように毛細血管が認められないのです。毛細血管が認められないということは、PSAが毛細血管に漏出するという病態生理の説明が、疑問視される理由になります。

Lectureevidencepca15それぞれの組織の一部を拡大してみます。
前立腺肥大症の細胞も前立腺癌の細胞も、一見して似たように見えます。ただ、腺腔構造の違いだけです。

Lectureevidencepca16さらに、同じ画面を位相差顕微鏡で観察してみます。
前立腺の細胞は分泌細胞ですから、核を中心に細胞全体が分泌液で占められています。前立腺肥大症の細胞の場合は、腺腔辺縁に前立腺細胞が整然と並んでいて、分泌液が腺腔に分泌できるようにできています。
しかし、前立腺癌細胞の場合は分泌液を含んだ細胞にも関わらず、腺腔構造がないために分泌液の排泄する構造になっていません。当然PSAは細胞間液に放出されます。細胞間液はリンパ液となり、リンパ管を介して静脈に流れ込みます。
腺腔構造が全くない悪性度の高い前立腺癌の場合は、このような病態生理でPSAが血液中で高く発見されるのは道理です。しかし、腺腔構造を維持している悪性度の低い前立腺癌は、PSAが腺腔に流れ込むので、PSAは高くなりません。
言い換えれば、前立腺癌が存在する場合、PSAが高くなるためには次のことが考えれます。
1.悪性度にかかわらず浸潤・転移しているステージC・Dの場合
2.前立腺内にとどまる初期・早期の癌であるステージA・Bであっても、腺腔構造のない悪性度が高い場合

Lectureevidencepca17ここで興味あるデータがあります。
平成17年前立腺癌検診報告書によれば、PSA検査による前立腺癌検診を受診したのは、約15万人です。

Lectureevidencepca18その15万人のうち、PSAが高かったのは1万人でした。
1万人のうち2次検診を受診したのが5千人で、前立腺針生検を受けたのが2787人、その結果、前立腺癌であったのが1138人でした。前立腺癌検診15万人のうち前立腺癌であったのが1138人で0.75%の発見率です。

Lectureevidencepca19ここで私の1年後輩の和田鉄郎準教授の報告をご紹介します。
彼の報告は、前立腺癌以外で亡くなられた患者さんの前立腺をすべて組織検査を行い研究しました。その結果、かなり高率で前立腺癌を発見できることが判明したのです。その発見率は、40歳以上で平均20%以上です。80歳以上の男性に限っては、50%の男性に前立腺癌が見つかりました。これを前立腺潜伏癌といいます。

Lectureevidencepca20この前立腺潜伏癌の出現率と先ほどの前立腺癌検診15万人の年齢分布を掛け合わせると15万人のうち前立腺潜伏癌を持っている人数が予想できます。その数、約4万人です。
実際の検診で発見できた前立腺癌は1138人ですから、前立腺癌患者さんの2.8%しか見つけることができなかった訳です。

Lectureevidencepca21ここで、またまた疑問が生じます。
この2.8%の患者さんは前立腺癌として認知され、経過を追われ、天寿を全うする人もいれば、前立腺癌で亡くなる方も出てくるわけです。
極端な考え方をすれば、見つかってしまった2.8%の方が前立腺癌で亡くなるリスクがあり、見つからなかった97.8%の方は、癌が存在するにもかかわらず前立腺癌では死なないことになるのです。どうしてこのような現象になるのか、次のセクションで解説しましょう。

Lectureevidencepca22前立腺癌死亡数の増加について、時代背景を考慮しながら考察します。

Lectureevidencepca23前立腺癌死亡数の推移のグラフです。
1950年~1980年の傾き(緑の矢印)、1980年~1990年の傾き(紫の矢印)、1990年~2005年の傾き(赤の矢印)に分けることができます。
緑の矢印は、おそらく本来の前立腺癌自然増の傾きだと思われます。紫の矢印と赤い矢印は、不自然な増加を示すといえるでしょう。1980年頃よりPAPという腫瘍マーカーが泌尿器科医の間で一般的になり、それを目安に前立腺針生検がたくさん行われるようになりました。1990年頃よりご存じのPSA検査が確立し、泌尿器科医以外の一般医(内科医・健診医)も多く前立腺癌検診に興味を持ち、PSAの高い患者さんが多く泌尿器科医に紹介され、前立腺針生検が急増しました。
1993年には、前立腺肥大症の治療薬として「ハルナール」という素晴らしい薬が発売され、前立腺肥大症の治療の主流だったホルモン治療が衰退した原因を作った年でもありました。
2002年~2005年前立腺癌撲滅事業が実施され、ますます針生検が多く行われました。

Lectureevidencepca24死亡数の増加は、前立腺針生検が原因と思えて仕方がありません。

Lectureevidencepca25ステージBの増加について考察しましょう。

Lectureevidencepca26PSA検査の普及と啓蒙活動のおかげで、前立腺癌の増加は認められます。
しかし、早期発見のために実施しているにもかかわらず、本当の早期癌であるステージAは、実数的には横ばいです。全体の割合から見ると減少しています。

Lectureevidencepca27上のグラフを%推移で読み替えたの、このグラフです。
ステージAは減少している状態が明らかです。ステージC・Dは実数では微増でしたが、割合的にはかなり減少しているのが容易に判断できます。
ところが、ステージBは割合的にも増加の一途です。このような現象には何か訳がある筈です。

Lectureevidencepca281990年代になると、PSAに関する文献が多数投稿されるようになりました。
男性ホルモンであるテストステロンを低く抑えると、PSAが低値になって前立腺癌の存在をマスクする(分からなくする)という内容がほとんどです。しかし、この現象はPSA視点の一方的な観点からの考察であって、低テストステロン治療によって癌が抑えられている可能性を無視した考察です。

Lectureevidencepca29前立腺肥大症の治療から見ると1990年代に2つのエポックがあったのです。
一つは、ハルナールの出現で、前立腺肥大症のホルモン治療にブレーキがかかり始めたことです。
2つ目は、ホルモン治療に関するマイナスイメージで、前立腺肥大症ホルモン治療離れが進んだことです。
これらが本当の原因かどうかを絶対視することはできませんが、ステージBの患者さんが徐々に増加していく事実と無関係とは思えません。

Lectureevidencepca273dグラフを立体画像にして、前立腺肥大症のホルモン治療薬の代表であるプロスタールの売り上げとリンクさせると、ステージBの増加とプロスタール売上減少とが反比例することが容易に判断できます。

Lectureevidencepca51話は唐突に変わって、前立腺癌の悪性度を診るために、Gleason分類があります。
前立腺癌は悪性度が増すたびに腺構造が消失し組織が充実していきます。それを①~⑤に分類します。

Lectureevidencepca52前立腺癌発見時のステージは、前立腺癌の悪性度に相関すると考えられます。
例えば、悪性度①の前立腺癌は、倍加速度(組織面積にして2倍、体積にして約3倍弱)が10年~20年とされています。すなわちステージAという前立腺に極端に限局した癌細胞は悪性度①しか考えようがありません。
そのような発想で考えると、中悪性度②③はステージBとして発見されるでしょうし、高悪性度の④⑤はステージC/Dで発見されるでしょう。(もちろん例外はあるでしょう)

Lectureevidencepca30以上のことから、右のスライドのようなことが考えられます。

Lectureevidencepca31前立腺針生検が、前立腺癌死亡数増加にきわめて強く影響している可能性が高いので、ここで前立腺針生検について解説しましょう。
前述したスライドを利用して説明します。前立腺癌組織に針生検の針が刺さります。

Lectureevidencepca32針が抜けた後には、組織がなくなります。スライドはあくまでもイメージです。

Lectureevidencepca33組織が切除された跡はそのままであるはずがなく、挫滅創となり、出血や組織液が大量に出現します。

Lectureevidencepca34すると、炎症細胞・免疫細胞・抗体が組織を処理するために集合します。

Lectureevidencepca35集まった炎症細胞たちは、傷の部分を修復すべく処理するのですが、癌細胞をその場からはがしてリンパ液や血液で運び去ってしまいます。それが浸潤や転移になるのでしょう。
また、炎症細胞で痛めつけられた癌細胞は、その処理に負けないように分裂を繰り返し、ついには分裂速度の速い悪性度の高い癌細胞に変貌してしまいます。

Lectureevidencepca36_2泌尿器科医の常識は、スライドのごとくでしょう。

Lectureevidencepca37しかし、真実はこのようなことかもしれません。

Lectureevidencepca38前立腺針生検がギリシア神話に出てくるパンドラの箱だとしたら・・・恐ろしいことです。

Lectureevidencepca39好奇心のために開けてしまった箱には、「災い」がたくさん詰まっていたのです。中身を見てしまったが、その中身は取り返しのつかない内容だった・・・。

Lectureevidencepca40私たちが常識と信じていたエビデンスには、別の側面が存在していたのです。

Lectureevidencepca49前立腺肥大症の治療が変わったことで、ステージBの前立腺癌が増えたとするのには、一見無理があるようにも思えます。
私が研修医だった1980年頃、男性が平均寿命になるまでに前立腺肥大症になる割合は20%くらいでした。80%の男性は前立腺が委縮していたのでした。前立腺が委縮するくらいですから、前立腺癌になる方も少ない訳です。
しかし、現在では男性が80歳になるまでに80%の人が前立腺肥大症になるとされています。ですから、前立腺肥大症の治療は前立腺癌の存続に深くかかわるのです。事実、1980年頃は5千人前後の前立腺癌患者数が、2010年には10倍の5万人になろうとしています。前立腺肥大症の割合の伸びと前立腺癌患者数の伸びとを比較してください。双子の兄弟のように驚くほど酷似していませんか?割合の伸びと実数の伸びを比較することは科学的には無理がありますが、イメージ的には容易に理解できることです。(極端な実証主義・エビデンス主義が完璧な正確さを持つかどうかは疑問です。論理の手順に微塵の矛盾や誤差がなくとも、間違った結論を導くことは往々にしてあることです。完璧な車の整備と正確な運転技術をもってしても道に迷うことはあるでしょう?)

Lectureevidencepca41エビデンスは料理の素材と同じです。
素材がエビであれば、フライにもカクテルにも寿司にもてんぷらにもカレーの具剤にも利用できます。
しかし、調理されたエビデンスが私たちの前に出された際に、本来の素材として私たちは認識できるでしょうか?

Lectureevidencepca42結論として、私はこのように考えます。
泌尿器科医は、針生検による組織診断なしに前立腺癌を治療する無謀な勇気が必要になるのかも知れません。この考え方で前立腺癌を診ようとする馬鹿は、今のところ私一人だけです。この考え方が真実として果たして受け入れられるでしょうか?

Lectureevidencepca43それでは、PSA検査の結果が異常値の時にはどうすればよいのでしょう。何もしないで様子を見ろということではありません。
PSA検査が高くなるのは、ほとんどが排尿障害が原因です。ですから触診や超音波エコー検査で排尿障害の原因を調べましょう。
排尿障害があっても50歳以上であれば12%以上の確率(12%~50%、平均22%)で前立腺潜伏癌が存在しますから、前立腺肥大症の治療薬である抗男性ホルモン剤を処方します。前立腺肥大症も前立腺癌も委縮して治療になります。
PSA検査の結果が異常に高い場合には、MRIや骨シンチ検査を行い浸潤や転移の発見に努めましょう。浸潤や転移がなかったとしても、悪性度の高い前立腺癌である可能性が高いので、積極的にホルモン治療を行います。

Lectureevidencepca44代替医療にはエビデンスがないと一般的な医師は否定します。
しかし、常識とされるエビデンスであっても見方を変えれば、とんでもない常識になるのは、今までお話したとおりです。
大風呂敷を広げた話になったので、この辺で納めましょう。抽象的な話ではなく、もっと具体的な話へとすすめます。

Lectureevidencepca45実際の症例報告を提示しましょう。
患者さんは80歳男性です。前立腺癌の標準治療であるホルモン治療(LH-RH治療)や抗癌剤に反応しなかったので、代替医療である高濃度ビタミンC治療により改善した患者さんです。

Lectureevidencepca50骨シンチグラム検査では、全身の骨に転移を認めました。
また、腎臓の右は水腎症で左は描出されていません。おそらく癌による尿管の狭窄が原因でしょう。

Lectureevidencepca46ホルモン治療開始時点で腫瘍マーカーであるPSA545でした。
経過中193まで下がりましたが、その後746まで上昇しました。
抗癌剤の服用を併用しましたが、わずかに反応は見られたもの再び上昇しました。
代替医療でビタミンC治療の効果を見聞きしたので、患者さん・ご家族と相談の上、私なりの方法でビタミンC治療を開始しました。

Lectureevidencepca47ビタミンC治療開始後2カ月でPSA16.6と驚異の反応を示しました。
その後も下がり続け、ホルモン治療を中止してもPSA4.6にまでなりました。あと一歩で正常値(4.0以下)です。

Pcaptgaus現在の患者さんのスナップ写真です。見るからに元気です。
末期の癌が発見されてからもう2年になろうとしてる患者さんには見えません。患者さんは先日も、白内障の手術を受け、さらに新型インフルエンザワクチンも接種して、まだ死ねないと頑張っています。

Lectureevidencepca48これは私が経験したエビデンスです。
面識のない他人の作ったエビデンスをただひたすら待つのではなく、自らがエビデンスを作るようにコツコツと努力研鑽しましょう。

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【読者の感想】

高橋先生

〇〇から〇〇と申します。
6・歳です。この度、初めて先生のHPを拝見しました。目からうろこの感が強いです。斬新な視点には、色々と励まされることも多く、本当に感謝しております。

実は昨年5月以来、PSA値の増加とMRI画像の結果から、生検を強く進められました。しかし、素人目にも、針を何本も突き刺して無事では済むまいと考え、断り続けて来ました。

その後、今年の11月には、ある専門の先生から、プロスタール25とセルニルトンを処方してもらい、同時に食事療法の指導を受けて、これを2ヶ月間続けてきました。その結果、PSAは10前後5から1以下まで激減しました。

これから薬の量を半分に減らして様子を見ようと思っていますが、PSA上昇の不安はなくなりません。

しかし先生のHPを見て、本当に安心しました。また生検や最先端医療に走らなくて良かったと胸をなでおろしています。これからの記事につきましても、期待と希望をもって拝見させて頂こうと考えております。

先ずは、御礼まで。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
高橋先生

〇〇から〇〇です。

新年、明けましておめでとうございます。

今年も先生の斬新なブログを楽しみにしております。よろしくお願い致します。

ところで、生検のリスク情報ですが、もう少し多くの人に知って頂いた方が良いと考えます。2月にはがん〇〇〇〇協会を訪ねますが、先生の論文のお話をして見ようと思います。これからは、がんに対する偏見や誤解も積極的に取り除行く必要があると考えます。私も、会社にがんの疑い有りと、一言話しただけで、大騒ぎになり、直ぐにでも精密検査(生検)をするようにとか、会社を辞めて治療に専念すべきだとか、強く勧められました。断固拒否の上、現在に至っております。

ほとんどの高齢男性が行き着く前立腺の悩みです。今後、画期的な治療法や対処法が現れ、福音となることを期待しております。

高橋先生の益々のご活躍をお祈り致します。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

お答えします。

私の考え方を広めていただくことは嬉しいのですが、ほどほどにして下さい。
私が不慮の事故で死ぬかも知れません。

デトックスをご存知ですか?
日本では、美容とアンチ・エイジンブで知られ始めた治療法です。
しかし、実は体の中に残留している水銀・銅・鉛・ヒ素・シアンなどの体に不都合な物質を排除して動脈硬化を治す治療法です。
この治療は10年前にアメリカで流行になりました。
この治療法の権威の医師が、デトックスにより動脈硬化はなくなり動脈瘤は治り心筋梗塞が治った事実・症例をたくさん実例に出し、書籍として出版しました。それがきっかけでアメリカではデトックスが一世風靡をしました。
ところが、その医師は交通事故という不慮の事故であえなく亡くなりました。まるでダイアナ王妃が亡くなったようにです。
デトックスによって多大な損害を被るであろう脳神経外科医・心臓外科医・放射線科医・もろもろの医療機器メーカー・製薬会社のさし向けたヒットマンによって殺害されたという噂も実しやかに流れました。

前立腺癌の診断・治療の流れで収益を上げている医療機関・医療機器メーカー・製薬会社は多々あります。
私の考え方が真実であるならば(私は真実だと信じていますが・・・)、その流れに依存している団体から狙われても不思議ではありません。
このブログのように、ごく限られた人(興味ある人)だけが知りえるオタク的なマイナーな知識?・真実?程度が、災いを作らないのかも知れません。

真実・正義が必ずしも報われるとは限らないのは、歴史を見ても明らかです。
もう少し私も長生きをしたいので、ほどほどにお願いします。

お大事に。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
高橋先生

〇〇から〇〇です。回答有難う御座います。
先生の命が狙われてしまっては、世の中にとっては大損失ですから、あまり人に話すのは控えたいと思います。私も技術者のはしくれです。先生の合理的な分析や説明はとても納得性のあるものでした。世の中には、政治、経済、物理その他のどの分野でも、権威のある学者の先生が堂々と嘘をまきちらしている現在です。いずれも裏には利権が絡んでいるのでしょうか。私が今回受診した〇〇先生も、前立腺がんを切らずに直してきた先生ですが、大学病院を追い出されたとおっしゃっていました。高橋先生の理論も自然に色々な人が気がついて行けば良いのでしょうか。
これからの益々のご活躍をお祈りします。

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コメント

投稿の仕方が良く分かりませんのでここから
失礼します。

前立腺癌で全身の痒みがおこりますか。
踝から首の下まで、場所を特定せず痒みが
起こっています。
年齢は60歳
psaは 2013年3月 12
   2014年3月  16
   2015年3月  20
父が前立腺がだったため、この上昇をみて
自分ではほぼ癌だと思っています。

一昨年の触診では、癌は見つからず、痛みがあったため炎症をおこしているのではないかと先生にいわれました。 昨年MRIでは癌は発見されずでした。 痒みに関しては糖尿病薬グラクティブの作用かと思っていましたが、一年くらい服用して今になっておこったのでひょっとして癌と関係あるのかと質問させて頂きました。
【回答】
癌患者さんに原因不明の蕁麻疹が出ることは文献的にも見出せますが、前立腺癌でそのような症例があるかどうかは不明です。
まずは、糖尿病による神経障害の掻痒症を疑うべきでしょう。

投稿: 岩男 | 2015/04/08 12:37

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