« 前立腺ガンとビタミンC療法 | トップページ | 前立腺ガンの検査・診断・治療 »

前立腺肥大症と抗男性ホルモン剤

前立腺肥大症の治療の現在の主流は、α-ブロッカーです。商品名としては、ハルナールD、ユリーフ、フリバス、エブランチルなどがあります。
私が研修医のころの前立腺肥大症の治療は、プロスタールなどの抗男性ホルモン剤が主流でした。しかし、前立腺が小さくなり頻尿などの症状が軽減するまで、時間を要しました。また、性欲がなくなるなどの副作用もあったので、α-ブロッカーが出現し患者さんの症状が劇的に軽快した時の驚きは、今でも忘れません。
現在では、ほとんどの医療機関で、α-ブロッカーの治療一辺倒になってしまいました。これはこれで弊害が出るのです。いくらα-ブロッカーが前立腺や膀胱の平滑筋の緊張をゆるめてくれても、前立腺容積が大きい場合には前立腺肥大症の排尿障害には太刀打ちできません。
Prostal22988m73この写真は73歳の男性患者さんの超音波エコー検査の所見です。
夜間頻尿と陰嚢掻痒症で来院しました。前立腺容積を計算すると約100ccです。正常が20cc前後ですから、正常の5倍の体積を有しています。
こんなに大きくてはα-ブロッカー単独の治療では限界があります。患者さんは内視鏡手術を希望していましたが、私が行う日帰り手術では、大き過ぎて手術時間が長くなることと、出血のコントロールが難しくなるので、安全を期してとりあえずお断りしました。
その代わり、排尿障害治療薬であるα-ブロッカーと抗男性ホルモン剤の治療をしばらく行うことになりました。

Prostal22988m733m治療して3カ月後の超音波エコー検査の所見です。
パッと見てお分かりのように、前立腺の大きさが小さくなりました。約41ccです。単純に計算して40%の大きさになったのです。症状も軽快しました。前立腺の大きさが小さくなったので、日帰り内視鏡手術も十分可能になりました。
Prostal22988m736m半年経過した時点で、前立腺の大きさは33ccです。初診時の前立腺の大きさから比較すれば3分の1です。
今の治療をもう少し続け、症状が完全に落ち着いたら抗男性ホルモン治療を休止するつもりです。その時点で内視鏡手術を希望されれば、手術を受けることになりました。
治療の選択肢は、良いにつけ悪いにつけ時間の経過とともに変化するのです。

|

« 前立腺ガンとビタミンC療法 | トップページ | 前立腺ガンの検査・診断・治療 »

コメント

前立腺容積とは、残存貯尿量のことですか? 前立腺の大きさのことですか?
【回答】
前立腺容積とは、前立腺の容積のことですから前立腺の大きさを意味します。

前立腺は2つありますか?
【回答】
一つです。

投稿: Massie | 2010/08/12 20:35

レーザー治療で再発する確立は?

【回答】
再発率の正確な文献はありませんが、おおむね10%程度で小。
レーザー光線の手技にもよります。
レーザー光線で蒸散させるタイプの方法の場合、前立腺が多少残りますから、再発率は少し高くなります。
レーザー光線で、前立腺を被膜からくり抜く方法であれば、前立腺がほとんど残りませんから、再発も皆無に近いでしょう。

投稿: | 2010/09/09 22:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 前立腺肥大症と抗男性ホルモン剤:

« 前立腺ガンとビタミンC療法 | トップページ | 前立腺ガンの検査・診断・治療 »