メール相談 前立腺肥大症編#1
「始めまして、奈良の○○と申します。私の父の事なのですが、ご相談させて頂きたく思いますよろしくお願いします。
年齢は75歳です。去年の10月に前立腺肥大をTUR-Pに法で手術しました。2週間入院して、退院後4日目に多量の出血がありました。その時に、医師から手術時に尿道が狭かったのでメスを入れたからだと言われました。その後、医師から1週間に1回、3週間つづけて麻酔をし尿道にドリルを入れて尿道を広げる治療をするように言われました。しかし、父は高齢のためこの治療が辛く体力的にもたないし、また精神的にもとても苦痛だと言います。(治療後38度前後の熱が出て凄くしんどいようです。)
質問ですが、私がネットで色々調べてみたのですが、この症状はTUR-P法の副作用による尿道狭窄なのでしょうか?また、もしその場合、他に治療法はないのでしょうか?子供として、父が凄くこの治療をするのを精神的にも肉体的にも参っている様なのでなにか良い方法がないかと思いご相談しました。宜しくお願いします。
奈良県○○市○○1-○○○ ○○○○
Eーmail ○○○○@○○○,ne,jp」
【解説】
TUR-P
Trans-Urethral Resection of Prostateの略です。これは前立腺肥大症の最も標準的な内視鏡手術で、経尿道的前立腺切除手術と訳します。
多量の出血がありました
TUR-Pの手術後合併症に「術後出血」が10%の確率であります。この確率はどんなに手術のうまい熟練した名医でも同じです。ただしこのメール内容からは前立腺からの出血か尿道からの出血かは不明です。
麻酔をし尿道にドリルを入れて尿道を広げる治療
尿道拡張ブジーといいます。金属の棒を(ドリルではありません)少しずつ太くしながら尿道に挿入して尿道を拡張します。尿道狭窄を治すためのとても一般的な方法です。「ドリル」というのは医師が説明の時に分かりやすく説明した言葉のあやでしょう。
治療後38度前後の熱が出て
手術後発熱される方がおられます。免疫システムの感受性の高い方は、手術後発熱することが多くあります。
TUR-P法の副作用による尿道狭窄なのでしょうか?
恐らく尿道狭窄だと思われます。TUR-Pの手術後合併症として「術後尿道狭窄」がやはり10%の確立であります。
なにか良い方法がないか
1回だけ十分な麻酔で尿道拡張を行い、その後、太目の膀胱尿道カテーテルを1ヶ月間留置しておけば、1週間に1回の尿道拡張ブジーを行わないで済みます。
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コメント
頻尿に悩む者として、最近、先生のブログを拝読し、大変参考にさせて頂いております。
ところで、先々月、泌尿器科を受診したおり、尿道が狭窄しているとの指摘を受け(全く思いもしていなかった事)、具体的な説明もなく、一週間の尿道拡張手技を受けました。後で、ネットで調べた結果、これは一生続けなければならないもので、一時的に拡張しても段々瘢痕が増え狭窄度が強くなっていくものであるという説明に、愕然としております。
【回答】
数回の施術で再発しない人もいます。
私でしたら週1回、1ヵ月続け効果が持続するようであれば、2週間に1回に減らし、その後は1ヵ月に1回で確認して終了です。」
完全に尿道が狭窄したならば、ともかく、こんなストレスの多い手技を続けることは不可能です。現に膀胱炎、前立腺炎に感染して苦しんでいます。この手技は書面によるインフォームドコンセントも不要で、つまり気軽にみなさん、受けているものでしょうか?
【回答】
はい。
投稿: | 2014/08/30 16:06
ご回答、ありがとうございました。返礼が遅くなって申し訳ありません。
ところで、尿道拡張後、3カ月近く経ちますが、頻尿度が増し、更に排尿時、なかなか出ず、その間強烈な痛みがあるのですが、これは前立腺炎などの感染症によるものか、または尿道拡張によって、膀胱頸部や尿道に瘢痕が出来たためでしょうか?
【回答】
膀胱頚部でしょう。
投稿: | 2014/09/15 16:35
お世話になっています。
膀胱頸部は12年前にTUR-Pで拡げているものの、膀胱鏡で確認すれば、はっきりするのでしょうが、現時点ではこの検査は、受けたくなく、TRUSとかいう直腸からエコーを当てる方法でもある程度、状況を確認できるのでしょうか?
【回答】
出来ません。
投稿: | 2014/09/16 15:47
度々、すみません。
結局、膀胱鏡でないと確認できないわけですね(他に方法がありますか?)。
【回答】
肉眼での確認だけです。」
ところで、尿路感染症があるときに、このような検査を受けても問題が起こらないのでしょうか?
【回答】
尿路感染症がどうかを確認するためです。」
また、検査によって傷がつき、尿道も含めてさらに瘢痕が出来るリスクも、ある程度はあるわけですね?
【回答】
微々たるものです。
検査の結果で、得られる有益の方が多いと考えます。
投稿: | 2014/09/17 15:34
ご回答、大変、ありがとうございます。
膀胱鏡で尿路の中の形状だけでなく、感染のある部位も分かるということですね。
ところで、膀胱頸部の硬化か、膀胱頸部に瘢痕があると仮定した場合、これに対する手術は、TUR-Pで行うしかないのでしょうか?
【回答】
はい。」
実は、バイアスピリンを服用していて、休薬が難しい状況なので、出血の少ない方法があればと思うのですが。
投稿: | 2014/09/18 11:31