休診のお知らせ

【休診日】

令和3年4月10日(土曜日)〜4月15日(木曜日)は
院長が心臓の治療で入院するため、診察は行いません。
その期間のリハビリと再診による薬の処方は行います。

また、院長が入院の精密検査のため、診療ができない日があります。
診察を希望される方は,前日にお電話で確認のため、午前中にお問い合わせください。電話:03-3771-8000

3月23日(火曜日)の午後は休診です。
3月30日(火曜日)の午前は診察できません。
4月1日(木曜日)の午後は休診です。

【診療時間】

 

月曜日〜土曜日: 午前中9時~12時診療を行います。
ただし、火曜日・木曜日のみ、午後4時〜午後6時も診療を行います。

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前立腺肥大症の本当の原因

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老人になると、自然に前立腺が大きくなる🟰前立腺肥大症と一般の医師は思っています。しかし私は40年前は、男性の20%が前立腺肥大症でしたが、今は男性の80%以上が前立腺肥大症になっています。何故だと思いますか?

実は40年前のテレビ番組で、ある医師が「水分を毎日2リットル以上飲むと、健康になります。皆さん、水分をたくさん飲んで下さい!」と言ったのです。それ以来、日本人がみんな水分を多く飲み始めたのです。

その結果、尿が多く作られたために、人体が排尿以外に水分を他に出そうと、汗っかき、花粉症、下痢症、喉の乾燥し易くなりました。


Image_20230922112301 男性は若い頃から水分を多く摂取したので、排尿が増加したため、膀胱出口に負担がかかり、膀胱出口の膀胱括約筋が肥大して膀胱出口が狭くなりました。そのため、排尿するたびに前立腺に負担がかかり、抵抗して前立腺肥大症になったのです。


Image_20230923111601 男女問わずに膀胱括約筋🟰内尿道括約筋があります。水分を多く摂取すると、尿が多く溜まり、膀胱出口に負担が掛かるので、膀胱括約筋が肥大します。すると膀胱出口が開き難くなるので、その結果、前立腺に負担が掛かるので前立腺肥大症になるのです。

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前立腺ガンのステージ

Image_20230606170201 この表について考えてみましょう。ステージⅣだ5年生存率が51%ですが、正常の人の生存率は62%ですから、高麗者なのでしょう。それから考えると、ステージⅢ以下は若いのです。また若い人は前立腺ガンは生じないのです。下に私の考え方を記載します。

ーーーーーーーー

stage 年齢 5年生存率 正常生存率

❶Ⅰ /50〜60歳 91%   100%

❷Ⅱ/60〜70歳 92%   100%

❸Ⅲ/70歳以上 85%   100%

❹Ⅳ/80歳以上 51%   62%

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つまり年齢の高い人ほど、男性ホルモンが低下するので前立腺ガン細胞が進行するのです。ですから、若めのの人はステージⅠ、Ⅱですから針生検をすると悪化します。

ステージⅢ、Ⅳは悪性度が高めですから、男性ホルモンを低下させるともっと悪化します。

ステージⅠの5年生存率は91%、ステージⅡは92%、ステージⅢは85%、ステージⅣは52%でした。

しかし、正常の人達の5年生存率は、ステージ1.Ⅱ.Ⅲの年齢と同じ人達は100%生きています。

しかしステージⅣの人達と同じ年齢の人達は62%でした。つまりステージⅣの人達は高齢者なので、前立腺ガンが無くても、ほとんど同じに近い年齢でした。

ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲは5年生存率が85〜92%であるのは、針生検をしたから悪性化したので、短命の人達が生じたのでしよう。ですから、針生検は絶対にしないで下さいね。

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前立腺ガンの骨転移は80%

Image_20230416102301 転移する前立腺ガン細胞は、80%が骨転移です。残りはリンパ節、肝臓、肺です。何故に骨転移が多いのでしょうか?

Image_20230416104101 ガン細胞が転移する理由は、ほとんどが針生検を行ったからです。針生検を行えば、前立腺に傷がてきて、軽い炎症になります。すると、人体が白血球や免疫細胞やリンパ球が血液で運ばれて前立腺の中に侵入します。


Image_20230416110001 前立腺の炎症を治したら、前立腺から血液で脾臓にに移動して処理します。

白血球や免疫細胞が前立腺から大静脈に移動する時に、前立腺ガン細胞の一部まで一緒に移動するのです。そして脾臓には入らずに、そのまま心臓→肺→心臓→全身に移動します。他の臓器のように頻繁な血流量のない骨に侵入して、静かに少しずつ増殖を始めるでしょう。それが骨転移になります。😂🤣😸😀😃

ですから、前立腺針生検をしなければ、ガン細胞は転移しないし、悪化細胞にもならないのです。ですから針生検して確認後に、前立腺全摘出術や放射線治療しても、西郷輝彦さんや上皇陛下のように骨転移するのです。

PSA値が高ければ、前立腺の触診をして、ガンが触れなければステージ1か2ですから、半年毎に触診します。触診でガンが触れたら、ステージ3以上で、悪性度は7,8,,9,10ですから治療を始めます。ガン細胞の悪性度を針生検で正確に確認しない方が骨転移はしません。

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前立腺ガンが悪化しない方法

前立腺ガンは高齢者の男性が、ほとんど持っています。

❶ 昔は、今の高齢者は存在していませんでした。昭和の始めまでは、男性の平均年齢は46歳前後でした。今は平均年齢は81歳です。長生きしたために前立腺ガンが増えたのです。

❷ 更年期を過ぎると男性ホルモンは低下して、若い時に比べて男性ホルモンが60%以下になります。前立腺は男性ホルモンを作るために、前立腺ガン細胞を作るのです。ですから高齢者の80%は前立腺ガンを待っていて、ガン細胞は寝ています。

❸ しかし、前立腺の針生検をして積極的な前立腺ガン細胞が発見されて治療されると、ガン細胞は目が覚めて悪性度が高まり、4年〜5年で男性は死亡してしまうのです。

❹ PSA検査を開発したアメリカは、PSA検査で前立腺ガンを発見して治療することで、患者さんがたくさん死ぬことが分かり、PSA検査をしないことになりました。そしたら前立腺ガンで亡くなる人が減ったのでした。

❺ しかし、日本の泌尿器科学界は、アメリカの発表を無視して続けています。PSA検査のおかげで、たくさんの患者さんが来院して、いろいろな治療と手術ができるので、泌尿器科の患者さんが増えて収入が上がるから、喜んで続けているのでしょう。😂🤣😸

❻ 肛門からの前立腺の触診で前立腺ガンの硬結が触れなければ、治療しません。もしもガンの硬結が触れれば治療を始めます。それも微量な治療なので、前立腺ガン細胞が気がつかない内に、少しずつ低下させます。私しか行わない治療です。

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前立腺ガンの治療

今の前立腺ガンに対する治療は、患者さんが、一般の方法だと、4年〜5年で死亡してしまいます。このワンパターンの治療は避けましょう。

前立腺ガンに対する考え方をお教えしましょう。

❶男性は40才の中年を経過すると、男性ホルモンが低下して、前立腺が何とかしようとします。そこで前立腺は男性ホルモンを作成しようと前立腺ガンを作るのです。前立腺ガンが男性ホルモンを作成すると、悪性度が増して4年〜5年で死亡してしまうのです。

❷また、前立腺を針生検をして前立腺ガンの見つけて男性ホルモンを低下させると、前立腺ガンの悪性度が増してしまうのです。

❸ですからPSAが高くなっても針生検をして前立腺ガンの細胞を確認してはいけないです。針生検だけでも炎症は生じて悪性度に低い前立腺ガンも悪化してしまうのです。

❹肛門から触診をして前立腺ガンが触れなければ、半年ごとに触診して観察しましょう。また、大豆イソフラボン(ドクターアグリマックス)を利用して男性ホルモンが元に戻ったと前立腺に誤解させるのです。

❺肛門の触診で前立腺ガンが確認されたら、次の治療をします。①エストラサイト(女性ホルモン+抗がん剤)、イクスタンジ(前立腺ガンの細胞の男性ホルモンを低下させる)、③ザルテイア(治療するガン細胞をリラックスさせる)のです。ただし①と②は毎日4カプセルを内服しますが、その量だと前立腺ガンが認識して悪性度が増大するかもしれないのです。これを防ぐために週に1錠にするのです。そうすれば治療している前立腺ガンは治療しても認識せずに少しずつ死滅するのです。

❻また前立腺ガンも男性ホルモンが低下すればするほど悪性度が増大します。それを踏まえて、大豆イソフラボン(ドクターアグリマックス)を投与すれば、前立腺ガンは男性ホルモンが上昇して若返ったと誤解して、前立腺ガンは悪性度が低下するでしょう。そのためにドクターアグリマックスを内服してください。

なかなか面白い考え方でしょう。おかげで10年以上も生きている患者さんがたくさんおられます。教科書どうりのの考え方は注意しなければなりません。

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前立腺肥大症を理由

一般に医師は前立腺肥大症が原因で排尿障害になると思っています。しかしながら本当の違います。

前立腺肥大症になった男性は、もともと排尿障害走あったのです。

❶若い時から頻尿や慢性前立腺炎頑張りあったのです。本人は「私の体質だ!」と思っていたのてす。

❷長い時間をかけて排尿障害が続くと、前立腺に物理的に負担がかかり、前立腺が大きくなり前立腺肥大症になるのです。

❸ですから頻尿や慢性前立腺炎の男性は若い時から排尿障害の治療を行なえば前立腺肥大症入院ならないのです。

❹前立腺肥大症になったら当然、前立腺を小さくしなければ排尿障害は改善しません。そのため前立腺を小さくさせる女性ホルモンに近い薬剤を処方されるのです。

❺こんな事にならない様に、若い時から排尿障害の治療をしましょう。そうすれば前立腺肥大症になりません。(笑)

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ウンコとオシッコの仕方

395898481e1046a0ac6f9b9a5ce69393 ウンコの出し方は,イラストのように前屈みで実行すると出しやすくなるのです。その理由は直腸が後ろに傾いているからです。前かがみにすると、直腸と肛門が一直線になり、腹圧でウンコが肛門まで下がるのです。

Dog 四つ足動物である犬もウンコをする時に、四つん這いではなく、やはり前かがみで排便します。オス犬は片足を上げてオシッコしますが、高齢のオス犬や全てのメス犬は前かがみになってオシッコをします。

人間は普通、背筋を伸ばして座るオシッコと、男性のように立位でオシッコするのが常識です。しかしながら、Bla1 イラストで示したように、膀胱の真下に膀胱出口が存在しません。中心から45°の方向にずれているのです。ほぼ中心線上にあるのは、尿意を感じる膀胱三角部です。尿の重さ・重力は膀胱三角部に当たるのです。この状態で圧力をかけると、膀胱三角部に当たってから間接的に膀胱出口に流れて行くのです。この状態で何十年もけいかすると、過活動膀胱、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎、神経因性膀胱、前立腺肥大症になるのです。

今度は前方に45°傾くと、膀胱出口は重力の直下になります。当然オシッコが出やすくなります。メス犬と同じ姿勢で男女共にオシツコをすれば、様々な病気にはならないのです(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

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前立腺のラテント癌



PSA検査値が少しでも高いと、「前立腺ガンだ!ガンだ!ガンだ!」と決め付けて針生検を何回も何回も行います。マレにガン細胞が、発見されることがありますが、多くは良性に近いグリソンスコア5〜6です。

前立腺ガン、特にラテント癌は、加齢とともにかなりの確率で増えます。E77ae20c376146e9a511345b46e04cd0 1987年に友人の和田医師が発表した前立腺ガンでは死亡しなかった患者さんの前立腺病理結果です。前立腺ガンの潜伏率は表のようです。
❶80歳代50%→80%以上
❷70歳代33%→60%〜80%
❸60歳代22%→50%〜60%
❹50歳代12%→40%〜
❺40歳代 6%→40%
当時から30年以上も経過した現在に至ると、30%以上も確率が高くなっています。

56d44393e9934dca9bf8b5742e73e9a1 また同じ研究で2枚目の表のように、前立腺が大きければ大きいほど前立腺ガンの存在率が高まります。
❶前立腺の大きさが60cc以上であれば、75%存在する。
❷大きさが10cc以上であれば、20%〜30%存在する。

 

8672427dbb9b4011975b72b48b76d122 この証拠に、最近では前立腺肥大症が増えているので、それに比例して前立腺ガン・ラテント癌が増えているのです。

98269464f72545e1b1697a4a8b566ec1 統計的に前立腺肥大症は、80歳までに80%の男性が前立腺肥大症です。ラテント癌が増加するのは当然でしょう。

前立腺肥大症の増加→排尿障害の増加→前立腺針生検の増加→ラテント癌の発見増加→前立腺針生検で刺激され、ホルモン治療で刺激されたラテント癌の悪性化→前立腺ガンの死因の増加

ですからPSAが多少高くても、触診でガンが触れなければ、様子を見るだけにするべきです。

 

 

 

 

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PSAが高くなる理由



Psasyst1PSAは前立腺の腺腔に溜められているタンパク質分解酵素です。精子が自由に動けて妊娠の可能性を高くする酵素です。精液をサラサラにするのです。

PSAがタンパク分解酵素ですから、目的の精液以外に触れると悪影響があるかもしれません。そのために前立腺細胞で囲まれているのです。しかし初めのイラストに示すように漏れ出てしまうことがあるのです。
❶前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症があると排尿の都度前立腺に圧力がかかりPSAが漏れ出ます。
❷前立腺ガン細胞だあると、正常の前立腺細胞よりもシールドが不完全なのでPSAが漏れ出てしまいます。
❸過去にPSAが高いと前立腺針生検をされていると、後遺症で穴が開いてPSAがさらに高くなります。すると、前立腺ガンが増加したと、何回も前立腺針生検をしてしまうのです。
❹生まれつき前立腺にすき間の開いている人がいます。当然、PSAは高くなります。



Psasyst2 以上のことから分かるように、PSAは前立腺ガンだけで高くなる訳ではありません。ですからPSAが高いからと言って何も考えずに前立腺針生検を行うのは・・・問題です。
私は2枚目のイラストのように対処しています。
❶触診で前立腺ガンが触れなければ、PSAが高くなる原因のほとんどが排尿障害です。前立腺に隠れた前立腺ガンを発見するために針生検を行うと、刺激されたガン細胞が増殖し、さらに悪性度が増すのです。
❷触診で前立腺ガンが触れても、針生検をしないで治療を行えば、寿命に影響しません。

これらを色々考えて治療方法を考えるべきです。

 

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前立腺肥大症の誤解

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前立腺が大きい前立腺肥大症だから、排尿障害が生まれて患者さんが悩まれていると、一般的に考えています。

ところが、前立腺肥大症の手術を行っても、オシツコの出の悪さや頻尿や残尿感や痛みが無くならない患者さんが、一定の割合で出現します。すると、執刀医は「歳のせい」「気のせい」「自律神経失調症」と診断し、それ以上の治療を行なってくれません。

その事実から考えると、前立腺が大きいからと判断して手術した事が、誤診であり治療のミスだったことが分かりますよね?

前立腺肥大症の真実は、次の通りです。

❶若い頃より排尿がアンバランスだった。

❷何十年も経過すると、膀胱括約筋が肥大し、同時に前立腺も大きくなった。

❸排尿障害のために膀胱に負担がかかる。

❹負担のかかった知覚神経の膀胱三角部が過敏になり、頻尿・残尿感・尿意切迫感・陰部痛などが後遺症として出現する。

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前立腺の手術しただけでは、膀胱三角部の後遺症は除去できないし、肥大した膀胱括約筋も未処置などで、は排尿障害は完全に治らないのです。そのような患者さんが何十人もおいでになりました。追加の内視鏡手術で、膀胱三角部の処置と膀胱出口を十分に切開・開放すれば、膀胱括約筋が収縮しにくくなり、症状は軽快しました。

例えば、2つのイヤホーンが絡み合った状態であった場合、2つに分離解くのが大変ですよね?小宇宙である人体の病気は、単純ではない筈です。(笑) 

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針生検の価値

Pcaratent PSA値が高いと、必ず針で前立腺の細胞検査を行います。ガン細胞を発見して、悪性度を確認するのです。一見まともですよね?

その後、何が起きると思いませんか?私だけの考えをお話ししましょう。

❶針生検でケガをした多くのガン細胞は免疫細胞(白血球・マクロファージ)が積極的に食べます(貪食)。ケガをしていない周囲のガン細胞は、『自分たちは消滅する!』と焦ります。
❷消滅しないためには、たくさんの細胞分裂をするのです。ガン細胞は均等な細胞分裂はできません。
❸結果、突然変異のガン細胞が生まれるのです。その中に自分たちのための男性ホルモンを作成するガン細胞=去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。
Pcakyosei6 ❹針生検後にホルモン治療が始まります。1ヶ月〜3ヶ月に1回の注射で、男性ホルモンをゼロに近づけるホルモン注射をするのです。すると、男性ホルモンの極端な低下で、すべての前立腺細胞は次々と死にます。
❺その状況を知った前立腺ガン細胞は、さらにイラストのように細胞分裂に力を入れます。
❻結果,突然変異の去勢抵抗性前立腺ガンに変身するのです。


どうですか? 前立腺の針生検とホルモン注射は、人体生命を脅やかす可能性があるのです。ただし、この考え方は私独自のものです。一般の医師から見れば、私の考えは異常・勘違い・気狂いでしょうね。

0ead082be43448bd970b04f186f44b75 事実、60歳〜70歳で50%以上、80歳で80%以上もラテント癌が存在するのです。ですから、針生検をすれば、かなりの確率でガン細胞が発見されます。当然。上記の流れで治療するに決まっています。ですから、前立腺ガンで死亡する患者さんが増えいるのです。
泌尿器科学会はグラフで分かるように、近年、前立腺ガンの患者さんが何倍も増えているので、積極的にPSA検査を実施しましょうと宣伝しています。しかしグラフを見て分かるように、PSA検査が開発されて広まったために、見つけなくてもいい前立腺ガンがたくさん発見されたのです。結果、昔に比べて前立腺ガンで死亡する患者さんが10倍近くも増えたのです。

⑴そこでPSA値が高い場合、診察された泌尿器科医師に必ず前立腺の触診をしてもらい、ガンのシコリを見つけてもらいましょう。確認がなければ、針生検は拒否しましょう。
⑵もしも確認された場合は、常識的に【針生検➕ホルモン治療】になります。すると、最終的には去勢抵抗性前立腺ガンを作るのです。
⑶それをどうしても避けたいのであれば、高橋クリニックにお越し下さい。遠方の方でも、一度来院して頂ければ、2回目からは必要なお薬を着払いでお送り致します。
(…誤解しないで下さいね。これは商売のために宣伝している訳ではありません。あくまでも人命を助けるためです。私は持病で苦しんでいる医師です。たくさんの患者さんが来院されると疲れてしまうのですが…人助けの医師なのでで仕方がないですから)

 

 

 

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触診の価値

Gigital 多くの泌尿器科医師が、PSA値が高くなった初診の患者さんに対して、前立腺の触診をしません。触診で確認出来ても出来なくても針生検で診断できるのだから、患者さんの肛門に指を入れて触診をするなんて無駄だと思っているのでしょう。

しかし、患者さんにとっては、入院して麻酔をかけて針生検をして、術後に出血をしたり急性前立腺炎や慢性前立腺炎になる患者さんが多くいます。ガンの発見だけを優先にしている事が常に正しいとは限らないのです。ステージ(Ⅰ)であれば、多くの患者さんは健康のヒトと寿命は同じです。

触診で判明することは、イラストの通りです。
❶硬さ
ⅰ)前立腺の硬さ、ⅱ)前立腺肥大症の硬さ、ⅲ)石の硬さに区別できます。正常の前立腺の硬さは低い悪性度でグリソン・スコアが5以下です。前立腺肥大症の硬さは中間の悪制度で、グリソン・スコアが6〜7程度です。石の硬さの悪性度は高く、グリソン・スコア8・9・10です。
❷表面の形状
ⅰ)滑らかなな場合は、ガン組織が前立腺を超えていないのでステージ(Ⅱ)になります。ⅱ)凸凹している場合は、悪性度が高く前立腺組織を超えていると考えステージ(Ⅲ)以上でしょう。

❸拡がり方
ⅰ)前立腺の右側だけか左側だけの場合は、悪性度が低めでステージ(Ⅱ)でしょう。ⅱ)左右両側に存在する場合には悪性度が高くステージ(Ⅲ)以上と判断します。

どうですか? 触診だけで、一瞬にして、かなりの情報が得られるでしょう。これだけで治療を開始できますね。私のマイルドな治療を開始すれば、悪性度が高くならない副作用も少ないのです。私の治療法は近日ご紹介致しましょう。

針生検で悪性度を確認しなくても、触診で判明するのです。しかしながら、触診で触れないガン細胞が稀に存在します。ある意味でステージ(1)です。その場合は、半年に一回の頻度で経過観察すれば良いのです。

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針生検してはダメ

Pcaratent PSA値が高いと、必ず針で前立腺の細胞検査を行います。ガン細胞を発見して、悪性度を確認するのです。一見まともですよね?

その後、何が起きると思いませんか?私だけの考えをお話ししましょう。

❶針生検でケガをした多くのガン細胞は免疫細胞(白血球・マクロファージ)が積極的に食べます(貪食)。ケガをしていない周囲のガン細胞は、『自分たちは消滅する!』と焦ります。
❷消滅しないためには、たくさんの細胞分裂をするのです。ガン細胞は均等な細胞分裂はできません。
❸結果、突然変異のガン細胞が生まれるのです。その中に自分たちのための男性ホルモンを作成するガン細胞=去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。
Pcakyosei6 ❹針生検後にホルモン治療が始まります。1ヶ月〜3ヶ月に1回の注射で、男性ホルモンをゼロに近づけるホルモン注射をするのです。すると、男性ホルモンの極端な低下で、すべての前立腺細胞は次々と死にます。
❺その状況を知った前立腺ガン細胞は、さらにイラストのように細胞分裂に力を入れます。
❻結果,突然変異の去勢抵抗性前立腺ガンに変身するのです。


どうですか? 前立腺の針生検とホルモン注射は、人体生命を脅やかす可能性があるのです。ただし、この考え方は私独自のものです。一般の医師から見れば、私の考えは異常・勘違い・気狂いでしょうね。

0ead082be43448bd970b04f186f44b75 事実、60歳〜70歳で50%以上、80歳で80%以上もラテント癌が存在するのです。ですから、針生検をすれば、かなりの確率でガン細胞が発見されます。当然。上記の流れで治療するに決まっています。ですから、前立腺ガンで死亡する患者さんが増えいるのです。
泌尿器科学会はグラフで分かるように、近年、前立腺ガンの患者さんが何倍も増えているので、積極的にPSA検査を実施しましょうと宣伝しています。しかしグラフを見て分かるように、PSA検査が開発されて広まったために、見つけなくてもいい前立腺ガンがたくさん発見されたのです。結果、昔に比べて前立腺ガンで死亡する患者さんが10倍近くも増えたのです。

⑴そこでPSA値が高い場合、診察された泌尿器科医師に必ず前立腺の触診をしてもらい、ガンのシコリを見つけてもらいましょう。確認がなければ、針生検は拒否しましょう。
⑵もしも確認された場合は、常識的に【針生検➕ホルモン治療】になります。すると、最終的には去勢抵抗性前立腺ガンを作るのです。
⑶それをどうしても避けたいのであれば、高橋クリニックにお越し下さい。遠方の方でも、一度来院して頂ければ、2回目からは必要なお薬を着払いでお送り致します。
(…誤解しないで下さいね。これは商売のために宣伝している訳ではありません。あくまでも人命を助けるためです。私は持病で苦しんでいる医師です。たくさんの患者さんが来院されると疲れてしまうのですが…人助けの医師なのでで仕方がないですから)

 

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前立腺肥大症の生まれる理由

80歳台の男性の8割の人が、前立腺肥大症です。では何故こんなに多いのでしょうか? 

実はおシッコが漏れ出ないように、膀胱出口に存在する膀胱括約筋が、常に膀胱出口を閉めているのです。その結果、膀胱出口が十分に開放されないと、腹圧による圧力でスンナリとおシッコが出にくくなります。そしてその圧力負荷が、前立腺に物理的負荷になるのです。前立腺は圧力に負けないように繊維化の固い組織に大きく変化するのです。それが最終的に前立腺肥大症になるのです。ですから人類の8割には排尿障害があるのだと想像できるのです。

私が研修医の頃、今から40年前の頃は、前立腺肥大症の発生率は、高齢者の20%でした。何故、4倍も増えたのでしょう。その理由は、バカな医師が健康のため水分を2リットル以上飲みなさいと指導したからです。

Bph1_20210303112801 元々排尿障害のある人が、水分をたくさん飲めば飲むほど、排尿時に前立腺に負担をかけてしまい、前立腺が抵抗して、結果、前立腺肥大症になるのです。

では、どのようにすれば前立腺肥大症を防ぐことが出来ると思いますか? 実は、前立腺肥大症の患者さんはの多くが若い頃より頻尿や冷え性などの排尿障害の関連症状があったのです。患者さんは自然な体質だと思い込んでいたのですす。

ですから若いうちから排尿障害の治療をすれば前立腺肥大症にはなりません。とは言え、10代20代から治療させるのは、劣等感を思わせてしまうので、30歳代40歳代から始めれば良いでしょう。

しかし、一旦、前立腺肥大症になると肥大症は継続して更に大きくなるのです。対策として男性ホルモンの一部を下げるアボルブと、α1-ブロッカーであるユリーフ・ハルナールを飲んでもらいます。

頻尿や残尿感や尿意切迫感は、排尿障害による膀胱のセンサーである膀胱三角部が過敏になったのです。α1-ブロッカーでセンサーの興奮を抑えることも出来ますが、通常はβ3-作動薬であるベタニス・べオーバを服用すればいいのです。

 

 

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神経因性膀胱と言う「嘘」

Nb1 おシッコの出が悪く、さらに残尿があり、男性で前立腺が大きくなく、さらに女性の場合にも、「神経因性膀胱」と診断されます。そして治療は、神経がダメになり回復させることは出来ないので、毎日3回〜5回の自己導尿の指導を受けるのです。

正常の場合には、神経の命令で膀胱がイラストのように収縮します。ところが、何らかの原因で神経が作用しないと、膀胱は十分に収縮しなくなり、排尿障害と、残尿量が50ミリリットル以上も残ると、「神経因性膀胱」と診断されるのです。

……しかし、この理論はは絶対に嘘と私は考えています。

膀胱の壁に存在する筋肉である、縦走筋と輪状筋は、腹圧が掛けられた膀胱が均一に圧迫・収縮できるようにするだけの弱い力の平滑筋なのです。尿を押し出すための強力な筋肉ではないのです。

43245090c62c40e5ad1c28be9ab1bec1 発生学的に考えると、膀胱と直腸は妊娠の第4週ごろに認められる総排泄腔の「一卵性双生児」なのです。妊娠の第7週目で膀胱と直腸が別れます。排便する時に直腸の筋肉の力でウンコが出ると思えますか? 違いますよね? 腹圧の力で出しているのです。双子の膀胱の筋肉も力がそれ程なくである、排尿は腹圧で出しているのです。

Nb2 膀胱内の尿を押し出すのは、腹圧の主な筋肉である腹直筋・腹斜筋・横隔膜は、自分の意思で動かすことのできる随意筋です。では、神経因性膀胱と診断された病気は、腹圧をかけても、何故に膀胱が収縮ができないのでしょうか?

実は膀胱出口が開いてくれないからなのです。膀胱出口は男性も女性も「膀胱括約筋」で常に閉じているのです。何故かと言えば、液体であるおシッコのが漏れないようにするためです。排尿の際には、膀胱出口に付着している膀胱縦走筋が収縮して膀胱出口が少し開くのです。同時に腹圧をかけると、膀胱内圧が上昇して膀胱出口がさらに広く開くのです。排尿とは微妙なバランスでしょう?

こも現象が毎日5回、1年で1,825回、50年で9万1,250回、80年で14万6千回も行われているのです。膀胱出口に存在する膀胱括約筋には、常に負担がかかります。当然。負けないように膀胱括約筋が次第に発達して大きく肥大・肥厚しますから、当然、膀胱出口が開かなくなるのです。腹圧をかけても出口が開かなければ、膀胱内圧が上昇して膀胱に負担がかかります。膀胱の内膜が凸凹に変形して、それが肉柱(にくちゅう)になるのです。膀胱の壁が疲労性萎縮して薄くなるので、膀胱の筋肉がダメになった誤解されて、神経因性膀胱と間違った病名に診断されてしまうのです。膀胱を支配する自律神経が原因とされているのです。状態を調べることの出来ない自律神経が原因としている理由が、あまりにもいい加減な診断です。理論的にもっと正確な考え方をしなければいけないのです。結果、自己導尿させるなどの患者さんの人生に不愉快な現象を与えているのです。

【治療】正しい治療としては、❶膀胱括約筋の緊張を緩めるα1-ブロッカーであるユリーフ・ハルナールを服用してもらいます。❷最近、保険適応となったBotoxを膀胱括約筋に注射すれば膀胱括約筋が緩みます。❸しかし、膀胱括約筋が極端に大きく、膀胱出口が硬化している場合には、内視鏡手術で、膀胱出口を切開/切除すれば、神経因性膀胱の症状は軽快します。

神経因性膀胱が治らないと思われているのは、ある意味で誤解です。医学の基本である発生学や解剖学の基礎知識を無視しているからです。但し、私だけの考え方です。

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前立腺ガンの悪性度

Glison

 前立腺ガンは、悪性度が顕微鏡画像で5段階に分けられます。グリソ分類❶❷❸❹❺と決められています。それがイラストの通りです。

 

分類❶は、正常の細胞と同じで細胞の密度もほぼ正常です。
分類❷は、細胞が少し大小の違いがあり、細胞の密度がも隙間がでています。
分類❸は、大きさがまちまちで、5倍〜1/5倍の違いあり、細胞の密度は低いのです。
分類❹は、細胞膜の厚さがイビツで、密集して塊りになっている細胞もあります。
分類❺は、イビツに大きく固まった細胞だけです。

一人のた男性の前立腺ガンの組織が、全て同じではありません。少なくても2タイプのグリソン分類を足すのが、「グリソンスコア」と呼ばれます。いろいろなタイプを発見するために、前立腺針生検を医師は6回から18回もも刺して見つけようとするのです。その結果、文類の組み合わせで、


Img_0663 ❷+❸=グリソンスコア⑤高文化型(軽悪性度)
❸+❸=グリソンスコア⑥高文化型(軽悪性度)
❸+❹=グリソンスコア⑦中文化型(中間悪性度)
❹+❹=グリソンスコア⑧低文化型(高悪性度)
❹+❺=グリソンスコア⑨低文化型(高悪性度)
❺+❺=グリソンスコア⑩低文化型(高悪性度)

悪性度の違いによる5年10年生存率を示したグラフです。医師は針生検によって、事前に悪性度を確認して治療方針決めるのです。

ところが、グラフを見て、ある疑問を感じます。悪性度が軽症だろうが重症だろうが、針生検の確認後から生存率が、顕著に低下しているように見えるのです。

 

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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの理由

 

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 ホルモン治療も効かない前立腺ガンが、治療を始めて5年前後で発生します。それを「去勢抵抗性前立腺ガン」と言います。この前立腺ガンは、ホルモン治療が次第に効かずに、新たに副作用の強い抗がん剤の治療を行いますが、残りの寿命は1年も長くなれないのです。

 では前立腺ガンは、何故このような悪性度の強い病気になってしまうのでしょう。

その理由をこ細かく解説します。

❶更年期を超えると、体内の男性ホルモンが低下します。前立腺は男性ホルモンが大好きなのです。なんとかしようします。
❷その結果、男性ホルモンを作る画期的な前立腺細胞を作ろうとするのです。それが前立腺ガン細胞です。
❸排尿障害があると、前立腺内に存在するPSA酵素が、前立腺から漏れ出てしまい血液中に染み込んでしまうのです。
❹血中濃度のPSA値が高くなるので、医師は触診もせずに前立腺ガンを単純に疑い、針生検をするのです。
❺すると、前立腺内に寝ていた悪性度に無関係の弱いガン細胞が傷付きます。
❻傷ついたガン細胞が免疫システムのマクロファージに攻撃され食べられてしまいます。
Akunin8_20201226093101❼周囲の針生検でケガをしなかったガン細胞が、危機感のある状況に対応して増殖します。
❽増殖=細胞分裂ですから、繰り返し繰り返しな何回も細胞分裂をすると、突然変異を起こします。
❾さらにホルモン治療で男性ホルモンが極端に低下して、たくさんのガン細胞が死に、もっと刺激されるのです。

➓遂に男性ホルモンを作る画期的な去勢抵抗性前立腺ガン細胞がと突然変異で誕生するのです。

 どうですか? どう考えても医師が何も考えずに定型的に行う検査と治療により、死に至る前立腺ガン患者さんを作ったことになるのです。この現象を注目して何故にその理由を深く深く考えないのでしょう。医師は常識的な事実だけで当然と思っていてはいけないのです。

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前立腺ガンの触診

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 泌尿器科の医師が最近では、前立腺ガンの検査のために、直腸触診をしなくなりました。PSA値が少しでも高いと即、針生検を行うのです。触診で前立腺ガンが触れないような患者さんは、針生検で発見されると、悪性度に関係なくステージ1️⃣になります。ところが、ステージ1️⃣の患者さんの5年・10年の生存率は、健康な人と同じなのです。触診で触れない前立腺ガンは、針生検で見つける必要はないのです。

 

 前立腺ガンは通常、外腺に発生しますから、イラストのように触診で判断できるはずです。

Ganp2  しかし、外腺は2枚目のイラストのように、触診で全て触れる場所にある訳ではありません。触診に意味がないから針生検だけすればいいと医師が考えるので、触診をしなうなるのです。しかし、40年以上も泌尿器科医師をしていますが、外腺に存在して触診で触れない患者さんを経験をしたことがありません。

Ganp3 前立腺ガンが本来は外腺だけに発生する筈ですが、内腺にも出現します。しかし、イラストのように内腺に一個だけあるのを見たことがありません。内腺に前立腺ガンが発生した場合には、触診でもエコー検査でも確認できません。

Ganp4 前立腺肥大症の前立腺に無数のガンが存在することが稀にあります。触診しても肥大症の所見しかなかった患者さんが、PSA値が高いことが気になり、地元の泌尿器科で針生検したら、悪性度の高いガンがあったと、私に怒りの電話をしてきました。当然謝りましたが、悪性度の高いガン細胞を10本以上も刺しまくり、その後、通常のホルモン治療で悪性度がもっと高くなり、去勢抵抗性前立腺ガンになるでしょう。去勢抵抗性前立腺癌(ステージ④骨転移)の罹患率は前立腺ガンの13%、5年生存率は57%です。ステージ①②③の5年生存率・10年生存率は90%前後です。それも針生検を行いガン細胞の確定診断を行った症例です。

触診で触れない前立腺ガンは、半年〜1年間に1回の経過観察をすれば良いのです。針生検で見つけることで、刺激してしまうからです。確定診断は出来ますが、寝ていたガン細胞を起こすことになるのです。放置すれば、その人の本来の寿命を十分に全うできる筈です。

 

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PSA値と排尿障害

Psa1 PSA値が高くなり、前立腺針生検をされても前立腺ガンが発見されない患者さんが多く存在します。そして、その後、ガン細胞を発見するために、何回も前立腺針生検をされてしまうのです。

 排尿障害の無い健康な男性は、膀胱出口がイラストのように十分に開いてくれるので、腹圧の圧力がスムーズにオシッコを出します。

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 ところが、膀胱出口が十分に開かない排尿障害がある人の場合には、排尿時の腹圧が健康の人のようにスンナリと排尿にはなりません。その結果、前立腺に腹圧の圧力がかかり、前立腺内のPSAが前立腺から漏れ出て染み出して、血液に流れてしまうのです。その結果、血液検査のPSA値が高くなるのです。これは前立腺ガンではなく、医師に誤解されるのです。

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PSA値が高いから、前立腺ガンを疑い、針生検をされてしまいます。しかし、ガン細胞が発見されないと、「良かったですね。」と言いながら、『くそう〜!』と思いながら、PSA値が高かった理由を説明しないのです。その後も定期的にPSA検査を行い、前よりも高くなったから、「ガンが必ず存在します。見つけましょう!」と、何度も針生検をすすめるのです。

 針生検をされると、前立腺内に少なくても10個所以上も穴が開けられるのです。術後その穴が必ずしも閉じるとは限りません。そして排尿障害がある人は、腹圧によって前立腺が強く圧迫されるので、そこから前立腺内のPSAが漏れ出てしまいます。そして排尿の度にPSAが穴から漏れ続けるので、穴は閉じなくなります。そのため、針生検後には次第にPSA値が上昇するのです。その結果、何回も針生検をしましょうと言われるのです。4回も針生検をされた患者さんが来院したことがあります。最後の針生検で悪性度の低いガン細胞が見つかりました。針生検を行った医師は大喜びでした。

 実は針生検を何回も行ったことで、前立腺内の正常細胞が傷付き、たくさん死滅します。その結果、細胞を補充するために何回も細胞分裂が起きるのです。最終的に細胞分裂で突然変異が生まれて前立腺ガン細胞になってしまうのです。それが、4回目の針生検の前立腺ガン細胞なのです。ある意味で、針生検でガン細胞が生まれたとも考えられます。ある意味で、医師による犯罪とも言えますね?

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膀胱出口の欠点

Bladrect_2 膀胱と直腸は、一卵性双生児なのです。胎児4週目に総排泄腔の中央にくびれが生じて、胎児6週目にはドンドンくびれが深くなります。そして胎児7週目に、膀胱が前に、直腸が後ろに完成するのです。


75d150fa02b74e0597a96cb801ffabab 同じ臓器な のにも関わらず、膀胱出口と直腸出口(肛門)が不思議なことに構造的に異なります。その理由は貯めて出す排泄する物が異なるからです。
膀胱出口と肛門の構造を比較すれば理解できます。直腸は大便の塊りを出さねければなりません。そのために肛門は大きく開かなければなりません。そのために、内肛門括約筋と外肛門括約筋が同じ高さの平面状になります。内側の肛門括約筋は常に収縮しているので、随意筋の骨格筋である外側の肛門括約筋が開いてくれると、不随意筋の内肛門括約筋は負けてしまい開いてしまいます。

Bladderactive_20201114101801 ところが、膀胱には、大便と違って液体である尿を溜めなければなりません。ですから肛門と同じ構造では、液体の尿が漏れてしまいます。そこで、液体が漏れ出ないように、内括約筋(内尿道括約筋=膀胱括約筋)と外括約筋(外尿道括約筋)の位置を上下にずらしたのです。肛門のように外括約筋が開くと、内括約筋は容易に開いてしまいます。ところが膀胱出口の場合は、内括約筋と外括約筋が同じ平面に位置していませんから、外括約筋が開いても容易に内括約筋が開く訳がありません。間接的に開いているだけです。

 この状態で長期間・何回も何回も排尿すれば、内括約筋が外括約筋に負けないように、次第に肥大して排尿障害が出現するのは当然です。江戸時代のように平均寿命が50年もなかった頃であれば、排尿障害で悩む人はいなかったでしょう。しかし、現在の日本のように平均寿命が80年も超えるのであれば、8割の人が排尿障害になるのです。その証拠に、80代の男性の8割が前立腺肥大症になるのです。何故かと言えば、前立腺肥大症の原因は、実は排尿障害なのです。

排尿障害があると、スムーズに尿は出ません。出が悪いと腹圧をかけて排尿します。でも、膀胱出口がそのままで十分に開かないのです。当然、膀胱の圧力が前立腺に負荷がかかります。腹圧の負荷に負けない様に、生体反応として前立腺が大きく硬くなるのです。それが前立腺肥大症の原因です。

 女性の場合、中高年齢の34.5%の人びとが腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁になるのです。その理由は、膀胱出口が十分に開かないと、無意識に腹圧をかけて排尿します。前立腺はないので、問題ないと思いますよね?しかしながら、何十年もかけて、排尿のたびに腹圧をかけると、膀胱が骨盤の正常の位置から下に移動します。同時に尿道括約筋の位置も下に移動するのです。排尿が出にくい位置の膀胱出口は下がると、膀胱出口が開きやすくなるのです。また、尿道括約筋も下に移動すると、尿道括約筋が閉じなくなるのです。結果として、咳やクシャミなどで腹圧性尿失禁になるのです。

以上に事から分かるように、人間は年齢を重ねれば重ねるほど、排尿障害になるのです。それが膀胱出口の欠点なのです。高齢者が多くなった日本では、それまで地味だった泌尿器科が、繁盛するのは当然です(笑)☺️。男性の場合は前立腺肥大症・PSA高値・慢性前立腺炎・神経因性膀胱、女性の場合は過活動膀胱・間質性膀胱炎・腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁が増えてしまったのです。

 

 

 

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膀胱括約筋に注目

Ecoh1 泌尿器科の男性のエコー検査で、一般の医師は前立腺の大きさと、前立腺結石・石灰・膀胱結石・膀胱腫瘍しか評価しません。前立腺が大きくなければ、異常なしと診断します。前立腺結石は無視です。慢性前立腺炎や間質性膀胱炎や過活動膀胱の患者さんにエコー検査しても異常なしと誤診するのです。一般の医師は、エコー検査の画像を小さいままで観察するです。小さな構造異常は気にもなりません。それで異常なしと誤診してしまうのです。それを回避するためには、画像を5倍〜6倍に拡張するのです。当然ですが、画像のいろいろな陰影を見て「これは何だろう?」「どうして、こんな形になるのだろう?」と色々な疑問を感じるはずです。

 私がエコー検査で注目するのが膀胱括約筋の肥大の有無です。初めのイラストはエコー検査の側面像と正面像の表示です。側面像では膀胱括約筋は見ることが出来ませんが、正面像で観察すると前立腺の左右に膀胱括約筋が見えます。

Ecoh2_20201017120401 排尿障害が持続して存在すると、膀胱括約筋が次第に肥大します。それを表示したのが2枚目のイラストです。側面像で膀胱括約筋が確認できます。その理由は左右に合った膀胱括約筋が肥大して、中央に突き出ているからです。排尿障害が長く継続すると、膀胱括約筋が肥大して、エコー検査の側面像で確認できるのでです。

Psa37904m65pp【実例】
 この初めの写真はPSA値が高くて来院した60歳代の患者さんの前立腺の』エコー所見です。今年の6月に膀胱炎症状が出現し、地元の病院に行ったら、PSA値が5〜9と高く、前立腺針生検をされてしまいました。8ところがガン細胞は発見されませんでした。その後陰部が痛くなり、今度は慢性前立腺炎と診断されたのですが、治らないので当院を受診されました。
【?】マークで示している部分が何だと思いますか?

【?❶】は膀胱括約筋です。【?❷】は膀胱縦走筋です。【?❸】は膀胱出口粘膜の硬化像です。

【?❶】の膀胱括約筋はエコー所見の側面像では、普通の方は見えないのが正常です。排尿障害が長期間継続すると、膀胱括約筋が次第に肥大して、エコー所見の側面像で見えてしまうのです。

【?❷】の膀胱縦走筋は、膀胱出口を開くための筋肉ですから、膀胱出口に近く(5mm)に向いていなければなりません。ところが、この膀胱縦走筋は膀胱出口から10mm以上も離れています。これも排尿障害が原因です。

【?❸】の膀胱出口粘膜の硬化像は、正常の人にはありません。オシッコする時に膀胱出口は開くために粘膜が硬ければ開きにくくなってしまいますよね?ですから正常ではあり得ないのです。この所見は、膀胱出口が十分に開かない状態でオシッコをしているからです。それは膀胱出口がオシッコのたびにブルブル震えるからです。そのため粘膜が次第に硬くなるのです。結果、患者さんにオシッコの出方をお聞きすると、オシッコが2つに割れたり散ったりしていますとお答えになりました。

Psa37904m652pp 2枚目の写真は患者さんのエコー正面像です。【?❹】は左右の膀胱括約筋が肥大して合体している所見です。この合体所見が、膀胱括約筋の肥大です。

 この患者さんは前立腺の大きさは25ccと正常範囲ですが、エコー所見で排尿障害が強いことが理解できます。オシッコの際に膀胱出口に向かって圧力がかかります。膀胱出口が十分に開かなければ、その圧力の大部分が前立腺に負荷を掛けます。前立腺内には前立腺液が貯蔵されています。その前立腺液の中にPSAが大量に含まれているのです。その圧力がPSAを血中に染み出させるのです。当然として血中のPSA値が高くなります。それをバカな医師が「前立腺ガンだ!針生検しろ!」と強調するのです。

【実例の結論】
この患者さんに排尿障害があり、それが原因で膀胱炎症状になったのです。排尿障害が原因でPSA値が高くなり、針生検をされてしまいました。前立腺が10カ所以上も針で傷つけられ、それをキッカケに慢性前立腺炎症状になってしまったのです。排尿障害の治療と頻尿の治療で症状は軽快します。排尿障害の治療薬ユリーフ・シロドシンと頻尿の治療薬のべオーバ・ベタニスを服用すれば良いのです。PSA値は見事に下がります。前立腺が大きくなく、PSA値が高いと前立腺ガンと誤診されて、多くに人が針生検をされて、この患者さんのように辛い思いをしてしまうのです。

 

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ユリーフ、ハルナール、フリバスの違い

 Subtype 排尿障害の治療薬であるα1ブロッカーには、ユリーフ(シロドシン)、ハルナール(タムスロシン)、フリバス(ナフトビジル)があります。患者さんによっては、効果が同じ人もいれば、特定のものしか効果の出ない人もいます。

その理由は、表を見れば分かります。α1ブロッカーには、作用するα1受容体のサブタイプが微妙に違うのです。

❶ユリーフは、α1受容体のサブタイプA>>>B・Dにしか効果がないのです。
❷ハルナールは、α1受容体のサブタイプA>Dに効果があるのです。
❸フリバスは、α1受容体のサブタイプD>>Bに効果があるのです。

Yurif 人によって、α1受容体のサブタイプ分布が同じ比率ではないので、クスリも人によって合う合わないが存在します。サブタイプAが分布のほとんどの人には、ユリーフがダントツに効果が得られますが、フリバスは当然ながら効果が得られません。その場合には、ハルナールは、ほどほどの効果が得られます。

α1受容体は、交感神経の分泌するアドレナリンに反応する受容体なのです。α1ブロッカーは、この受容体であるスイッチをブロックするのです。イラストは、3種類の木が受容体のサブタイプです。交感神経である太陽からの日光がアドレナリンです。日傘をさして受容体に日陰を行なっているのがα1ブロッカーです。イラストは、日傘がユリーフでα1−Aサブタイプに日陰を作っているのです。

Yurif2 サブタイプ受容体が、毎日α1ブロッカーで抑制されると、体は他のサブタイプを増やそうとします。例えばAタイプが多かった人にユリーフを続けると、Dタイプが増えるので、今度はフリバスの方が効くようになるのです。病気と言うのは常に一定ではないので、変化を気配りしなけれなならないのです。まるで政治の変化と同じでしょう。代議士が隠れて、主流の政治グループから、他のグループに移行すると主流グループが困る事があるのと同じです(笑)。

 

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前立腺ガンの本質 #2

Hari2  前立腺ガンを発見するために、日本の医師は針生検をしたがるのです。しかし、50歳〜70歳の男性の40%〜60%には前立腺ガンが必ず存在します。80歳以上の患者さんにおいては、80%前後も存在します。ですから、PSA値が高いと言って針生検すれば、2人に1人の50%にはガン細胞が見つかるのです。10カ所〜20カ所も針で刺すのですから、前立腺は当然として外傷性炎症が起きます。炎症ではイラストのように白血球やマクロファージが集中して、傷付いたガン細胞を多数貪食します。すると、傷付かなかった生き残りのガン細胞は『何とかしなければ!』と思い、対応策としてガン細胞を無理やり増やそうと細胞分裂を繰り返します。ガン細胞の細胞分裂は、ある意味でとてもリスクがある分裂なのです。ガン細胞は細胞分裂をすると、ソックリ同じ細胞が作れないからです。その中に悪性度の高い細胞が突然変異で生まれるのです。

 ですから針生検をしてはいけないのです。しかしながら、針生検をされた患者さんが、たくさんおいでになります。そこで、針生検をされた患者が、これ以上悪化しないように治療しなければなりません。人を助けるのが、私の使命だからです。

 触診とエコー検査でガンを発見したからと言って、何もしないと考えてはいけません。必ず治療しなければいけません。そこで治療としては、前立腺ガンに男性ホルモンを徹底的に低下させることが一般的ですが、それが原因で「去勢抵抗性前立腺ガン」が発生して悪性度が増して亡くなる人が増えるのです。残りの寿命が短い人に対しては、この治療で問題ありませんが、平均寿命が82歳を超える現在では、この治療は欠点です。そのために男性ホルモンを低下される治療をしてはいけません。

❶触診やエコー検査で発見できなかた患者さんや針生検で発見されたステージⅠと診断された患者さんは、半年に1回の触診とエコー検査をすべきだと思います。ず〜と前立腺ガンが出現しない患者さんが、多数存在します。しかし悪性度が高いグリソンスコアが7〜10の患者さんの場合は、エストラサイトの微量な治療を始めます。次の解説を参考にして下さい。

Hari7_20200825164601 ❷ステージⅡ・Ⅲの場合は、微量なホルモン治療を行います。大量のホルモン治療を行うと、数年後には悪性度の高い去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。その場合、ホルモン治療の抵抗性になるので、どんな治療をしても着実に悪化してしまいます。積極的に治療すればするほど、悪性度が増すと思ってください。治療を10分の1にすれば、悪性度が増すまで10倍かかると考えるのです。
 そこで私が利用するのが昔からある「エストラサイト」です。エストラサイトは、男性ホルモンを直接は低下させません。この薬は「女性ホルモン+抗ガン剤」なのです。前立腺ガンが生まれた直接の原因は、男性ホルモンが低下するのですから、男性ホルモンはそのまま維持します。女性ホルモンと抗ガン剤で、イラストで示すようにフェンシングで少しずつ殺害するのです。大砲で攻撃するように一気に殺害すると、中心の前立腺ガン細胞が、懸命に細胞分裂をを起こしますから悪性度が増すのです。

 そこで、エストラサイトの普通の処方が毎日4カプセルを1週間あるいは2週間に1回1カプセルだけを処方するのです。男性ホルモンの低下はしませんから、ガン細胞は気付きません。しかし、女性ホルモンと抗ガン剤でも前立腺ガン細胞は死滅します。投与量が28分の1〜56分の1しか処方しませんから、死滅するガン細胞はほんのわずかです。ですから、中心のガン細胞が気が付かないので、一生懸命に細胞分裂をしません。それを続けると、触診やエコー検査でも、次第に前立腺ガンの塊りが柔らかく小さくなるのです。

❸触診で悪性度が高い場合やステージⅣで骨転移している場合は、エストラサイトだけでは不十分です。その場合には、「イクスタンジ」を併用します。悪性度の高い去勢抵抗性前立腺ガンは、ガン細胞自身が自分を活性化させる男性ホルモンを作るのです。細胞内の男性ホルモンを抑えるのがイクスタンジです。イクスタンジも毎日4カプセルですから、投与量は抵抗性をさせないように、エストラサイトと同じく、1週間あるいは2週間に1回1カプセル処方します。例えば、処方は月曜日にエストラサイト1カプセルであれば、火曜日にイクスタンジを1カプセル服用するのです。

Pcazal ❹ガン細胞が抵抗性能力を作らないように、すべての細胞をリラックスさせる薬剤を併用治療として行っています。その薬がザルティアです。ザルティアは平滑筋の緊張を緩めてくれるのです。

 その作用を利用して、排尿障害の原因である前立腺平滑筋の緊張を緩め、さらにインポテンツの患者さんの陰茎動脈の緊張を緩めて勃起しやすくするのです。すべての細胞には一酸化窒素NOが存在します。細胞が緊張を緩める作用があります。そして細胞内にはこの一酸化窒素を分解する酵素があるのです。細胞は常に緩んでいる訳でもなく、常に緊張している訳でもありません。必要に応じて、緊張したり緩んだりするのです。ザルティアは緩みを元に戻す一酸化窒素を分解する酵素を抑えて緊張させないのです。

 ガン細胞にも、この一酸化窒素と分解酵素があるのです。ガン細胞が緊張状態だと、治療薬に抵抗するに決まっています。ですから、ガン細胞の緊張を緩めて治療薬を受け入れさせるのです。そのためにザルティアを併用するのです。

 

 

 

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前立腺ガンの本質 #1

  更年期を過ぎると、男女着実に性ホルモンが低下します。生まれてから50年以上の間、男性ホルモンに依存していたのは、脳中枢とペニスと前立腺なのです。男性ホルモンによって、脳中枢はポジティブになり、ペニスは勃起し、前立腺は精液を充実させるのです。物理的に負担がかかるのは、胃と肺と心臓と前立腺だけです。前立腺からすれば、オシッコで物理的負担が一生かかります。男性ホルモン低下に対して少しでも良い環境にしようと、積極的に努力するのです。

 そこで前立腺が自分の細胞で男性ホルモンを作ることにします。それが、前立腺ガン細胞なのです。前立腺ガンの治療で、男性ホルモンを徹底的に低下させるとガン細胞がは次々に死滅します。当然、前立腺は焦って男性ホルモンを作ろうととするのです。それが前立腺ガン治療の5年後によく生まれる悪性度の高い「去勢抵抗性前立腺ガン」なのです。この細胞はホルモン治療ではまったく効果が得られないので、副作用の強い抗癌剤を使用するのです。しかしながら、この治療を行なっても、抗癌剤を使用しない患者さんと比較して、寿命は6ヶ月の違いしかないのです。

 PSA値が高いと、最近の泌尿器科医師は触診もしないで、針生検をして無理やり前立腺ガン細胞を発見し、ホルモン治療した事が、致死性の高い病気にしてしまったのです。ある意味で、泌尿器科の常識による被害者が、前立腺ガンの患者さんとも言えます。私の考えは、泌尿器科では非常識ですから、信じてもらえなくても仕方がないと思います。

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 前立腺ガンと他のガンとの生存率の比較が右の表です。この表でお分かりのように、5年生存率100%、10年生存率95%以上は前立腺ガンだけです。と言う事は、前立腺ガンは他の臓器のガンと比較すると、ガンと考えることでいいのでしょうか?最近の前立腺ガンの患者数と死亡者数の増加は、PSA検査と針生検のし過ぎだと考えられるのです。ある意味で、「過剰診療」と思われています。アメリカでは、過剰診療を防ぐために、PSA検査を意味もなく行ってはいけないと規制しました。日本はPSA検査や針生検をアメリカから輸入したにもかかわらず、患者さんのPSA検査の制限をしないのは、患者さんの為ではなく、自分たちの存在のためだと思えてなりません。

Db8d923ef0af44d2ab970f46f499ac20  ですから、この現象を少しでも避けるために、私は考え方を工夫して、実戦しています。
❶先ずはPSA値が高くても針生検しないように努力します。触診とエコー検査で確認出来なければ、その患者さんは、ガンが存在したとしてもステージⅠです。右の表から分かるように、ステージⅠの患者さんは、健康な人の寿命と全く同じなのです。通常は排尿障害、前立腺肥大症や膀胱頸部硬化症があるために、PSA値が高くなったと考えて排尿障害の治療を行えばいいのです。

Grafpcagrade2

このグラフは1996年に発表されたものです。現在では、PSA検査がとても多くなったので、発見しなくてもいい悪性度の低い患者さんが多くなっていますから、死亡率は多少少なくなっているでしょう。

❷触診やエコー検査で発見出来るのが、ステージⅡとⅢとⅣです。一般的にガンを発見したら、必ず針生検をするのですが、逆に針生検をすることで悪性度を増すことになるのです。悪性度が高いと、積極的なホルモン治療や手術や放射線を行いますが、去勢抵抗性前立腺ガンや骨転移になる患者さんがかなりの確率で生まれるのです。結局は針生検が原因なのです。

 実は前立腺針生検で死亡率が高くなるのです。このイラストは、針生検で悪性度を確認した患者さんの生存率を比較したグラフです。
悪性度が低い患者さん、悪性度が中間の患者さん、悪性度が高い患者さんの5年生存率は、それぞれ95%、70%、30%です。ですから、「早く発見して早期に治療しましょう」と言うグラフです。素人であればそう考えるでしょう。しかし真剣に考える医師であれば、針生検をしたことをキッカケに、悪性度の高い前立腺ガンが致死性の高いガンになったと見えます。

 以上のデータから、針生検をして前立腺ガンを見つけた場合、3割の悪性度が高い人が5年以内に7割が死ぬのです。そして5割の悪性度が中間の人が5年以内に3割が死ぬのです。悪性度が低い1.5割の人が0.5割死ぬのです。前立腺ガンが針生検で発見された患者さんの数と生存率から計算すると、5年以内に1%+16%+22%=39%の患者さんが亡くなることになります。針生検でガンを発見する意味があるとは思えません。

Glyson

❸では、このような性格の前立腺ガンをどのように対処して治療すれば良いのでしよう。私考え方と方法を解説します。先ずは悪性度=グリソンスコアを前立腺針生検をしないで予想するのです。右のイラストは私の触診の考え方です。グリソンスコアが6以下の場合は、左右どちらかに前立腺肥大症の弾力性のある硬結が触れます。通常前立腺肥大症は左右均一に存在しますから、どちらかだけに存在していた場合は、前立腺肥大症ではなく必ず前立腺ガンです。
 この硬結が、前立腺肥大症よりも、弾力性がなく明らかに硬いのであれば、悪性度が中間のグリソンスコア7前後です。正確に言うとグリソンスコア6~8と思われます。グリソンスコアは顕微鏡で悪性度の種類は観察して、多い順番ごとを足すのです。例えばグリソンスコア6はグリソンナンバー3+3=6なのです。グリソン7はグリソンナンバー4+3または3+4=7なのです。ですから、硬さにはある程度の幅があるのです。

Ef3a32cb2d294e37943c8fcecbb175e6  前立腺ガンは他のガンと比較して、悪性度は少ないと考えられます。右の表をご覧下さい。他の臓器に比較して「前立腺ガンは本当にガンなの?」と思えませんか。実際にPSA検査が普及し始めた1990年頃から前立腺ガンは増加し、前立腺ガンでお亡くなりになる方も増えたのです。PSA値が少しでも高いことを口実に、前立腺の針生検をすることで、前立腺ガンの悪性度を増加させているとも思えます。ある意味で、PSA検査は泌尿器科が収益を上げるための材料なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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排尿機能障害の具体的理由

Sphinc1膀胱出口が開くためには、尿道括約筋が開きながら引っ張ると、収縮している膀胱出口が開くのです。膀胱出口は、常に膀胱括約筋で閉じられているのです。一般の医師は、排尿時に膀胱括約筋が自らの力で開いていると思っているのです。

そして排尿障害のある人は、膀胱括約筋が緩まないからだと思い込んでいるのです。初めのイラストは正常の排尿の表示です。

左が蓄尿時を表現しています。膀胱括約筋と尿道括約筋のつながりの位置に注目してください。❶排尿時には、骨格筋である尿道括約筋が下に向きに開きながら引っ張ります。❷膀胱括約筋が閉じていても、尿道括約筋に負けて膀胱括約筋が引っ張られ、膀胱出口は開きます。❸さらに腹圧でオシッコが出るのです。

Sphinc2_20200810104301 次のイラストは、排尿障害の人の解説です。蓄尿時の膀胱括約筋と尿道括約筋の連結線(点線)をご覧ください。膀胱括約筋の外側につながっていて、尿道括約筋の外側に付着しています。

❶この状態で尿道括約筋が下に向きながら開くと、❷どう考えても膀胱出口は閉じるでしょう。❸その状態で腹圧をかけてオシッコをすると、出口が狭くなっていますから、ジェット流になって、オシッコは散るのです。そして膀胱内圧は上昇するので、膀胱粘膜や膀胱壁の筋肉(縦走筋・輪状筋)に負担がかかり、点状出血・ハンナー型潰瘍→間質性膀胱炎、肉柱形成→神経因性膀胱、膀胱憩室→先天性と誤診されるのです。そして膀胱括約筋に物理的負担がかかるので、生体反応が起きて、膀胱括約筋が次第に肥大してしまい、膀胱出口がますます狭くなり、さらに排尿障害が強くなってしまうのです。

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 3枚目のイラストは、膀胱括約筋と尿道括約筋を機械に見立てたものです。正常の場合は、膀胱括約筋(緑)と尿道括約筋(赤)が連結しています。尿道括約筋が外側に移動すると、膀胱括約筋は下向きに移動します。すると出口は開きます。

 排尿障害になりやすい人は、連結線が膀胱括約筋の外側に付着して、尿道括約筋にも外側に付着すれば、尿道括約筋が外側に移動すれば、膀胱括約筋は上向きになります。すると出口も上向きになりますが、膀胱内圧で負担がかかり出口は閉じてしまうのです。

 この膀胱括約筋と尿道括約筋の連結具合が人によって様々なので、排尿機能も様々なのです。手術で、この連結を修正することはできません。治療としては、膀胱括約筋の緊張をゆるめて、上向きにならないようにするのです。それがα1ブロッカーのユリーフ・ハルナールです。手術としては、出口の部分を切除すれば、膀胱括約筋が上向きになっても出口が閉じないのですから、出が良くなるのです。

Sphinc5 実際に1本の連結線が存在する訳ではありません。膀胱括約筋と尿道括約筋は何十本もの平滑筋線維と連結しているのです。しかし、その平滑筋線維の緊張度が均一でなければ、この連結線のお話しのような現象が起こるのです。そしてα1ブロッカーは全ての平滑筋の緊張を緩めるので、膀胱括約筋の平滑筋も連結線の平滑筋も緩めるので、私が解説した現象が低下して、排尿障害が改善するのです。

Sphinc6

 ご覧いただいて想像出来るように、この現象は前立腺とは無関係です。排尿障害が原因で膀胱括約筋が肥大して、それが原因で腹圧をかけると前立腺に負担がかかり、前立腺が大きくなるのです。この現象は男女問わないことになります。神経因性膀胱も排尿機能障害も具体的な概念のないウソの診断名になります。ですから、全ての排尿障害には、α1ブロッカーが必須です。

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前立腺ガンの手術後に悩む患者さん

Pcaopside 初めまして。男性67歳です。
一か月半前に前立腺がん切除術を受けました。
尿漏れは覚悟していました。酷い状況で、現在まだ一向に良くなっていかずにむしろ安定的に
多い感じです。尿漏れパッドは一日五枚前後(150mL*2回吸収タイプ)で交換します。

退院後、薄い血尿がしばらくあったのですが、一か月で消えました。
時折、尿道が痛む程度です。
退院以来、勃起は一度もありません。

尿意は四六時中あるという感覚で、一日20回以上はトイレへ通います。
が、日中はなかなか膀胱に溜めることができず、パッドに垂れ流してしまうことになります。
しかし、たまに日中でも溜まった場合では、尿勢が極端に弱く、二筋、三筋に分かれ、散乱して
便器にすら入らず辺りを汚します。また、小水を出そうと陰茎をズボンから出そうと急いでも、
大抵は出す瞬間に尿がこぼれ出て、またズボンを汚すのも大変多い。
うっかりして、パンツ、ズボンを濡らすこともいまだにあるという体たらくに意気消沈しています。

これでは、外出がままならず、今後どうなってゆくのか不安です。

一方、これも不思議なことに退院後すぐから、夜間は尿漏れはなく、頻繁ではあるものの
3~4回程度のトイレ通いで済んでいます。(手術前は夜間一回程度でした。)
これにはたまたま一種救いを感じております。

一体、手術によって、私の尿道が異常変形してしまったのかなどと素人考えで、どうなって
しまったのかと悩みます。

今後回復するのかと不安で仕方なく、何か、良くなっていくためにご助言を下さいません
でしょうか。
【回答】
手術によって陰部神経を切除されたので、勃起しなくなったのです。よくあることです。
前立腺を摘出して、膀胱と尿道を縫合する時に、膀胱の過敏な膀胱三角部に縫合糸がかかるので、尿意が常にかかるのです。尿道の痛みも膀胱三角部の症状です。
対症療法として、過敏さを抑えるために膀胱括約筋の緊張を緩めるユリーフ・シロドシン、膀胱三角部を緩めるベオーバ・ベタニスを服用すべきです。
お大事に。

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前立腺の触診

Gsstage0PSA値が高いからと言って、すぐに前立腺針生検を迫る医師がたくさんいます。基本的には、先ずは前立腺の触診をしなければなりません。触診でガンを触れることがなければ、正常あるいは前立腺肥大症です。触診で正常であっても排尿機能障害である膀胱頚部硬化症でも前立腺肥大症でもPSA値は上がりやすいのです。

例え前立腺内にラテント癌が存在していてもPSA値は上がりません。PSA値が高いからと言って、前立腺針生検をすると、寝ているガン細胞(ラテント癌)を起こしてしまい、それが原因で悪性度の高い前立腺ガンに変身させて寿命に影響を与えてしまう可能性があるのです。

Gsstage1触診で判定できる前立腺ガンについて解説しましょう。イラストはステージ❷の前立腺ガンの触診所見です。触診で判断できる硬結には2つのタイプがあります。先ずは前立腺肥大症の硬さの前立腺ガンです。前立腺肥大症は通常であれば左右対象の筈です。部分的に前立腺肥大症の硬さを感じられる硬結の場合は、グリソンスコア6以下の良性に近い前立腺ガンです。2番目は石のように硬い硬結です。これはグリソンスコア6以上の悪性度が高めの前立腺ガンです。悪性度が高いガンの場合は、細胞の密度が高いので高くなるのです。

Gsstage2次に考えるのが悪性度の高い前立腺ガンの触診所見です。この前立腺ガンの硬結は、さらに本当の石のように硬く凸凹しています。したがって悪性度はグリソンスコア 7・8・9・10と考えられます。そしてステージも❸❹と高くなるのです。

触診だけで、ここまで判断できるのです。さらに、PSA値÷前立腺の大きさ=0.2以下であれば、悪性度は少ないはずです。また触診で硬結が確認されずに、エコー検査で前立腺ガンが確認出来なければ、正常あるいは、最悪でラテント癌のステージ❶でしかありません。

 PSA値が高いことで、触診もしないで針生検を行なってラテント癌を発見した場合、積極的なホルモン治療、放射線治療、手術治療になります。これは、患者さんの為ではなく、医師たちの増収の為としか思えません。

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次亜水の有効

私が以前にご紹介したHSPのスーパー次亜水がたくさん売れたようです。20リットル入り容器が多数注文があり、それも何と〇〇からだそうです。また新しい超音波ミスト噴霧器「キンキリ」も多数注文されたそうです。恐らくは新型コロナウィルスの対策でしょう。

7868c41a49fa48e483ca3de30ae61f63 最近のニュースで、感染したタクシー運転手さんが千葉から都内へ電車で通勤していたそうです。たくさんの乗客に感染のリスクが当然高くなるでしょう。恐らく都内での新型コロナウィルス感染者が増え続けるでしょう。

私の週3回通院している透析クリニックは品川にあり、高齢者の患者さんが多くいます。電車やバスや徒歩で来院される方がほとんどです。多くの人々と接触する訳ですから、感染のリスクも当然あります。感染した患者さんが、クリニックの室内で4時間血液透析をする訳ですから、感染者の呼気が次第にクリニック室内に拡散するでしょう。他の患者さんに感染する可能性があります。コロナウィルスは眼の角膜からも感染の可能性があるのです。

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そこで、次亜水と噴霧器「キンキリ」を透析クリニックに寄付することにしました。私と同僚の患者さん達とクリニックのスタッフのためです。

Jiasui次亜水のミストは、コロナウィルスと戦ってくれ、感染のリスクを回避してくれます。さらに肺に入ってしまったウィルスや角膜に付着したウィルスも遣っ付け(やっつけ)てくれるでしょう。

もしもコロナウィルスの感染者が出たら、クリニックで透析が出来なくなります。

HSPのホームページ
http://www.hsp-net.co.jp

商品購入ページ
http://superjia-sui.com/shop.html

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ニュースで連想した事


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新型コロナウィルスの罹患数と死亡者数の推移を示したグラフが、インターネット・ニュースで見つけました。現在の罹患数が4万2千人を超え、死亡者数は千人を超えました。新型肺炎の感染者の2.4%が残念ながら亡くなられているのです。マスコミでも大騒ぎです。このグラフを見て…あれ?…と気がついたことがあります。このグラフと似たようなグラフを過去に私が作った覚えがありました。

5b403c1ea1f244958a7eaf8c51d5db4d過去に作成した前立腺ガンの罹患数と死亡数のグラフが右に示しました。前立腺ガンの場合は、現在の罹患者の13%(1万3千人➗10万人)が亡くなられているのです。今話題の新型コロナウィルスの死亡率の「5倍以上」の確率で患者さんがお亡くなりになっているのです。新型肺炎の4万2千人の13%の5,460人も亡くなったら、もっと驚くべき感染症でしょう? しかし、前立腺ガンは話題になっている新型肺炎よりも、死亡率がはるかに高いのです。

その理由を考えてみましょう。前立腺ガンの罹患者が多くなった理由は次の通りです。

【PSA検査の普及→PSA値が高い→詳しく調べもしないで針生検→前立腺ガンのラテント癌も発見→罹患数の増加→13%か死亡→死亡者数の増加】になっているのです。無病であってもガンは存在するのてす。前立腺のラテント癌は、現在では平均で43.3%です。60歳で40%以上、70歳で50%以上、80歳で70%も存在するのです。PSA値が高いと云う理由で針生検をすれば、平均で43.3%の相当な確率で癌が見つかるに決まっています。40歳以上の男性が2,500万人とすれば、全員が針生検すれば、ラテント癌は1千万人に見つかるはずです。結果、13%の130万人が前立腺ガンで亡くなるのです。

この流れから考えてると、どう考えてもPSA検査の普及が原因だと思えて仕方がありません。PSA検査は前立腺ガンの発見には必要ですが、高ければ何でもかんでも針生検を行う事が、諸悪の根源なのです。触診や諸検査で、前立腺ガンを診断したら、針生検を行わないで治療を始めればいいのです。まして触診や諸検査で前立腺ガンを確認出来なければ、ほとんどがラテント癌ですから、針生検をしないで経過観察するべきなのです。

 

 

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針生検の弊害

Wbc3_20200204172801 PSA値が高いことで、泌尿器科の医師はガン細胞を見つけるために、懸命に前立腺針生検を行います。

針生検を行うと、前立腺が10カ所(6本〜18本)近く傷だらけになります。傷に対して白血球が集まり炎症を起こします。傷のために損傷した細胞を貪食細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞)が集合して食べ、前立腺の外に運び出します。また、顆粒細胞(マスト細胞)も刺激され、炎症を起こし、貪食細胞を刺激し更に集めます。マクロファージは平滑筋細胞が変身する場合もありますから、針生検の後は大騒ぎです。もしもガン細胞が存在すれば、過剰に刺激されますから、悪性度の高まる可能性が出て来るのです。

貪食細胞で食べられたガン細胞は、その対処方法として、細胞分裂して細胞を増やすしかありません。密度が高く狭い前立腺の中で、貪食細胞が全ての癌細胞を捕獲できるとは思えません。その結果、生き残った癌細胞が増え、突然変異のガン細胞が生まれ悪性度が増すのです。PSA検査が全国に普及したために針生検の症例が増えて、その結果、前立腺ガンで死んでしまう患者さんが増えたと、私は考えています。

 

1975年の前立腺ガンの死亡者数は1,200人だったのが、2017年には12,000人を超えました。10倍にもなったのです。1990年ごろから、PSA検査が普及したために、針生検が増えたからでしょう。

 

これは泌尿器科学会では、非常識な考え方ですから、医師は誰も信じてくれません。ガン細胞を生き物ではなく、物として考えているので、無謀な検査をするのです。

 

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PSA値が上昇する前立腺ガンの3タイプ

Psacell ❶イラストて示すのが、一般的なPSAが漏出するイメージです。このパターンの場合は、PSAの漏出は微々たるものですから、通常は高くなりません。腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞は、悪性度は低い細胞レベルですから、そっとするべきです。

Psacell2 ❷前立腺ガンが増殖して、腺腔内に広がるイメージです。前立腺の外側に出るよりも、内腔に浸潤する方が容易です。この場合もPSAはわずかしか漏出しません。やはり腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞も増殖能力が、それ程高くない中間型の悪性度グリソンスコアGS6〜7程度ですから、針生検はすべきではありません。

Psacell3 ❸前立腺ガンが腺腔内に留まらないで、外に増殖したイメージです。内腔にたくさん増殖すると、これ以上の隙間がないので、外側に増殖します。この場合はPSAは高めになります。腺腔膜を破ることの出来る、前立腺ガンは悪性度が高いグリソンスコアGS8〜10でしょう。

この3タイプに前立腺肥大症や膀胱頸部硬化症などの排尿障害があると、PSAの腺腔に常に圧力がかかるので、PSAは漏出しやすくなりますから、予想以上にPSAは高くなるのです。

ですから、PSA値が高い患者さんの場合は、触診やエコー検査で前立腺ガンを確認できなければ、前立腺ガンがあったとしても❶と❷のタイプですから、先ずは前立腺肥大症や排尿障害の治療を行い様子を見るべきです。すぐに針生検を行うのは、過剰な診療になります。

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長寿と平行して悩むオシッコの病気

Cef5cd9711f94492bdc54b5af2340476 私が研修医の頃、80歳過ぎの前立腺肥大症の患者さんの割合は、おおよそ20%ほどでした。時代が過ぎて現在では、高齢者男性の80%の人が前立腺肥大症になるとされています。その理由は何故でしょうか?泌尿器科学会でも明確な理由が分かっていません。さらにご婦人の過活動膀胱の患者さんも増えています。500万人以上もいるとされています。どう考えても、平均寿命の増加が原因でしょう。グラフは、前立腺肥大症の増加する罹患率を示しています。その増加率の比例して前立腺ガンの患者さんも増加しています。その理由は、前立腺肥大症になるとPSA値が高くなり、隠れていた見つける必要のないラテント癌を発見するからです。

Sohaisetu それでは平均寿命が伸びると何故オシッコの病気が増えるのでしょうか?まずは発生学的な視点から考えてみましょう。膀胱と直腸は元々は同じ臓器だったのです。それが総排泄腔といいます。その総排泄腔が胎児の6週目から、真ん中にクビレが入り始め、7週目で二つに分離するのです。分離した前側が膀胱で、後ろ側が直腸になります。膀胱からは尿管と腎臓ができ始め、直腸には大腸が結合します。その結果、膀胱には尿が溜まり、直腸には大便が通過するのです。

Anal発生学的には同じ臓器なのですが、通過する尿と大便によって出口が変わったのです。直腸の出口、つまり肛門はイラストのようになっています。出口は内肛門括約筋と外肛門括約筋で構成されています。内肛門括約筋は、外肛門括約筋の内側に隣接しています。内肛門括約筋は不随神経で支配されており、外肛門括約筋は随意神経で支配されています。排便の際に内肛門括約筋は、固形の大便が出やすいように漏斗状にするために収縮をします。しかし外肛門括約筋が開くと、真後ろに位置する内肛門括約筋は強制的に開かされてしまいます。きれいな漏斗状になるので、大便がスムーズに出るのです。

Bladderactive

膀胱の出口の構造は、直腸の出口=肛門と少し異なります。なぜならば、肛門と違って液体である尿を溜めておかなければいけないからです。肛門と同じ構造では、液体である尿が漏れ出てしまうからです。それを防ぐために、内尿道括約筋と外尿道括約筋の位置が上下に離れて分かれています。ですから、排尿する際には、外尿道括約筋が
開いても内尿道括約筋を直接開くことは出来ないのです。あくまでも間接的に開いているのです。肛門と違い、内尿道括約筋は外尿道括約筋ほどは開きません。

Bladderaging

排尿の際に、膀胱の圧力が膀胱出口にかかります。膀胱括約筋(内尿道括約筋)に物理的な圧力が若干掛かります。この圧力が毎日繰り返し繰り返し長期間続けば、かなりの負担が掛かるのです。オシッコの回数が毎日5回だとすると、365回✖️5回=年間1,825回になり、50年で9万1,250回になります。膀胱出口を9万1,250回も叩けば、膀胱括約筋が次第に肥厚・肥大するのは当然です。それが、60年70年80年も継続すれば膀胱括約筋はさらに肥厚・肥大して排尿障害が強くなります。男性の場合は、膀胱括約筋の下に前立腺にも負担が掛かり、前立腺は次第に大きくなり、前立腺肥大症になるのです。ご婦人は前立腺かないので、見た目では肥大症のような変化がないので、過活動膀胱、間質性膀胱炎と診断されるのです。

以上のように、もともと膀胱の出口は、構造的に欠陥があったから、平均寿命が伸びるほど、排尿障害の患者さんが増えるのです。要するに、排尿障害が原因のいろいろな病気(前立腺肥大症、慢性前立腺炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症など)は、加齢とともに増えるのは当然なのが人間なのです。病気になったとしても、ガッカリしないでくださいね。

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夜間多尿の理由

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夜間頻尿の理由のひとつに「夜間多尿」という現象があります。夜間多尿は寝てからのオシッコの量が多い場合を意味します。定義として、1日の尿量の33%が夜間の尿量とします。例えば、毎日のオシッコが1.8リットルとすると、夜間だけで600㎖以上の尿量がある場合です。高齢者や高血圧の患者さんが、疫学的調査で夜間多尿が多く認められています。その理由について学会の有名な医師の説明によると、❶水分の摂り過ぎ、❷高齢者、❸抗利尿ホルモンの低下、❹塩分の摂り過ぎ、❺高血圧、❻腎臓に障害がある、等などの様々な理由をあげています。

 

多くの医師は、生化学的な観点からしか物事を考えないのです。そのため、理由が明確に追求できないのです。しかし、解剖学的構造学的な観点から考えると見えて来るものがあります。

Aortakidney 解剖学的腎臓の位置は寝ている時の姿です。起き上がっている時とでは、状態が異なります。起き上がると、腎臓の重さで下に移動します。おおよそ5cm以上です。10cm以上落下して症状がでると、「腎下垂・遊走腎」と云います。その症状が、腰痛、脇腹痛、吐き気などです。その理由は、腎下垂で腎動脈が引き伸ばされたために、腎血流量が低下して、ある意味で腎臓が阻血・虚血状態になるので、腎臓が痛くなり、腰痛・脇腹痛・吐き気になるのです。ちょうど、狭心症や心筋梗塞の胸の痛みと同じです。

Aortakidney2 高齢者になると、筋力が低下して、腹腔内の脂肪も減り、腎下垂の確率が高くなります。さらに動脈硬化のため、引き伸ばされた腎動脈の内腔が狭くなるのです。高血圧の人は、さらに動脈硬化が強いので、さらに狭くなります。

Yakantanyo_20200129112301 高齢者が日中に起き上がる、座る、立つと、腎臓は下垂して腎血流量が低下します。腎臓に注がれる水分が少なければ、日中の尿量は減少します。そのため排出できなかった水分が体内の細胞外液として残されてしまいます。寝て横になると、腎臓が元の位置に戻ります。血流が回復すると、体は「今がチャンスでだ!」と腎臓にたくさんの水分が流れて、たくさんの尿量が作られます。その結果、「夜間多尿」になるのです。排尿障害で膀胱容量が小さくなっている人は、当然、夜間頻尿になるのです。

昼間の水分が体内に残っている訳ですから、それを改善するために、夜間の抗利尿ホルモン分泌を抑えて多尿にするのです。

対策として、❶水分を控える❷昼間に1時間ほど昼寝したり横になることです。また、❸治療薬としては、合成抗利尿ホルモンのミニリンメルトOD錠があります。

 

夜間多尿はいろいろな原因説明がありましたが、本当の原因は動脈硬化と高齢者による腎下垂が原因です。その理由でいろいろな原因が一筋にまとまりました。

 

夜間多尿は、体を正常にするために、体に大量に溜まった水分を少しでも少なくする目的で、夜にオシッコをたくさん出しているのです。抗利尿ホルモン単独で夜間多尿を抑えると、さらに水分が体に溜まり、血液が水っぽくなる=低ナトリウム血症になり、頭痛、吐き気、食欲不振、錯乱、ケイレンなどの症状が発症して、本当の病気になってしまうのです。ですから、水分は控え目にすることと、日中に昼寝でもして、日中の尿量を増やしましょう。

 

 

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レントゲン検査の弊害?

6e924f682450408daaa7abe9ee4daa0f健康診断や人間ドックなどで胸のレントゲン検査(胸部XP)を行います。特に、ガンの患者さんは、定期的に胸部XPを肺転移を確認するために行います。

ところが、レントゲン検査を拒否される患者さんが結構います。また、レントゲンで肺ガンができるからと言われる医師もいます。

私たちの日常環境では、太陽光線に放射線が混じっていますし、食べ物の中にも、わずかですが、放射性物質が混じっていて、それを私たちは食べているのです。

あるネズミの実験で、餌に放射性物質をゼロにしで、放射線が入らない特殊な部屋で飼育しました。すると、1週間もしない短期間でネズミは死んでしまったのです。

今から30年以上も前の1982年に台湾で建てられた1万人が居住するマンションがありました。建築後の10年後にそこに住んでいる子どもたちが、たまたまガイガーカウンター(放射線探知機)を手に入れて、遊んでいました。すると、驚いたことに、マンションのどこでもガイガーカウンターが「ガーガーガー」と大きな警笛を鳴らすのです。

そこで国が調べてみると、マンションの鉄骨の中に、建築業者のミスか不良品かで、放射性物質コバルト60が混入した鉄骨を使用してしまったのです。当然、マンションはすべて壊されました。そこで、興味を持った医師・研究者たちが、マンション住民のその後を10年間調査したのです。普通で考えれば、放射線を長期間大量に浴びたために、ガン患者さんが大量に発生すると思われたのです。………ところが、台湾の一般の人々のガン発生率と比較しても、一人もガン患者は出なかったのです。

それを機会に、微量放射線治療を実施する代替医療の医師たちが存在します。それを放射線ホルミシス研究と呼びます。有名な先生が、テレビにたびたび出演する川嶋朗先生です。昔、心身医学研究会の理事長で、私も理事のひとりでした。医療に関して仲良く議論していました。

5ed9921777d04a68b4a2cc994a08f449放射線は体内の電解質や酵素やホルモンに当たると、イオン化させて活性化させるのです。その活性化がないと、生命は生きていけないのです。例えば、暖炉・溶解炉・火力発電機に燃料である木材・石油・石炭が入っていても、火を付けなければ、暖炉・溶解炉・火力発電機は活動しません。暖炉・溶解炉・火力発電機と木材・石油・石炭が生命体で、付け火が放射線と考えれば分かりやすいでしょう。適度の放射線を浴びなければ、人間は充実した生き方が出来ないのです。むしろ早く死んでしまうのです。

http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/daitai/2008/11/post-22ce.html

旅客機のパイロットは、一般的にみんな長生きです。1万メートルの高さで飛行すると、陸上で浴びる放射線よりもはるかに多いのです。つまり、放射線をたくさん浴びることで長生きするのです。また、パイロット経験者は髪の毛が薄い人も多いのです(笑)。

以上の観点から、わざわざX線を浴びる必要はありませんが、太陽光線にも放射線が微量ながら入っています。お日様に毎日当たることは健康に良いのです。ですから、朝起きたら朝日を浴びて、お天気の日には、日光に当たるように、なるべく散歩をしましょう。また、最近話題になっている大人も子どもの「引きこもり」を続けると、陽の光を浴びないので、心身ともにダメになるのです。過去に原子爆弾を2つも被害を受けた日本では、放射線=悪の根源と思われても仕方ないのです。しかし、放射線の強さによって、さまざまな有効な現象があるのも事実です。

 

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糖尿病治療薬の抗がん作用

糖尿病の治療薬である「メトホルミン」が、癌の抑制効果があるとされています。以前から知っていましたが、インターネットで下記の記事を見つけました。

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糖尿病とがんの関連、がん発症に結び付く原因解明に向けた研究は、さらに進んでいる。

最近では、膵臓で分泌されるインスリンの作用不足で生じる高血糖や、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性という状態が、がん細胞の増殖を促進することも分かってきた。血液中のブドウ糖の代謝を促すインスリンが使われないまま血液中にたくさん残ると、様々な臓器に存在する特定のインスリン受容体に作用し、臓器のがん化に結び付くというのだ。

がん発症や再発の予防に期待されるメトホルミン

Bbff48097a72492f8cf9fcad8ead871bもう1つ、欧米で60年以上使われてきた糖尿病治療薬のメトホルミンに抗がん効果があることが、よく知られるようになったトピックについても触れておこう。

インスリン抵抗性改善薬に分類されるこの薬は、インスリンの分泌を促進せずに血糖値を下げる効き目のよさと低価格から、欧米では糖尿病の第1選択薬として普及している。1970年代に米国などで、乳酸アシドーシス(糖尿病の急性代謝失調の1つ)などの合併症による死亡報告が相次ぎ、危険性が高いと忌避された時期があったが、使い方に注意すれば問題ないことが明らかになった。

近年、メトホルミン服用の患者さんは未服用群に比べ、膵臓がんのリスクが62%低下したとの報告(米テキサス大)をはじめ、肺がん、大腸がん、乳がんなど、多種類のがんで抗がん効果があったとする臨床研究結果が世界各地から発信されている。血中インスリン濃度を下げることでがん細胞の増殖が抑えられるためだ。糖尿病でない人に対してもがん予防、再発防止の可能性が期待されている。

日本でも最近、中年でメタボ型の糖尿病の患者さんに、第1選択薬としてメトホルミンを処方する医師が増えつつある。古典的な糖尿病治療薬が抗がん効果を携えてよみがえる「メトホルミンの逆襲」とささやかれているそうだ。

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ガンの患者さんに、糖尿病ではなくてもメトホルミン(商品名メトグルコなど)を処方する必要はあるのかもしれません。当院では、前立腺ガンの患者さんが多いので、このクスリを追加してみたいと思います。

 

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PSA値が高くなり悩まれている患者さんへ

PSA値が高いから十分に調べもしないで、前立腺針生検を迫る医師がおいでであれば、下記の文章を参考にお渡しください。

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 主治医の先生に申上げたいことがあります。PSA値が高いと、即、前立腺針生検を実施するのはお控えください。先ずは必ず前立腺の触診を行い、前立腺ガンの硬結が触れるか否かを確認してください。もしも硬結が触れなければ、前立腺ガンが存在したとしても、ステージ①ですから10年生存率は健常者と同じなので、ガンを発見する必要はありません。さらに、硬結が触れた場合、その硬さや形状で悪性度グリソンスコアがおおよそ予想できます。前立腺肥大症に近い硬さであれば、グリソンスコア6前後です。かなり硬ければグリソンスコア7~8です。硬さが歪であればグリソンスコア9~10と考えていいでしょう。

 Pcagraf PSA検診に関して、世界的レベルのマスコミや学会では、乳がんと同様に前立腺ガンの過剰診断・過剰治療が問題になっています。しかしながら、日本では未だにPSA検査、針生検をやめてはいません。日本の状況を振り返ってみると判明することがあります。1975年頃は、前立腺ガンの死亡者数が1,200人ほどでしたが、2019年の現在では12,000人以上になっているのです。
1975年頃は、前立腺ガンの罹患数(前立腺ガンが発見された人数)が2,000人ほどだったのが、2019年の現在では78,000人以上になったのです。

この数字から客観的に調べると分かることがあります。
1975年の罹患数➗死亡者数=2,000人➗1,200人=1.7倍
2019年の罹患数➗死亡者数=78,000➗12,000人=6.5倍

時代とともに、前立腺ガンの罹患数が1.7倍⇒6.5倍と、まるで放物線のように急激に増加しているのです。しかしながら、前立腺ガンの死亡者数は角度の低い直線状です。このグラフから分かることは、今話題の「過剰診療」なのです。

Caseamengアメリカとイギリスの前立腺ガンの罹患数と死亡者数の比較したグラフです。PSA検診を行っていないイギリスの死亡者数と、PSA検診を行っていたアメリカの死亡者数がほぼ同じなのです。にもかかわらず、罹患数はアメリカが極端に多いのです。これは明らかにPSA検診による「過剰診療」なのです。

過剰診療でも、「たくさんの人を助けることが出来るのだからいいんだ!」とお思いですか?前立腺ガンと診断された患者さんのその後の人生において、ガンのことしか考えなくなるのです。ポジティブになれないので人生のQOLが低下してしまうのです。医師は患者さんを幸せにするのが使命なのに、患者さんを不幸にしてもいいのでしょうか?

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日本の前立腺ガンの死亡者数を注目すると、この40年間に10倍も増えているのです。その原因は不明とされていますが、グラフで示すように、PSA検診の普及により前立腺ガンの罹患数も死亡者数も増えたと考えることが出来ます。

その理由は、PSA検査で前立腺ガンが疑われ、前立腺針生検をして前立腺ガンが発見され、治療されるからです。???とお思いでしょう。これはラテント癌が関与しています。ラテント癌は60歳代~70歳代で50%、80歳代で60%も存在しているのです。その寝ているラテント癌をPSA値が高いことを理由に、前立腺針生検を行い、ホルモン療法で前立腺ガンを刺激しまくっているのです。それが理由で前立腺ガンの悪性度は増して、命にかかわる前立腺ガンに変身するのです。

PSA値が高い=前立腺ガンとは考えないで、PSA値が高くなる理由を考えてください。今の日本では80歳までに80%の男性が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症の原因のベースには、排尿機能障害があるのです。排尿機能障害があると、必ずPSA値は高くなるのです。触診と超音波エコー検査で前立腺ガンが確認できなければ、前立腺ガンが存在したとしてもステージ①と考えて前立腺針生検はしないでください。PSA値が高い=排尿機能障害と考えて、積極的に前立腺肥大症や排尿機能障害の治療を行ってください。お願いします。

【備考】
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/bph/2017/11/post-e77b.html

ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03-3771-8000

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ガン治療の考え方

C70067aff1b642dcafd6b76222215fd9医師は癌の治療の際に、癌細胞を物として扱っています。ホルモン剤や抗がん剤の攻撃する標的=的まと=物体として扱っているのです。 攻撃手段を考える医師は、当然、生きた人間ですが、攻撃を受ける癌細胞もその人の生きた細胞なのです。それを意識のない単なる的として攻撃するのですから、必ずしも上手く行く訳がありませんでしょう?

癌細胞は生き物です。それも数ミクロンの大きさの細胞が無数(少なくても数10万個)に集まっているのです。内服薬や注射などで、抗ガン剤やホルモン剤で攻撃しても、癌細胞集団の外周の毛細血管の流れている部分の癌細胞しか死滅しません。集団の中心部分に存在する癌細胞は死滅しません。さらに悪いことに、中心部の癌細胞は、周囲の癌細胞が死滅したことを認識するのです。

その対策として、当然ながら癌細胞を増やすために、細胞分裂を繰り返すのです。何回も何回も細胞分裂を繰り返すと、そのうち当然変異の癌細胞が生まれるのです。それがそれまでの癌細胞よりも悪性度のとても高い癌細胞になるのです。例えば、前立腺ガンでいえば、去勢抵抗生前立腺ガンになるのです。

癌の治療をする医師は、癌細胞を殺すことだけに固執すると、生命体同士の戦いという事を忘れ、逆に患者さんの寿命を短くさせるのです。それを避けるために、癌細胞は物質的な標的ではなく、患者さんの個性に準じた生命体だと思いながら、対策しなければならないのです。

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ステージⅠで悩まれる患者さん

PSA値が4.0を超えて前立腺ガンを疑われ、針生検を行いました。結果、10本中5本に前立腺ガンが見つかり、悪性度はグリソンスコア8で比較的悪性度が高かったのでした。放射線治療や手術を選択肢として提示されたのですが、患者さんは拒否して、現在、代替医療のクリニックで治療を受けています。

ところがPSA値が下がらず心配で心配、代替医療の主治医にご相談したところ、なぜか私を紹介されたのです。11月8日にご夫婦でお越しになりました。前立腺ガンの患者さんの多くがご夫婦でお越しですから、一目見て「前立腺ガンだな」と思いました。

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お話しをお聴きして、現在の状況を知りたいので、早速、エコー検査と触診を行いました。現在、ホルモン治療は行なっていませんから、針生検前と変わらないはずです。しかし、エコー検査で観ても、触診を行なってもガンを見つけることができません。エコー検査では直径たった3mmでも発見できます。結果、ステージ1の前立腺ガンを発見されたと考えるべきです。

エコーをよく見ると、膀胱出口が硬く見え、膀胱排尿筋が正常の方向には向いていません。そのため膀胱三角部が厚くなっています(赤い↔)。前立腺石灰も確認できます。前立腺周囲の静脈瘤も確認できます。つまり、排尿障害による後遺症の形状変化です。排尿障害によるPSA値の上昇だったのです。それを前立腺ガンだ疑われて隠れていたラテント癌が見つかったのです。ステージ1の前立腺ガンの5年生存率は悪性度に関係なく92%です。

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この生存率は、前立腺ガンでなかった健康の人の5年生存率と同じです。これは見方を変えれば、ステージ1の5年の死亡率8%は、もしかすると、針生検の影響かも知れません。ですから、前立腺ガンが触診とエコー検査で見つけることの出来ないラテント癌は、針生検をしてラテント癌を刺激しないで経過観察するべきです。そうすれば、触診とエコー検査で見つけることの出来るステージ2を発見してから治療しても、手遅れにはならないのです。ステージ2の5年生存率は表で示すように93%と、ステージ1の生存率よりも逆に高いのです。

ガンは悪性疾患ですが、すべてのガンが同じではありません。周囲の状況に応じて変化するガンも存在します。同じガンでも静かに沈黙を守ってくれるガンもいれば、大暴れをするガンもいます。細胞の悪性度を確認するために針生検をして、逆にガン細胞を刺激して、大暴れをするガンに変身させるかもしれないのです。だから私は、針生検をしないで、悪性度やステージを予測して経過観察したり治療するべきだと考えているのです。ガンをなるべく怒らせないように、ソッと静かに治療すべきだと思うのです。

医師はヒトの病気を軽快させて生活レベルを向上させることが使命のはずなのに、ガンに執着し続けることで、逆にヒトの生活レベルをトコトン下げているのです。

 

 

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比較して分かる前立腺ガンの正体

Cancar 【全国がんセンター協議会のデータより】
前立腺ガンを発見されて、私のブログを読まれてから大いに悩まれる患者さんが多くおられます。
そこで、見方を変えて、インターネットで容易に手に入るデータから下記の通り考えてみました。

✳︎✳︎各臓器の癌の10年生存率の比較(ステージⅢ)と、生存率から観た前立腺ガンの悪性度との比較

前立腺ガン 95.6%   1.0倍比較悪性度※
肺ガン………16.1%   5.9倍
胃ガン………38.9%   2.5倍
大腸ガン……74.8%   1.3倍
直腸ガン……63.0%   1.5倍
食道ガン……66.1%   1.4倍
肝臓ガン………9.8%   9.8倍
膵臓ガン………3.1%  30.2倍
腎臓ガン……51.8%    1.8倍
膀胱ガン……32.3%    3.0倍

ステージⅢとは、臓器の外に超えてしまったガン=浸潤ガンです。臓器周囲のリンパ節に浸潤している可能性があります。また、ステージⅢのガンは発育速度が高いと考えられるので、おそらく悪性度は中等度以上でしょう。 ガンは癌でも臓器別にして10年生存率を比較してみると、こんなにも違います。みんな同じではないのです。特に、前立腺ガンは膵臓ガンと比較すると、30倍以上も10年生存率が高いのです。膵臓ガンは、本当に正真正銘の悪性度の高い癌ですが、前立腺ガンは「本当に癌なの?」と思えてなりません。
ですから、針生検で前立腺ガンが発見されたとしても、心に余裕を持ってください。
また、良性に近い前立腺ガンが、他の臓器のガン発生を一時的にでも牽制してくれているのかも知れません。

さらに心臓の病気との比較では、
心筋梗塞…………… …………51%   1.9倍比較悪性度
肥大型心筋症…………………82%   1.2倍
拡張型心筋症…………………22%   4.3倍
大動脈弁狭窄症 手術例………70% 1.4倍
大動脈弁狭窄症 内科治療例… 20% 4.8倍

Kanngaepp_20191105112001 前立腺ガンの患者さんは、心臓の病気の患者さんよりも長生きができるのです。それから考えれば、前立腺ガンは単なる一般の病気です。

 

 

 

 

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PSA検査の過剰診断でラテント癌が見つかった人

前立腺ガンと診断された60歳代の患者さんが訪れました。

PSA検査で5.0以上で前立腺ガンを疑われ、MRI検査で大きさ1.2㎝の大きさの陰影が発見されました。2015年PSA4.9  2016年PSA5.01  2017年PSA7.2 と年々高くなったので、2018年3月についに前立腺の針生検を行いました。すると、10本中1本だけにグリソンスコア6という良性に近いガンが見つかったのです。前立腺の全摘手術をススメられたのですが、患者さんは拒否して、代替医療の医師に転医して、現在治療を受けているのです。

ここで疑問があります。直径が1.2㎝もの大きさの前立腺ガンかあるのに、たつた10本中1本しか見つからない訳がありません。MRI検査結果は、おそらくは誤診だったのでしょう。

その後は現在までは、代替医療を行っているのですが、2019年10月にはPSA値が6.519と高いままだったのです。本人も代替医療の医師も現状を知りたくて、医師から私が紹介されて来院されました。

早速、エコー検査を行いました。すると私の予想通りに、排尿障害のある前立腺の形状をしていました。膀胱排尿筋が間違った方向に向いており、相対的に膀胱三角部が厚くなり、頻尿症状が推察できました。確かに患者さんは毎日10回の頻尿なのです。また前立腺結石と、膀胱三角部粘膜も硬化像が認められます。これらの所見は、すべて排尿機能障害の後遺症です。結局として、現在のPSA値が高くなるのも、排尿機能障害の後遺症だったのです。

触診所見でも前立腺ガンは触れません。一般的にMRI検査で見つかる前立腺ガンは、触診で必ず見つかります。

Pcastagesuravival グリソンスコア6程度の悪性度の前立腺ガンが、PSA値を高くできるとは思えません。この患者さんの経過は、排尿機能障害によるPSA値の高値を理由に針生検されてしまったために、見つける必要のない悪性度の低いラテント癌が発見されたのです。これで、患者さんは最悪として今後の人生においてガンの事ばかり考えてしまうネガティブな人間に変身するでしょう。

この表は前立腺ガンのステージと5年生存率と同年齢の健常者の5年生存率の比較です。触診で確認できないステージⅠのラテント癌の場合、悪性度に関係なく5年生存率は90%以上であり、これは同年齢の健常者と全く同じなのです。そんなステージⅠの患者さんに前立腺針生検をして、逆に寝ていたガン細胞を傷つけて起こしてしまえば、良い結果が出ると思えますか?また傷つけたことが、ガン細胞だけでなく、患者さんの心も傷つけてしまうのです。

Gs6 これは、医師の行為による被害者とも考えられます。この患者さんのように、前立腺ガンのことしか興味のない医師によって、他の隠れた病気を見逃された患者さんはたくさんいます。医師の使命は、病気を見つけることは勿論ですが、患者さんの命ばかりでなく、患者さん人生のクオリティを高めるのも使命です。

現在の日本人男性の50歳以上では、40%以上の人にラテント癌が隠れています。80歳台では60%にもなります。これは前立腺ガン以外で亡くなられた方の病理解剖結果です。そのようなガンを見つける必要があると思えますか?

バカみたいに「PSA・針生検!PSA・針生検!PSA・針生検!」としか言わない医師は、注意した方がいいでしょう。

 

 

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PSA値が高いため、悩まれる患者さんへ

Ilastpsaps4PSA値が高い=前立腺ガンと思われている素人の方もいれば、専門の医師もいます。その医師たちが、「針生検しなければならない!」「針生検しなければ、治療ができない!」と強引に自分たちの何も考えないワンパターンの治療をすすめるのです。

PSA値の上がる原因は、前立腺ガンだけではなく、膀胱頸部硬化症などの排尿障害や前立腺肥大症、慢性前立腺炎、前立腺結石症、神経因性膀胱、先天性PSA漏出症など 、いくつもの原因があるのです。

逆に、ステージ0〜1の隠れた前立腺ガンは、発見する価値はまったくないのですが、さまざま理由でPSA値が高くなっている場合には、針生検によって寝ている前立腺ガン(ラテント癌)を刺激し起こして、悪性度を増し、結果、寿命に影響のある前立腺ガンを作ってしまう可能性があるのです。

M3pcatransition2PSA値が高くても、前立腺ガンで高くない=ステージ0〜1の患者さんを針生検で刺激しないように、PSA値を高くしている原因を追求するべきです。単純に前立腺ガンだけを見つけることは、総合的に考えて患者さんに不利益をもたらします。

先ずは、ステージ0〜1の確認をします。エコー検査で前立腺内にガンの陰影を認めない事です。次に前立腺の触診をします。硬結を触れない、前立腺の硬さが左右均等であれば問題ありません。

さらにPSA値が高くなる他の原因をエコー検査で確認します。❶前立腺の大きさが40cc以上あれば高くなる根拠です。❷前立腺の形が悪いと排尿障害が強い可能性が高いので、PSA値が高くなります。特に前立腺が膀胱に突出した形状です。❸前立腺結石を認めたら、やはり排尿障害を意味します。❹膀胱の粘膜が厚く凸凹デコボコしていれば、長年の排尿障害のために肉柱形成されたと判断します。

PSA漏出が高くてお悩みの方は、東京都大田区ですが、どうぞ頑張って起こしください。チェックしてステージ0〜1の可能性があるとしても、半年か一年に一回当院に定期的にチェックして頂ければ幸いです。

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前立腺肥大症の手術後の症状で苦しむ患者さん

 Tur37362m71pp1 6年前に前立腺肥大症の最先端の手術HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)を受けたにもかかわらず、2年後からは、下腹部の痛みや会陰部の痛みや皮膚の病気が出てきました。執刀した医師はもちろんのこと、色々な病院にz相談に行きましたが、どこに行っても「異常なし」と診断され、本当に困っていた焼津市からお越しになった60歳代の患者さんです。

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早速、超音波エコー検査を行いました。180㏄だった前立腺が19㏄と約10分の1の大きさになっていました。膀胱出口から前立腺に向かってVの字に十分に開いていますから、排尿には問題ないでしょう。しかし、問題が判明しました。2枚目の超音波エコー所見で分かるように、膀胱三角部が残っているのです。

Turp1このような事例は、たびたび経験しています。この患者さんの受けたHoLEPという前立腺肥大症の手術は、レーザー光線で前立腺をくり抜きます。

Turp2くり抜いた前立腺が膀胱内に落ちます。それを特殊なミキサー器械で細かく砕いて、膀胱から吸い出します。

Turp3手術後には、見事に前立腺は空っぽになり手術は成功です……と一般の先生は、そう思うのです。ところが、前立腺肥大症の頻尿などの症状を作っているのは、膀胱出口近くにある膀胱三角部なのです。泌尿器科医師は前立腺肥大症の治療は前立腺にしか考えないのです。ですから、前立腺肥大症の手術後に症状の無くならない患者さんに対しては「気のせい」「年のせい」などと患者さんのせいにするのです。

さて、この患者さんもこのパターンで、膀胱三角部が完全に残っていたので、その後のいろいろな悩まれる症状が出てきたのです。膀胱出口の緊張をゆるめるユリーフ・シロドシンと膀胱三角部の興奮を鎮めるベオーバ・ベタニスを処方したところ、1週間で痛みなどの症状は半減したと喜びのお電話がありました。

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抗コリン剤の効果

 Smmechm_20190921100001 膀胱平滑筋の細胞膜にムスカリン受容体(レセプター)というスイッチがあります。このスイッチを入れと平滑筋は収縮するのです。

ムスカリン受容体の多い平滑筋は、膀胱壁の筋肉(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)です。副交感神経から放出されるアセチルコリンがムスカリン受容体のスイッチに入ると、膀胱壁の平滑筋が収縮して、膀胱は小さく収縮し、オシッコが出るのです。このアセチルコリンは脳神経中枢でも利用されている生物活性物質です。

「頻尿」の患者さんに、抗コリン剤を処方すると、ムスカリン受容体がブロックされて平滑筋を弛めようとします。膀胱の収縮を阻止する訳ですから、膀胱内の水圧が低下して、尿意が抑えられ頻尿が少なくなるとされています。抗コリン剤(ベシケア・トビエース・ネオキシテープ)が過活動膀胱の治療薬になるのです。

尿が溜まった状態で、膀胱内圧が上昇すると尿意を感じ、それが何らかの原因で極端になるから頻尿になると一般的に思われています。過活動膀胱や頻尿の患者さんに抗コリン剤を処方すると、頻尿が確かに治ります。しかし、数十パーセントの確率で、オシッコが出なかったり出にくくなったりすることがあります。これは、抗コリン剤が膀胱壁(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)を収縮させないので、尿意が強くてもオシッコが出なくなり苦しむのです。そこに一般的な「尿意理論」の矛盾があります。オシッコが出なくなるほど膀胱の緊張がゆるんで、内圧が下がっているのに、なぜ尿意が強く出るのでしょうか?オシッコが出ないほど膀胱がゆるんでいるのに…実は、この理論が間違っているとしか思えません。

「尿意」とは、学会の常識では《膀胱粘膜が内圧を感じていている》とされています。しかし、おそらく昔からある見かけ上の間違った概念で、本当は《膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部の平滑筋が主に感じている》と、私は考えています。そこが過敏になると、内圧に関係なく尿意を強く感じるのです。その括約筋と三角部の平滑筋にムスカリン受容体が豊富であれば、その興奮を抗コリン剤でゆるめることが出来き、そうでなければ、尿意は無くならないのです。

Bladside2抗コリン剤の的であるムスカリン受容体は、膀胱を収縮させるための膀胱壁(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)に多く分布していると思われます。要するに、動力装置のスイッチなので、抗コリン剤が膀胱を収縮しないように抑える作用が強く出るのです。膀胱内圧が少し低下するので、尿意が落ち着くと考えますが、副作用として尿閉や尿が出にくくなってしまいます。膀胱が収縮しないので、膀胱に腹圧をかけても、膀胱の形がオシッコの出にやすい形にならないからです。本来、オシッコの際に膀胱は漏斗状になるのですが、膀胱壁が収縮しないので、漏斗状になれなくなります。

抗コリン剤は脳神経中枢にも作用しますから、また、認知症の副作用も最近では懸念されています。極力避けるべきだと言う専門家もいます。ムスカリン受容体に作用するアセチルコリンは副交感神経から放出されます。見方を変えると、アセチルコリンを共通とする、脳神経中枢と副交感神経の繋がりを強く感じます。内臓を積極的に動かす副交感神経の方が、自律神経のサブ=副ではないのではと思えて仕方がありません。逆に交感神経の方がサブ=副なのでは?と思えます。

 

 

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α1ブロッカーの効く理由

Smmech_20190921100001前立腺肥大症や排尿障害の患者さんにα1ブロッカーと呼ばれるクスリを私たち泌尿器科医は使用します。

どのような作用なのか、イラストで表しました。平滑筋細胞の細胞膜にα1受容体(α1レセプター)というスイッチが存在しています。自律神経である交感神経の末端から放出されるアドレナリン(カギ)が、このスイッチに作用するのです。α1受容体にスイッチが入ると、平滑筋は収縮します。

例えば、膀胱出口の 括約筋は平滑筋で作られていて、交感神経が緊張・収縮させて膀胱出口を閉じて、尿を貯めるのです。オシッコをする時に、交感神経のアドレナリン刺激がストップするので、膀胱出口はゆるんでオシッコが出やすくなるのです。

ところが、人によって交感神経の指示が止まらずに、膀胱出口が完全にゆるまない人がいます。それが排尿障害なのです。交感神経の末端からアドレナリンが放出し続けるのです。そこで、ユリーフやハルナールなどのα1ブロッカーを服用すると、α受容体のスイッチをブロックするのです。結果、膀胱出口の緊張がゆるんでオシッコが出やすくなるのです。

このα1受容体は、膀胱出口ばかりではなく、前立腺・尿道・膀胱三角部にも存在します。分布・配分は人によって異なりますから、薬の効果に差が出て来るのです。頻尿の原因は膀胱三角部の過敏=平滑筋の緊張ですから、前立腺肥大症で頻尿症状のある人に、α1ブロッカーを処方すると、オシッコの出が良くなるばかりでなく、頻尿も改善する患者さんもいます。そのような人は、膀胱三角部にもα1受容体が多く存在していることになります。

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泌尿器科の病気の全体像

Lutstotal泌尿器科の病気には、数多くの原因不明の病気がたくさんあります。原因不明のまま治療します。でもそれは、根治的治療ではなく、対症療法なのです。実は、根本的原因が患者さんの自覚しない排尿機能障害が原因なのです。患者さんが訴えもしない排尿機能障害を医師が調べもせずに、目の前の症状だけに振り回されて、さまざまな病名・病気が作られるのです。

ここで示した病気・病名は、それぞれ私が何十人も実際に治療して、治した経験のある患者さんばかりです。

原因が1つなのに、こんなにたくさんの病気になってしまうのは、脊髄神経回路=生きたソフトウエアに依存するからです。情報量の多さによって、ソフトウエアが次々にバージョンアップ(過剰更新)するからです。ただし、そのバージョンアップが、患者さんに警告するだけでなく、苦しめ悩ませるから原因不明の病気になってしまうのです。

排尿機能障害→【無自覚】

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膀胱出口の肥厚➡︎➡︎➡︎膀胱出口の過敏

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       ⬇︎⬇︎⬇︎              脊髄神経回路の工夫

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    排尿障害→【自覚】 ❹過活動膀胱:頻尿・尿失禁

       ⬇︎⬇︎⬇︎                ❺間質性膀胱:頻尿・痛み

❶前立腺肥大症            ❻慢性前立腺炎:痛み・しびれ

❷神経因性膀胱            ❼膀胱疼痛:痛み

❸PSA髙値                 ❽慢性骨盤疼痛症候群:痛み

                                 ❾陰嚢掻痒症:かゆみ

                                 ➓❶カンジダ性膣炎:かゆみ

                                 ➓❷慢性胃痛症:痛み

                                 ➓❸坐骨神経痛:痛み

                                 ➓❹舌痛症:痛み

                                 ➓❺幻臭症:臭い

                                 ➓❻頸肩腕症:痛み

                                 ➓❼四肢振戦:運動神経

                                 ➓❽四肢しびれ:知覚神経

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追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057 テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

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初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

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尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

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排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

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「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

Okkakemore

「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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インポテンツと排尿障害

中高年の男性が、インポテンツ・EDでお越しになることがあります。一般的には、老化現象と思われていますが、なかにはそうでない方もおられます。

75d8473fe09d4596b32c0c464850cbeb勃起は海綿体静脈と陰茎動脈と交感神経・副交感神経・脊髄神経のバランスで成り立っています。その神経中枢のタバが陰部神経叢です。その具体的な脊髄神経は、腰椎4番・5番と仙骨2番・3番・4番です。

勃起の仕組みは、こうです。視野や周囲の状況や皮膚感覚によって、脳中枢が性的興奮をします。すると、陰茎動脈(海綿体動脈・陰茎深動脈)が開き、3つの海綿体(陰茎海綿体2個、尿道海綿体1個)に動脈血液が流れ込みます。次第に海綿体は膨らみます。

Erction
海綿体の外側に存在する白膜下静脈(海綿体静脈)が、動脈血液を排泄しようとしますが、海綿体が膨らむので、外側の白膜下静脈が強く圧迫されて排泄の静脈血流が低下します。動脈血流が変わらなければ、海綿体の体積はさらに増加します。硬い白膜の体積は一定ですから、海綿体はそれ以上大きくならないので、次第に海綿体は充血し硬くなるのです。これが、勃起です。

陰茎動脈を弛緩させて開かせるのは、副交感神経+仙骨2番〜4番の勃起中枢です。

性的興奮が頂点にに達し射精すると、陰茎動脈が閉じて、海綿体に動脈血流が流れなくなります。交感神経+仙骨2番〜4番の中枢が陰茎動脈を収縮して閉じるのです。すると海綿体の充血血液は白膜下静脈(海綿体静脈)から流れ出て、海綿体は次第にしぼむのです。この一連の流れに支障があると、インポテンツのなるのです。勃起に関して一番重要なポイントが、陰茎動脈の弛緩・開放と血流です。

Erection勃起中枢のある仙骨2番〜4番には、実は「排尿中枢」も存在しているのです。もしも、排尿障害が隠れていると、排尿中枢にはかなりの負担がかかります。排尿中枢と勃起中枢は、それぞれ独立していますが、明確に分かれている訳ではありません。神経ニューロン細胞ですから、状況に応じて、さまざまな神経ニューロン細胞とシナップス結合します。排尿回数と勃起回数を比較すれば、排尿回数の方がはるかに多いのです。排尿障害があれば、排尿中枢は神経回路を工夫して、排尿しやすいようにします。当然、近くの勃起中枢の神経回路を利用してシナップス結合して、排尿を改善しようとします。

排尿障害が長期間継続すると、勃起中枢神経回路は、正常な回路ではなくなります。結果、本来の勃起中枢の機能は低下して、インポテンツになるのです。

排尿障害の治療薬でザルティアというクスリがあります。この薬剤の副作用として『勃起』があります。この薬は尿道の平滑筋の緊張を緩める作用で排尿障害を改善するのですが、陰茎深動脈の平滑筋や海綿体の平滑筋をも緩める直接作用があるので、仙骨の勃起中枢を介さないで勃起しやすくなるのです。排尿障害でお越しの患者さんに、このクスリを処方すると、後日、患者さんは喜びの笑顔でお越しになります。

大雑把に言えば、排尿障害で疲れ切った仙骨2番~4番中枢が、勃起にまで手を貸す余裕が無くなるのです。仙骨中枢から観れば、毎日10回のオシッコは、毎日10回の勃起と同じなのです。11回目の勃起まではしませんよね?排尿と勃起のどちらが中高年の生命にとって重要かと考えれば、自ずと勃起は破棄されてしまうのです。さらに真理的に言えば、『オシッコを満足に出せない男に、子どもを作らせるか!』というのが自然の摂理でしょう。

 

 

 

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ガンの利点

Noiroze毎年、平均寿命が延びています。その関係か、ガンで亡くなられる患者さんも増えているのです。統計学的に言えば、死亡原因がガンの人が、2人に1人〜3人に1人の割合なのです。単純な考え方では、年齢を重ねれば重ねるほど、ガンのリスクが高まる訳です。逆にガンにならないで長生きすればするほど、今度は老衰や認知症の患者さんが増えるのです。厚労省の方針で、生活習慣病を回避して健康寿命を期待すればするほど、老衰や認知症の患者さんが増えるのです。

ところで、厚労省は病院での高齢者入院を避けて、自宅で家族に見守ってもらう方針でもあります。一見理想的なのかも知れません。専門医である他人に任せないで、素人である家族に、老衰や認知症の患者さんを任せようとしているのでしょう。これは裏の考え方をすれば、国家の医療費負担を抑え、家族=国民の所得財産から消費させようとしているのです。

Nintiこれからすれば、ガンの患者さんは、家族に負担をかける老衰や認知症を回避できるのです。老衰や認知症の患者さんの家族は、精神的にも肉体的にも金銭的にも時間浪費的にも、ものすごい負担がかかるのです。長期間続くと、『早く死んで欲しい』、『やっと死んでくれた、ホッ!』あるいは、介護する家族によって殺人事件まで起きるのです。そうなると、患者さんもご家族もとても不幸になります。

それに比べて、ガンの場合は寿命が確実に制限されます。頭は正常ですから、自分の過去を振り返ることが出来ます。その頃の思い、感情、後悔などを十分に堪能できます。また、周囲の家族から心配されることに本当に感謝します。そして、生前の予想通り、みんなに惜しまれ悲しまれながら、天国に旅立たれるのです。人生の終末のクオリティの観点からすれば、目の前の事しか見えない長生きの老衰・認知症患者さんと、ガン患者さんのどちらが良いと思われますか?

以上は、私の奇想天外の考え方ですから、参考程度にお読みください。

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前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

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さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

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❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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バランス

生命は幾重にも重なるバランスで成り立っています。しかしながら、歳を重ねらごとにバランスが乱れて来ます。

Balance例えば、ご婦人が更年期を過ぎると、卵巣が老化のため萎縮し女性ホルモンが低下します。中枢は、その事を察知して女性ホルモンを増やそうとします。女性ホルモンの材料であるLDLコレステロールを肝臓で増やします。ところが、萎縮した卵巣はLDLコレステロールを利用しませんから、LDLコレステロールが大量に余ってしまいます。しかしLDLコレステロールは貴重な材料なので、分解代謝しないで血管壁内膜に蓄えます。

血管壁内膜に次第にコレステロールが貯まります。すると、血管壁中膜の平滑筋細胞がコレステロールを固定しようと、中膜から内膜に浸潤して平滑筋が貪食肥満細胞に変身してコレステロールを食べます。たくさん食べた貪食肥満細胞は泡沫細胞に変身します。

泡沫細胞を固定するために、別の平滑筋細胞が線維芽細胞に変身してコラーゲン線維を大量に作り、血管壁内膜にシコリが出来上がります。これが動脈硬化になり、シコリが大きくなると脳梗塞・心筋梗塞になります。シコリの周囲に血栓ができて、それが剥がれると脳血栓・動脈血栓になるのです。

では、治療はどうすればいいか想像できますよね?女性ホルモンを増やすか、擬似ホルモンの大豆イソフラボンを服用すれば、中枢は女性ホルモンが低下していないと騙されて、コレステロールを増やしません。

血管年齢の若い人は、動脈硬化になりにくいのですが、そんな人のコレステロールを下げると、ますます動脈硬化にならずに、さらに血流が良くなります。すると、末梢の毛細血管の血流もさらに良くなります。毛細血管近くの細胞は十分に栄養が良くなります。しかし、毛細血管の届かない細胞との相対的差が開いていきます。相対的栄養不足の細胞は困り果てて変身するのです。それがガン細胞になるのです。実際にコレステロールを下げると、一定の確率でガンのリスクが増えるのです。

550771f2da2e47e6afa28d485c3264ea更年期を過ぎた男性に「うつ病」になる確率が高くなります。一般人はご存知ありませんが、脳中枢でも男性ホルモンが作られているのです。『え〜!脳で男性ホルモンが?』とお思いでしょう?実は、男性ホルモンは「ネガティブな心」を吸収してくれるのです。実業家や出世街道真っしぐらのヒトの男性ホルモンは常に高いのです。40年間以上に渡って血液中の男性ホルモンが高ければ、脳中枢は血中の男性ホルモンに依存して、脳中枢での男性ホルモンの生産が『バランスを保つ』ために落ちてしまいます。ところが、更年期を過ぎて、睾丸での男性ホルモンの低下に対して、脳中枢での男性ホルモン生産が対応仕切れないのです。すると、脳中枢での男性ホルモン全体量が低下しますから、ネガティブな心を吸収することが当然できなくてなります。結果、元気だった人ほど更年期を過ぎると「うつ病」になるのです。逆に、ご婦人の場合は、若い時も血中の男性ホルモンは少なかった訳ですから、脳中枢の男性ホルモン生産は常に多くて、更年期になっても脳中枢で男性ホルモンは十分に作られていますから、更年期を過ぎたご婦人で「うつ病」になる人は少ないのです。逆に元気で男らしくなるのです。

前立腺に隠れていた前立腺ガン(ラテント癌)は、正常組織内でひっそりとバランスよく存在しています。ところが、PSA値が高いと針生検でそのバランスを崩してしまうので、ガン細胞に火がつき、命にかかわる悪性度の高いガン細胞に変身してしまうのです。


バランスの乱れで生じるヒトの病気は、幾重にも重なるバランスを十分に認識して治療しなければ、逆効果になるので注意が必要です。

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