休診のお知らせ

【休診日】

6月29日(土曜日)は、京都の研究会に出席するため、正午12時前には診療を終えます。

診察希望の方は、午前11時までにお越しください。

当院の夏休みは、

8月9日(金曜日)〜8月12日(月曜日)、

8月16日(金曜日)〜8月18日(日曜日)です。

8月13日(火曜日)〜8月15日(木曜日)は午前中のみの診療になります。

【診療時間】

 

月曜日〜土曜日: 午前中9時~12時診療を行います。
ただし、火曜日・木曜日のみ、午後4時〜午後6時も診療を行います。

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泌尿器科の病気の全体像

Lutstotal泌尿器科の病気には、数多くの原因不明の病気がたくさんあります。原因不明のまま治療します。でもそれは、根治的治療ではなく、対症療法なのです。実は、根本的原因が患者さんの自覚しない排尿機能障害が原因なのです。患者さんが訴えもしない排尿機能障害を医師が調べもせずに、目の前の症状だけに振り回されて、さまざまな病名・病気が作られるのです。

ここで示した病気・病名は、それぞれ私が何十人も実際に治療して、治した経験のある患者さんばかりです。

原因が1つなのに、こんなにたくさんの病気になってしまうのは、脊髄神経回路=生きたソフトウエアに依存するからです。情報量の多さによって、ソフトウエアが次々にバージョンアップ(過剰更新)するからです。ただし、そのバージョンアップが、患者さんに警告するだけでなく、苦しめ悩ませるから原因不明の病気になってしまうのです。

排尿機能障害→【無自覚】

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膀胱出口の肥厚➡︎➡︎➡︎膀胱出口の過敏

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       ⬇︎⬇︎⬇︎              脊髄神経回路の工夫

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    排尿障害→【自覚】 ❹過活動膀胱:頻尿・尿失禁

       ⬇︎⬇︎⬇︎                ❺間質性膀胱:頻尿・痛み

❶前立腺肥大症            ❻慢性前立腺炎:痛み・しびれ

❷神経因性膀胱            ❼膀胱疼痛:痛み

❸PSA髙値                 ❽慢性骨盤疼痛症候群:痛み

                                 ❾陰嚢掻痒症:かゆみ

                                 ➓❶カンジダ性膣炎:かゆみ

                                 ➓❷慢性胃痛症:痛み

                                 ➓❸坐骨神経痛:痛み

                                 ➓❹舌痛症:痛み

                                 ➓❺幻臭症:臭い

                                 ➓❻頸肩腕症:痛み

                                 ➓❼四肢振戦:運動神経

                                 ➓❽四肢しびれ:知覚神経

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追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057 テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

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初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

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尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

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排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

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「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

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「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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インポテンツと排尿障害

中高年の男性が、インポテンツ・EDでお越しになることがあります。一般的には、老化現象と思われていますが、なかにはそうでない方もおられます。

75d8473fe09d4596b32c0c464850cbeb勃起は海綿体静脈と陰茎動脈と交感神経・副交感神経・脊髄神経のバランスで成り立っています。その神経中枢のタバが陰部神経叢です。その具体的な脊髄神経は、腰椎4番・5番と仙骨2番・3番・4番です。

勃起の仕組みは、こうです。視野や周囲の状況や皮膚感覚によって、脳中枢が性的興奮をします。すると、陰茎動脈(海綿体動脈・陰茎深動脈)が開き、3つの海綿体(陰茎海綿体2個、尿道海綿体1個)に動脈血液が流れ込みます。次第に海綿体は膨らみます。

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海綿体の外側に存在する白膜下静脈(海綿体静脈)が、動脈血液を排泄しようとしますが、海綿体が膨らむので、外側の白膜下静脈が強く圧迫されて排泄の静脈血流が低下します。動脈血流が変わらなければ、海綿体の体積はさらに増加します。硬い白膜の体積は一定ですから、海綿体はそれ以上大きくならないので、次第に海綿体は充血し硬くなるのです。これが、勃起です。

陰茎動脈を弛緩させて開かせるのは、副交感神経+仙骨2番〜4番の勃起中枢です。

性的興奮が頂点にに達し射精すると、陰茎動脈が閉じて、海綿体に動脈血流が流れなくなります。交感神経+仙骨2番〜4番の中枢が陰茎動脈を収縮して閉じるのです。すると海綿体の充血血液は白膜下静脈(海綿体静脈)から流れ出て、海綿体は次第にしぼむのです。この一連の流れに支障があると、インポテンツのなるのです。勃起に関して一番重要なポイントが、陰茎動脈の弛緩・開放と血流です。

Erection勃起中枢のある仙骨2番〜4番には、実は「排尿中枢」も存在しているのです。もしも、排尿障害が隠れていると、排尿中枢にはかなりの負担がかかります。排尿中枢と勃起中枢は、それぞれ独立していますが、明確に分かれている訳ではありません。神経ニューロン細胞ですから、状況に応じて、さまざまな神経ニューロン細胞とシナップス結合します。排尿回数と勃起回数を比較すれば、排尿回数の方がはるかに多いのです。排尿障害があれば、排尿中枢は神経回路を工夫して、排尿しやすいようにします。当然、近くの勃起中枢の神経回路を利用してシナップス結合して、排尿を改善しようとします。

排尿障害が長期間継続すると、勃起中枢神経回路は、正常な回路ではなくなります。結果、本来の勃起中枢の機能は低下して、インポテンツになるのです。

排尿障害の治療薬でザルティアというクスリがあります。この薬剤の副作用として『勃起』があります。この薬は尿道の平滑筋の緊張を緩める作用で排尿障害を改善するのですが、陰茎深動脈の平滑筋や海綿体の平滑筋をも緩める直接作用があるので、仙骨の勃起中枢を介さないで勃起しやすくなるのです。排尿障害でお越しの患者さんに、このクスリを処方すると、後日、患者さんは喜びの笑顔でお越しになります。

大雑把に言えば、排尿障害で疲れ切った仙骨2番~4番中枢が、勃起にまで手を貸す余裕が無くなるのです。仙骨中枢から観れば、毎日10回のオシッコは、毎日10回の勃起と同じなのです。11回目の勃起まではしませんよね?排尿と勃起のどちらが中高年の生命にとって重要かと考えれば、自ずと勃起は破棄されてしまうのです。さらに真理的に言えば、『オシッコを満足に出せない男に、子どもを作らせるか!』というのが自然の摂理でしょう。

 

 

 

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ガンの利点

Noiroze毎年、平均寿命が延びています。その関係か、ガンで亡くなられる患者さんも増えているのです。統計学的に言えば、死亡原因がガンの人が、2人に1人〜3人に1人の割合なのです。単純な考え方では、年齢を重ねれば重ねるほど、ガンのリスクが高まる訳です。逆にガンにならないで長生きすればするほど、今度は老衰や認知症の患者さんが増えるのです。厚労省の方針で、生活習慣病を回避して健康寿命を期待すればするほど、老衰や認知症の患者さんが増えるのです。

ところで、厚労省は病院での高齢者入院を避けて、自宅で家族に見守ってもらう方針でもあります。一見理想的なのかも知れません。専門医である他人に任せないで、素人である家族に、老衰や認知症の患者さんを任せようとしているのでしょう。これは裏の考え方をすれば、国家の医療費負担を抑え、家族=国民の所得財産から消費させようとしているのです。

Nintiこれからすれば、ガンの患者さんは、家族に負担をかける老衰や認知症を回避できるのです。老衰や認知症の患者さんの家族は、精神的にも肉体的にも金銭的にも時間浪費的にも、ものすごい負担がかかるのです。長期間続くと、『早く死んで欲しい』、『やっと死んでくれた、ホッ!』あるいは、介護する家族によって殺人事件まで起きるのです。そうなると、患者さんもご家族もとても不幸になります。

それに比べて、ガンの場合は寿命が確実に制限されます。頭は正常ですから、自分の過去を振り返ることが出来ます。その頃の思い、感情、後悔などを十分に堪能できます。また、周囲の家族から心配されることに本当に感謝します。そして、生前の予想通り、みんなに惜しまれ悲しまれながら、天国に旅立たれるのです。人生の終末のクオリティの観点からすれば、目の前の事しか見えない長生きの老衰・認知症患者さんと、ガン患者さんのどちらが良いと思われますか?

以上は、私の奇想天外の考え方ですから、参考程度にお読みください。

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前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

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さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

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❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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バランス

生命は幾重にも重なるバランスで成り立っています。しかしながら、歳を重ねらごとにバランスが乱れて来ます。

Balance例えば、ご婦人が更年期を過ぎると、卵巣が老化のため萎縮し女性ホルモンが低下します。中枢は、その事を察知して女性ホルモンを増やそうとします。女性ホルモンの材料であるLDLコレステロールを肝臓で増やします。ところが、萎縮した卵巣はLDLコレステロールを利用しませんから、LDLコレステロールが大量に余ってしまいます。しかしLDLコレステロールは貴重な材料なので、分解代謝しないで血管壁内膜に蓄えます。

血管壁内膜に次第にコレステロールが貯まります。すると、血管壁中膜の平滑筋細胞がコレステロールを固定しようと、中膜から内膜に浸潤して平滑筋が貪食肥満細胞に変身してコレステロールを食べます。たくさん食べた貪食肥満細胞は泡沫細胞に変身します。

泡沫細胞を固定するために、別の平滑筋細胞が線維芽細胞に変身してコラーゲン線維を大量に作り、血管壁内膜にシコリが出来上がります。これが動脈硬化になり、シコリが大きくなると脳梗塞・心筋梗塞になります。シコリの周囲に血栓ができて、それが剥がれると脳血栓・動脈血栓になるのです。

では、治療はどうすればいいか想像できますよね?女性ホルモンを増やすか、擬似ホルモンの大豆イソフラボンを服用すれば、中枢は女性ホルモンが低下していないと騙されて、コレステロールを増やしません。

血管年齢の若い人は、動脈硬化になりにくいのですが、そんな人のコレステロールを下げると、ますます動脈硬化にならずに、さらに血流が良くなります。すると、末梢の毛細血管の血流もさらに良くなります。毛細血管近くの細胞は十分に栄養が良くなります。しかし、毛細血管の届かない細胞との相対的差が開いていきます。相対的栄養不足の細胞は困り果てて変身するのです。それがガン細胞になるのです。実際にコレステロールを下げると、一定の確率でガンのリスクが増えるのです。

550771f2da2e47e6afa28d485c3264ea更年期を過ぎた男性に「うつ病」になる確率が高くなります。一般人はご存知ありませんが、脳中枢でも男性ホルモンが作られているのです。『え〜!脳で男性ホルモンが?』とお思いでしょう?実は、男性ホルモンは「ネガティブな心」を吸収してくれるのです。実業家や出世街道真っしぐらのヒトの男性ホルモンは常に高いのです。40年間以上に渡って血液中の男性ホルモンが高ければ、脳中枢は血中の男性ホルモンに依存して、脳中枢での男性ホルモンの生産が『バランスを保つ』ために落ちてしまいます。ところが、更年期を過ぎて、睾丸での男性ホルモンの低下に対して、脳中枢での男性ホルモン生産が対応仕切れないのです。すると、脳中枢での男性ホルモン全体量が低下しますから、ネガティブな心を吸収することが当然できなくてなります。結果、元気だった人ほど更年期を過ぎると「うつ病」になるのです。逆に、ご婦人の場合は、若い時も血中の男性ホルモンは少なかった訳ですから、脳中枢の男性ホルモン生産は常に多くて、更年期になっても脳中枢で男性ホルモンは十分に作られていますから、更年期を過ぎたご婦人で「うつ病」になる人は少ないのです。逆に元気で男らしくなるのです。

前立腺に隠れていた前立腺ガン(ラテント癌)は、正常組織内でひっそりとバランスよく存在しています。ところが、PSA値が高いと針生検でそのバランスを崩してしまうので、ガン細胞に火がつき、命にかかわる悪性度の高いガン細胞に変身してしまうのです。


バランスの乱れで生じるヒトの病気は、幾重にも重なるバランスを十分に認識して治療しなければ、逆効果になるので注意が必要です。

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上皇陛下と前立腺ガン

ニュースの記事で下の記事を見つけました。私の考えを✴️【備考】で解説しました。

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現在、上皇陛下は公務から離れられ、皇居内の生物学研究所で専門のハゼの研究を続けられたり、美智子さまと共に都内のテニスクラブをお忍びで訪問されたりと、日々を慈しむように過ごされている。だが、陛下は「がんサバイバー」としてのお姿もある。

 陛下の前立腺がんが見つかったのは、2002年末のことだった。検査結果について、当時の皇室医務主管だった金沢一郎さんは会見でこう説明した。

「お採りした組織の病理検査の結果、前立腺にがん細胞の存在が確認された。高分化型腫瘍で、比較的たちのよい腫瘍で転移はないと判断される。関係する医師の協議の結果、前立腺全摘出手術をお受けいただくこととした。手術は東京大学医学部附属病院で、東大病院と国立がんセンターの合同チームが行う」

✴️【備考】高分化型とはグリソンスコア6以下の前立腺ガンです。通常であれば、そのまま放置か、あるいは放射線治療になります。それを前立腺全摘手術をされたのです。』

 ステージ(進行度)について記者から質問が飛ぶと、「真ん中ぐらい」(金沢さん)と答えたので、ステージII程度だったと推測される。

✴️【備考】ステージ❷は前立腺の被膜を超えていない『限局型』の前立腺ガンです。』

 翌年1月18日、東大病院で、手術を受けられた。この時、陛下に病名を伝え、治療方針やリスクについて説明し、手術を取り仕切ったのが、国立がんセンター名誉総長の垣添忠生さん(78才)だった。

 がんの専門医としてがんセンターに長年勤務し、中央病院長や総長を歴任してきた垣添さんは、医師人生をがん治療に捧げてきた人物だ。

「手術に際しては、前立腺の絵を描いて、それをご覧いただきながらがんがあると思われる場所をお伝えし、手術や放射線治療など、考えられる治療方法についてご説明しました。

 結果的にはありませんでしたが、前立腺を摘出することで尿失禁が起きる可能性があります。そういったリスクも含めて、治療はどういう経緯をたどることが想定されるのか、包み隠さずお話ししました。それをお聞きになったうえで陛下は、『わかりました、お願いします』とおっしゃいました」(垣添さん)

✴️【備考】結果的には、上皇さまは、その後に前立腺ガンの転移が認められてホルモン治療を受けることになったのです。と言うことは、ステージ❷が誤診だったのか、あるいは針生検によってガン細胞が転移したのかも知れません。』

 一般的に、がんの告知を冷静に受け入れることができる患者は少ないとされている。特に告知されてからの2週間は「魔の2週間」と呼ばれ、受診結果が信じられず、セカンドオピニオンを受診したり、うつ病になったりするリスクがもっとも高まる期間だという。

「陛下は常に冷静でいらして、私どもが提案した治療方針に真摯に耳を傾け、受け入れてくださいました。陛下はサイエンティストでもいらっしゃるから、がんとわかっても客観的に、科学的にご自分の体を見つめていらっしゃるのだと感じました」(垣添さん)

 治療や病状の説明へのご質問や異論を口にされることはほぼなかった陛下が、1つだけ強く主張されたことがあるという。

「それは、ご自身の病状や手術の経過を『包み隠さず国民に伝えてほしい』ということでした」(垣添さん)

 皇室ジャーナリストの神田秀一さんは、上皇陛下の意図をこう解説する。

上皇陛下は1989年、即位後初めてのお言葉で《皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす》と誓われました。憲法を守るとは、天皇として『国民主権』を宣誓されたということです。

 陛下は、がんを告知されるという極限の状況においても、“天皇は自分自身が第一であってはならず、その身体は国民のためにある”とお考えになられた。そこで、病状を包み隠さず、国民に逐一伝えてほしいと述べられたのでしょう」

 父である昭和天皇が、十二指腸がんを告知されないまま崩御されたことも、公表を強く望んだ理由の1つだったのかもしれない。神田さんが続ける。

「昭和天皇ががんになられた当時は、手術ひとつとっても『玉体にメスを入れるとは何事か』と、宮内庁や政府、医師の間で大激論を重ねるほどがんに対してナーバスだった時代です。国民の間でも“がんは死の病である”という認識が強く、当然国民にも昭和天皇の病状は伏せられていました」

 昭和から平成への御代がわり(1989年)当時は、昭和天皇に限らず、患者本人にすら病名が伝えられないことが一般的だった。実際、厚労省が行った「第42回がん対策推進協議会」(2014年)の資料によると、1993年頃までは、終末期の患者に告知する割合は2割を切っている。

「昭和天皇ががんであったことは、崩御されたあとの宮内庁記者会見により発表されました。がんとわかっていながらも告知することができなかった担当医の苦悩や、病名は伏せられているのに連日のように血圧値や脈拍数が報道され、不安を煽られる国民の姿をご覧になられていたことも、陛下がご自身の病状を公表することを強く望まれた一因だったのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

 がんと向き合い、闘病するお姿をすべて公表する――そのお言葉通り、手術が終了したあとは、宮内庁より、

《天皇陛下の前立腺全摘出手術は,本日午前執刀を開始され,3時間40分で無事終了いたしました。(中略)手術は順調に進み,予定通りの手術ができ,前立腺の全摘除及び両側閉鎖リンパ節廓清は成功裏に終わりました》と病状が発表された。上皇陛下ご自身も手術後の退院に際して次のようなお言葉を表明されている。

✴️【備考】ステージ❷であれば、リンパ節の郭清をする必要があるのだろうか?ステージ❸であれば、リンパ節廓清の必要がありますが。』

《今回の入院に際し,治療に当たってくれた医療陣の努力に深く感謝します。また,大勢の人々が,心配し,回復を願ってくれたことを,心からうれしく思っています。退院に当たり,今病を得ている人々の回復を祈り,国民皆が,それぞれ体を大切に,元気に過ごすよう願っています》

※女性セブン2019年7月18日号

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✴️【備考】日本で最高のVIPである上皇陛下が、最高の医療機関と一流の医師たちによって、標準的診断と標準的治療を受けたのです。しかしながら、その結果は一般の人々と変わりませんでした。それから想像できることは、前立腺ガンに対する考え方の甘さと、標準的な診断と標準的治療の間に矛盾が存在していると考えられます。陛下は、ある意味で、現代医療による被害者だとも考えられます。

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PSA値と前立腺ガン発見率

PsariskPSA値が高いと前立腺がんを強く疑われます。このグラフは日本泌尿器科学会が公表しているものです。見て分かるように、PSA値が4.0を超える(〜10.0)と前立腺がんの発見率は40%〜50%を超えます。

しかし、高橋クリニックでPSA値が高いと言われて来院された患者さん500人の中、私の触診とエコー検査でがんを見つけることが出来たのは、60人つまり500人の12%でした。しかし、棒グラフの発見率と比べると、28%〜38%のこの差はどうしてでしょうか?

 

Stage5y_20190707170401これは、実は私が『前立腺針生検』を行わないで診断しているからです。針生検をすれば、前立腺に隠れているガン細胞(ラテント癌)が発見されるからです。エコー検査や触診で見つけることの出来ない前立腺がんは、ステージ❶と言う事になります。ステージ❶の前立腺がんの5年生存率と10年生存率は、ガンのなかった健康な人とまったく同じ生存率なのです。触診で判定可能なステージ❷、ステージ❸も5年生存率は健常人ろほぼ同じ生存率です。それでは、針生検をしてまで前立腺ガンを発見する必要があるのでしょうか?……ガンを発見したことで、ガン死のリスクよりも、ガンの恐怖で精神的に追い詰めることの方が、患者さんの人生のQOL(人生の充実度)低下のリスクの方がはるかに高いと思います。

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Tumor Dormancy Therapy 癌の休眠治療

Tumordormancybook癌の治療で手術ができない場合、あるいは不完全な手術の場合は、手術後に抗ガン剤などを使用した化学療法が一般的に行われています。

通常は体重当たり(◯◯mg/kg)、体表面積当たり(◯◯mg/m2)の投与量が決まっており、一般的にその通りに処方し治療します。検査などで確認できるガンの大きさが縮小して、主治医も患者さんも安心します。

しかし、それは一定期間に限られているのです。ある時期を境にガンの勢いが急に増して増加・増大し、最終的には患者さんはガンでお亡くなりになります。現実的にはあらゆる診療科でそのような症例がたくさん存在します。

素人的発想で思えば、ガン細胞を殺す抗がん剤で、何故に全滅出来ないのだろうと思いますよね?何故このような現象が起きるのかと言えば、抗ガン剤でガン細胞のすべてを消滅させることが出来ないからです。ガン細胞に抗がん剤の効果を確認する実験は、ガラス・シャーレで培養したガン細胞に薬液(抗がん剤)を注入し反応を観察するのです。実験のガラス・シャーレにガン細胞は2次元的に均一に広がっていますから、薬液は満遍なく注がれます。ところが、生体内のガンは3次元的立体的構造で存在します。表面に存在するガン細胞と、深部に存在するガン細胞とでは生きるための環境が異なります。毛細血管に接する表面のガン細胞は、当然ながら抗がん剤で容易に死滅しますが、毛細血管の届かない深部のガン細胞は生き残ります。生き残ったガン細胞は、死滅したガン細胞の情報を得て、抗ガン剤を勉強して抵抗力を工夫し、そして一気に増えるのです。

Tumordormancyppイラストは高橋豊著の「Tumor Dormancy therapy」という医学書に記載された、抗がん剤の治療での効果推移と生存期間を示したイメージグラフです。常識的・標準的な投与法・投与量でガンを治療すると、一時的には極端に収縮(50%以下)しますが、一定の期間が過ぎるとガン細胞が急に増え始め、抗がん剤も効かなくなり患者さんは亡くなるのです。しかし、抗がん剤の投与量と投与法を少なくすると、当然としてガン細胞の減少・収縮の効果はそれほど期待できませんが、不思議なことに生存期間は、延びるのです。そうです、延命効果が期待できるのです。このイラストを考案した研究者によると、抗がん剤の処方量が少ないと、免疫力の低下や体調の低下もわずかなので、ガンに対する抵抗力も維持できるので、標準治療に比べて延命効果が出ると言うのです。ガン細胞を抹殺するのではなく、抗がん剤を利用してガン細胞を休眠・冬眠させようとする考え方です。ある意味でガンと共存しようとも言えます。

しかし、この先生の考え方は、私は不十分だと思います。抗がん剤の副作用だけに注目しているからです。なぜかと言えば、ガン細胞は物でなく生命そのものです。例えば、細菌感染症の患者さんに、抗生剤や抗菌剤を長期間繰り返し繰り返し投与すると、抗生剤の効かないバイ菌が生まれるのです。いわゆる、薬剤抵抗性細菌と呼ばれます。バイ菌でさえ工夫して工夫して薬剤抵抗性の能力を確保するのに、高度の細胞である人間の細胞は、もっと能力が高いのに決まっていますよね?人間の細胞から変身したガン細胞にも同様の能力があるはずです。

前立腺ガンも他のガン細胞と同じです。標準的なホルモン治療を行うことで、50%以上の危険率で発生する「去勢抵抗性前立腺ガン」も、これまでお話ししたガン細胞の努力・工夫の結果と同じと考えます。以前にお話しした「去勢抵抗性前立腺ガンの対応」で解説したように、少量・微量の抗がん剤やホルモン剤で前立腺ガン細胞は確実に抑えることができるのです。

  【参考】去勢抵抗性前立腺ガンの対応 

 

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隠れた排尿困難で苦しむ前立腺ガンに患者さん

 静岡から70歳代の男性が前立腺ガンの相談に起こしになりました。PSA値が162(正常値4.0)にもなり、地元の基幹病院で骨シンチ検査を行ったら、左肩・左肋骨・骨盤・左大腿骨に前立腺ガンの骨転移が発見されたのです。

4月25日に前立腺針生検を行ったところ、14本中14本にガン細胞が発見されました。前立腺全体にガンが広がっていることを示しています。悪性度はグリソンスコアGS4+4=8の悪性度の高いガンだったのです。(GS5以下=軽度悪性、GS6・7=中等度悪性、GS8・9・10=極めて悪性)

ところが、患者さんは骨の痛みを訴えているのではなく、排尿困難と尿失禁、下腹部の痛みと陰部と下半身の浮腫み(むくみ)を訴えているのです。地元の主治医に症状を訴えても、「前立腺ガンだから仕方がない。早く前立腺ガうンの治療をしてください。」と言うだけで、症状に対する治療はしないのです。

Pcaretension37235m76pp悩んでいた時に、ある製薬会社の主催する前立腺の講演会が地元で行われていました。もちろん参加して視聴していた時に、隣の席の人と会話をしたのです。ご自分の今の悩みを少し口にしたら、その人が「騙されたと思って高橋クリニックに相談に行きなさい」と勧められたのです。たまたま当院に通院している患者さんだったのです(笑)。

早速、エコー検査を行い前立腺ガンを観察しました。先ずお腹を見たら…『!?……何だこれは!』お腹がパンパンでガッチガッチなのです。どう見ても「尿閉」です。そして陰部もむくんでいるのです。エコー検査で観ると、膀胱はパンパンです。そして、膀胱の粘膜が凸凹=肉柱(にくちゅう)形成が認められました(白い矢印)。これは明らかに排尿障害の後遺症の所見です。

2fae7c7c41074a9ea574a7cad162a238早速、カテーテルを使って導尿をしました。何と!1700㎖(写真)も取れたのです。患者さんはお腹がスッキリになりました。数ヶ月前に残尿が500㎖と言われましたが、「前立腺ガンだから」と言って主治医はそのまま放置したのです。そして体重も、この1ヶ月で5kgも増え、下半身もむくんだのです。その話しを必死に訴えても、無視されたのです。どう考えても、【前立腺肥大症→→→排尿障害→→→尿閉→→→閉塞性腎機能低下→→→浮腫み→→→体重増加】だったのです。

Pcaretension37235m762ppさらにエコー検査で前立腺を詳細に観察しました。前立腺の大きさは70cc(正常20cc)の一見前立腺肥大症ですが、前立腺の全体像が均一ではなく、外腺の左右に黒い部分(赤い矢印)が認められ、おそらく前立腺ガンの所見です。直腸触診で前立腺は全体的に硬く、左右のそれぞれ一部にさらに硬いシコリが触れました。おそらく、この2つの部分が前立腺の被膜を破り、前立腺の外に出て骨転移になったのでしょう。

この患者さんの現時点で一番辛いのは、前立腺肥大症による排尿障害です。前立腺ガンの治療も大切ですが、今、命に関わる病気は閉塞性腎機能障害に他ありません。ガンのことしか考えていない馬鹿な医師がいるのです。患者さんの状況を把握して、治療の優先順位を考えなければならないのです。もしかすると、4月ごろに行った前立腺の針生検がキッカケで、排尿障害が増悪して尿閉になったのかも知れません。取り敢えず先に、前立腺を小さくするプロスタールを処方して、排尿障害の治療薬であるユリーフを処方しました。

骨転移しているステージ④の前立腺ガンの治療は、針生検を実施した地元の基幹病院で行なってもらったら?とアドバイスしました。しかし、患者さんは当院での治療を希望されました。私の奇想天外の治療も同時に開始することになったのです。

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喫茶店で遭遇


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私は手術がなかったり、用事がない時には、健康と認知症予防のために、近所を散歩しています。途中で休憩のために寄るのが、ブログに時々紹介するコーヒー店「楡」です。1953年から営業している歴史のあるお店です。私が1952年生まれですから、創業66年です。そのお店のご主人、奥さま、娘さん、お祖母さんがあインフルエンザワクチン接種などで高橋クリニックに訪問されています。

さて、コーヒーを飲みながらiPhoneでブログを書いていると、近くの席に80歳代のご高齢の男性がお座りになりました。そして娘さんと待ち合わせしているようでした。10分ほど遅れて娘さんがいらっしゃいました。仲良くお話をしてコーヒーを飲まれていました。

一つ席を置いた側でお話しをされているので、自然とお話しの内容がところどころ耳に入って来ます。お父さんが何となく現在の医師(主治医?)に対して愚痴を言っているようでした。お嬢さんはそれを「うんうん」とうなずいていました。しばらくすると、お嬢さんが「午後4時になったら、高橋クリニックは開いているのかな?」と言って席を立とうとしていました。

私がそのお嬢さんに向かって手を挙げながら「高橋クリニックです。(笑)」と言いました。お二人はビックリしました。実は、この方は某・癌研で前立腺ガンが発見され、その治療方針に悩んでいたのです。主治医にいろいろ質問しても納得のいく説明がなく悩んでいました。たまたま私の自著「本当はこわい排尿障害」をお読みになり、セカンドオピニオンのために高橋クリニックに行こうと思ったのです。私は買い物があったので、「後でお会いしましょう!」と言って「楡」でお別れしました。

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さて、早速エコー検査を行いました。写真のように前立腺外腺に、ガンと思われる陰影が確認できました。(赤い矢印)前立腺針生検の結果は、主治医から詳しくは教えてもらえなかったのですが、お話しの内容と前立腺の触診所見の硬さから推察して、おそらくグリソンスコア4+4=8です。後日、骨シンチで前立腺ガンの骨転移を確認するそうです。その結果で、今後の治療を決めるのですが、ご本人は重粒子線治療を希望されています。それまでの対処の仕方や治療に関して解説してのです。

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前立腺ガンを心配する患者さんに「ひと言」

PSA値が高く前立腺ガンを地元に医師に疑われ、当院に飛行機や新幹線を使って来院する患者さんがたくさんおられます。その患者さんの中で実際に前立腺ガンを確認できたのが、12%でした。2年間にPSA値が高い人が500人来院して、その内60人に、触診と超音波エコー検査で前立腺ガンを確認できました。440人には前立腺ガンは確認できませんでした。ただし、絶対にガンがないとは言い切れませんから、半年に一度、あるいは1年に一度のペースで定期検査に来ていただいています。前立腺ガンの倍加速度(細胞の数が2倍になるまでの期間)が、2年~30年とされていますから、年に1回の定期検査でも十分と思われます。

前立腺ガンの5年生存率や10年生存率をその他の癌と比較してみましょう。
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 【癌ステージ②:5年生存率、10年生存率 】

前立腺癌:99%(100%)、80.6%(100%)

食道がん:52.2%、27.5% 

胃 がん  :58.7%、43.4%

肝臓がん:32%、13.2%

肺 がん  :48.8%、22.9% 

膵臓がん:15.9%、7.4% 

大腸がん:81%、64.2%
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 【5年生存率は2008年~2010年。10年生存率は2002年~2005年のデータ】

ちなみに前立腺ガンの(100%)は、健常者の生存率と比較して全く同じ=100%と言うことです。

この表を見て、どう思われますか?他のガンと比較すると、前立腺ガンは断トツに良性ですよね?まして健常者の寿命とほぼ同じなのです。これから考えれば、前立腺ガンを積極的に治療する必要があるのだろうか?と思われます。

Kanngaeppところが一度PSA値が高く前立腺ガンを疑われたら、その後ズ~と『前立腺ガン(悲)、前立腺ガン(涙)、前立腺ガン(悩)』と悩まれる続ける患者さんが多くおられるのです。そこで私は患者さんに次のような事をお話しします。

「人間は思ったものにしかなれないのです。高層ビルを作りたいと思ったから、資金を集め設計し建築会社に依頼して建物が建てられるのです。例えば、私は医師になろうと思ったから医師になれたのであって、誰かが私に相談もなく医師にした訳ではありません。要するに、この世界はヒトが『思った事しか現実化』になれないのです。ですから、逆の悪い意味でガンの事ばかりを考えていると、現実化して癌ができてしまいますよ。ネガティブな事ばかり考えているとネガティブな現象が起き、ポジティブな事を考えていればポジティブな現象になりますよ。」

 

 

 

 

 

 

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PSA検査評価の誤解

前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSA検査によって多くの前立腺ガンの患者さんが発見されることは事実です。しかしながら、寿命に影響しないステージ1の患者さんまで発見されて、多くの患者さんがガンノイローゼになり精神的に落ち込んでいます。その後の人生が暗〜くなってしまうのです。

Psasys1前立腺は分泌組織で腺構造です。その腺構造の外側に前立腺細胞があります。前立腺細胞はPSAというタンパク分解酵素を生産して腺腔構造に貯めるのです。PSAは射精の時に精液に混じり、ドロドロの精液をサラサラにして妊娠し易くします。ところが、何らかの原因でPSAが腺腔構造から漏れ出る→血液に混じる→PSA検査で注目されることがあります。

その漏れ出る原因として、次の5項目が挙げられます。

Psasys2❶排尿機能障害:膀胱の出口が十分に開かないで排尿すると、腹圧が直接的に前立腺に負担となり、その結果、前立腺が絞られますからPSAが腺腔から漏れ出ます。病気としては、前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、神経因性膀胱などがあります。

Psasys6❷慢性炎症:排尿障害などで前立腺に物理的負担が排尿のたび毎にかかるので、当然として慢性的傷害性炎症が発生し、一部の前立腺細胞は死滅します。死滅細胞が欠落した跡に新たな細胞が補充されるまでの間に、そこからPSAが漏れてしまうのです。一般的に炎症だからと言って抗生剤を2週間ほど処方され、再度PSA検査行い、高いと前立腺ガンの疑いが強いと診断されます。しかし、たった2週間くらいで、欠損部に新たな細胞が補充されるでしょうか?……疑問です。

Psasys3❸先天性瘻孔:前立腺細胞の接合部が生れながら不完全で亀裂=瘻孔ができ、そこからPSAが漏れてしまうのです。全ての人類がみんな完璧でみんな同じとは限りません。PSA検査の観点からみれば、ある意味で先天性PSA値異常症です。

Psasys4❹針生検の後遺症:上記の三点が原因でPSA値が高くなり、前立腺ガンを疑われ針生検をされた患者さんがたくさんおられます。針生検後の経過観察で定期的にPSA検査が行われます。すると時間とともに次第にPSA値が高くなるのです。主治医は、また針生検をしましょうと強要するのです。ところが、針生検で前立腺の中に当然傷ができます。傷が必ずしもきれいに治るとは限りません。そこからPSAが漏れても不思議ではありません。さらに1回の針生検で10本〜16本も傷つけられるのですから、針生検の後では、必ずPSA値は次第に上昇するに決まっています。

Psasys5❺前立腺ガン:腺腔構造の壁の一部にガン細胞ができると、周囲の多数の腺細胞との接合が不完全ですから、そこからPSAが漏れてしまうのです。これだけが前立腺ガンのPSA値の上昇なのです。

以上のように、さまざまな原因でPSA値は高くなるのです。PSA値が高い場合は、前立腺の直腸触診とエコー検査で前立腺ガンを確認できなければ、寿命に影響しないステージ①あるいは上記の原因❶❷❸❹であると考えて、無闇に針生検をしてはいけないのです。そうすれば多くの犠牲者を出さなくて済みます。 逆に針生検をすることで、隠れていたラテント癌を傷つけ刺激して、最終的には悪性度の高い前立腺ガンを作るキッカケを医師が創ってしまうのです。神さまは人生のあらゆる所にトラップ・罠を仕掛けているのです。私たち医師は自分たちのために医療を行うのではなく、患者さんの人生をクオリティーの高いものにしてあげるべく、創意工夫努力しなければならないのです。

【備考】内容についてのご質問やご相談は、コメントもしくはお電話(03-3771-8000午前中のみ)でご連絡ください。

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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの対応

前立腺ガンの一般的な治療は、男性ホルモンを徹底的に抑えるホルモン治療です。通常、脳下垂体から下垂体前葉を刺激するLHRHホルモン関連(アゴニスト・アンタゴニスト)を注射するのです。すると、次第に睾丸が刺激ホルモンに対して抵抗を示し男性ホルモンを作らなくなります。結果、男性ホルモンがほぼゼロになるのです。

前立腺ガンは、男性ホルモンに依存して増殖しますから、男性ホルモンがゼロだと、ガン細胞は次々に死滅していきます、……しかしながら、この治療を5年ほど続けると、ガン細胞にも新しいアイデアが湧くのです。『そうだ!巡って来る男性ホルモンをじっと待って頼らないで、自分で男性ホルモンを作ればいいんだ!』とガン細胞が自らの力で男性ホルモンを作るのです。

それが、去勢抵抗性前立腺ガンなのです。では、このような状況にならないように治療すればいいのです。現在の治療は、徹底的にガン細胞を殺そうとするからいけないのです。

Cell2細胞は一般的に細胞周期と言われる時期があり、細胞分裂の時期は細胞周期の5分の1つまり20%になります。がん細胞は分裂を繰り返せば繰り返すほど、突然変異して悪性度が増加するのです。しかし、その分裂時期がガン細胞にとっては恐らく弱点の時期です。抗がん剤やホルモン剤が届きやすいのは、毛細血管に接しているガンの表面に位置するガン細胞です。ですから、1日1回の抗がん剤投与で、表面に位置するガン細胞が20%の分裂期の細胞だけ死滅するでしょう。この程度の死滅量であれば、深部に位置するガン細胞たちは気がつかないので、悪性度が増加する機会を防ぐことになります。

Cellmass前立腺ガンの細胞分裂は、文献的には45日に1回のペースです。ですから、少なくても45日に1回の投与でガン細胞に気付かれなくガン細胞の増加は抑えられるでしょう。しかし、それではガンを小さくすることは出来ませんから、投与頻度を上げればいいのです。30日に1回、14日に1回、7日に1回と投与すれば、ガンに気付かれずにガンは確実に小さくなります。そこで実際にガンが小さい患者さんには2週間に1回、ガンの体積の大きい患者さんには1週間に1回、クスリを投与すると確実に小さくなります。病状が落ち着いてきた患者さんには1ヶ月に1回1カプセルの方もおられます。

一般的に前立腺ガンの治療は、男性ホルモンをブロック抑えるクスリが使用されています。確かに男性ホルモンに依存する前立腺ガンは、ブロックされることで死滅します。しかし、生き残った男性ホルモンの依存度の高い前立腺ガンは、『イライラ💢、……何とかしなければならない!』と思うに決まっています。それが、前立腺ガン自らが男性ホルモンを作る去勢抵抗性前立腺ガンの由来なのです。

そこで、男性ホルモンをブロックしないで、そのままにして前立腺ガンにダメージを与えるクスリを使用すればいいのです。それが、女性ホルモンと抗がん剤の合剤である「エストラサイト」なのです。女性ホルモンの受容体=レセプター=スイッチは前立腺ガン細胞の表面にも存在します。女性ホルモンがガン細胞の表面に接すると、レセプターを介してガン細胞内に侵入してガン細胞にダメージを与えるのです。抗がん剤も同様です。男性ホルモンをブロックすることで、ガン細胞に飢餓感を与えずに死滅できるので、去勢抵抗性前立腺ガンを作る余裕をなくすことができます。

通常エストラサイトは、毎日4カプセル投与ですが、それを私は1週間〜2週間に1回1カプセルしか処方しません。正式投与量の1/28〜1/56です。それでもガンは確実に小さくなります。また投与量が極端に少ないので、クスリの副作用もわずかです。一石二鳥です。もちろん作用は正式投与量に比較すれば、速度は遅いですが、副作用は極端に少なく去勢抵抗性前立腺ガンの発生も遅延します。

前立腺ガンに効果のある抗がん剤を発見して、有効血中濃度を決め投与することは間違ってはいません。しかし、その発想工程はガン細胞の生き物としての個性を無視して物として扱っています。ガン細胞は人間の細胞で出来ている訳ですから、患者さんが頑固であれば、ガン細胞も頑固に決まっています。クドければ細胞もクドい、研究熱心であれば細胞も研究熱心、短気であれば細胞も短気に決まっています。患者さんの個性を見ることで治療法をより繊細に対処しなければなりません。

これほど工夫しても、患者さんによっては去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。その場合は、治療薬を工夫して、イクスタンジを選択します。 イクスタンジは前立腺ガン細胞内で作られた男性ホルモンをブロックする作用があるのです。前立腺肥大症の治療薬であるプロスタールで治る患者さんもおられます。

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前立腺肥大症の割合とラテント癌

Bphglaf現在の日本人は、80歳までに80%の人が前立腺肥大症になると言われています。

このグラフは、An Atlas of PROSTATIC DISEASEというイギリスの専門書に掲載されているグラフを改変したものです。赤い折れ線グラフは亡くなられた人の解剖の結果で、前立腺肥大症の割合を表しています。年齢数字の下に記載されている(数字)は剖検数・解剖数です。緑の折れ線グラフは別の統計結果で、臨床的に前立腺肥大症(症候性前立腺肥大症)の割合を表しています。解剖学的にも臨床的なにも割合はほぼ同じです。

これらグラフはイギリスのデータですが、日本人でもほぼ同じとされています。では何故?こんなに日本人男性も前立腺肥大症が増えてくるのでしょうか?私が研修医の頃は、80歳までに前立腺肥大症になるのは、20%くらい、つまり5人に1人でした。ほとんどの人は前立腺が萎縮していました。今の泌尿器科医師は過去に比べて、前立腺肥大症だけに関して言えば、需要が4倍も増したことになります。

その理由は2つあると思われます。

1つは平均寿命が延びたという事です。40年前は今の20%でしたから、80%の人は前立腺肥大症ではなかったと言う事を考えれば、前立腺肥大症になる人は短命だと考えられます。

2つ目は、栄養状態が良くなったのが、前立腺肥大症の増殖を刺激しているのでしょう。つまり栄養状態良好が短命な前立腺肥大症の患者さんの延命効果があるとも言えます。

Bphpcaこのグラフは、前立腺肥大症の年齢別の発生割合と、前立腺ラテント癌の年齢別の発生割合を比較したグラフです。後輩に和田鉄郎先生の研究結果です。前立腺肥大症の割合が増えると、同調するようにラテント癌も増えています。前立腺肥大症と前立腺ガンは無関係と思われますが、何故、このようにガンが増えるのでしょうか?それには理由があります。

Bphstage前立腺の外腺は、胎児の初期の男性ホルモン上昇で始めて生まれます。出生直後に再び男性ホルモンが上昇して前立腺の内腺が生まれるのです。子供が成長して思春期に入ると、男性ホルモンが長期間高くなるので、前立腺が完成します。そして更年期前後から男性ホルモンが確実に低下していきます。その時期くらいから、前立腺肥大症の患者さんが増えます。

前立腺の外腺から見ると、次の環境です。

🔲ホルモンレベルでは、男性ホルモンの上昇が3回、明確な下降が1回の計4回です。(①〜④)

🔲物理的刺激は、⑤出産直後に内腺ができ、初めて外腺が圧迫されます。⑥思春期になり内腺が成長して外腺はさらに圧迫されます。⑦そして更年期前後から内腺が前立腺肥大症になり、さらに外腺は強烈に圧迫されるのです。

Bphstage2結果、外腺は生まれてから7回(ホルモン刺激4回+物理的刺激3回)も受け続けるのです。内蔵でこれほど刺激を受ける臓器があるでしょうか?結局、前立腺外腺からガン細胞が生まれるのです。

ただこの時点では、沈黙した悪性度の低いラテント癌ですが、では何故に死に至るような前立腺ガンになるのでしょうか?その理由は、排尿機能障害による前立腺に対する物理的負荷が、PSA値を高めてしまうため、ワンパターン思考の医師によって前立腺針生検をされ、8回目の強烈な刺激を受ける結果😱、死に至る悪性度の高い前立腺ガンに変身☠️させているのです。

 

 

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日米の前立腺ガン比較

7498e69a9cc3438a95b2ad9c3efd6300日米の前立腺ガンの発生率(10万人当たり)年齢別の比較したグラフがこれです。こんなに格差のある前立腺ガンの多いアメリカでは、PSA検査を行うのを条件付きの制限を加えています。

何故、アメリカではPSA検査を日本のように自由にしなかったのか?実は、PSA検査はアメリカで考案・普及した検査です。PSA検査の考案者は、転移した前立腺ガンの状況を把握・確認するための検査として開発したのでした。ところが、『PSA検査で前立腺ガンを早期発見ができるかも知れない?』と考えた医師や企業が、PSA検査・検診を普及させたのです。

その結果、寿命に影響のない、治療の必要のないラテント癌を発見し、「そ〜ら!ヤッパリ前立腺ガンですね!」と言って積極的な治療(前立腺全摘手術、放射線治療)、あるいは保存的治療を行いますが、患者さんは『癌だ!ガンだ!がんだ〜!』と常に神経症にさせてしまい、その後の人生のクオリティーが下げてしまうのです。

では何故、アメリカで開発したPSA検査が、アメリカで普及し、日本の3倍以上の人口のアメリカで、日本の7倍以上の前立腺ガン(3✖️7=21、実質的に日本の21倍以上)を発見したにも関わらず、アメリカではPSA検査を制限したのでしょうか?その理由は政府の要請で、寿命に影響しない前立腺ガンを必要以上に発見し、治療することで患者さんの精神的・肉体的後遺症を作るので、患者さんにとっては統計的には不利益であると評価されたからです。

PSA検査を輸入した日本では、アメリカでの経過を無視して、日本独自の統計結果を優先して、「PSA検査!PSA検査!針生検!針生検!ガンだ!ガンだ!」と固執するのです。統計は研究者の意思により統計結果は容易に変えることができます。日本の泌尿器科学会が根拠にするヨーロッパの前立腺ガンPSA検診鯛規模調査ERSPC文献をよく読むと、結果は反対にも解釈できる中途半端な文献でした。

日本がPSA検査・PSA検診に固執するには、それなりの理由があるのです。アメリカでは前立腺ガンを除いても、泌尿器科の病気がはるかに多いのでPSA検査で前立腺ガンを発見しなくても、泌尿器科学会の収入ははるかに多いのです。ですから、アメリカ政府のPSA検査の評価に対して、簡単に受け入れたのでしょう。またアメリカは自由診療で治療の単価も高額なのです。例えば、盲腸の虫垂炎手術治療は一泊二日で100万円を超えます。でも日本では健康保険制度が確立し、また政府の決めた治療費の単価も安いのです。そして人種の違いにより泌尿器科疾患がアメリカに比べてはるかに少ないのです。せっかくPSA検査で泌尿器科がやっと注目を浴び、また健康診断や人間ドックの結果で泌尿器科に紹介される患者さんは今まではほとんどなかったのに、PSA検査のお陰で人気の診療科目になったのですから、それを泌尿器科学会が拒否するとは到底思えません。

 

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前立腺がんと大豆イソフラボン

米国がん学会で2005年(平成15年)に発表があった文献の内容をここでご紹介します。

Pcainvitroハーバード大学医学部とイソフラボンの会社(ニチモウ・バイオテックス(株))の共同研究の報告です。乳がん細胞と前立腺がん細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro試験管・培養器)実験です。

乳がん細胞と前立腺がん細胞をそれぞれ培養器に入れ増殖させます。2つのグループに分け、そのまま増殖させるグループと、イソフラボンを注入したグループに分けるのです。そしてがん細胞の増殖の経過を観察したのです。

初めのグラフは、前立腺がん細胞の増殖率の比較です。通常に培養したコントロール群の増殖率を100%とすると、イソフラボン(Agly Max)群の増殖率は32.2%です。その差は何と67.8%にも及ぶのです。イソフラボンの培養液で育った前立腺がん細胞の増殖率は、通常のがん細胞の増殖率の3分の1になるのです。生体内でも同じ条件だとすれば、前立腺がんになってしまった患者さんがイソフラボン(Agly Max)を服用すれば、服用しない患者さんと比較して3倍長生きできることになります。乳がん細胞の場合も前立腺がん細胞とほぼ同じで、その差が63.9%でした。

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次に、前立腺がん細胞の培養中のアポトーシス(細胞の死滅)を比較すると、イソフラボンで培養した前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞の死滅)率は20.7%でした。つまり培養したがん細胞の5分の1が死滅したのです。乳がん細胞のアポトーシス死滅率は16.5%でした。

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この実験のキッカケは、乳がんと前立腺がんの罹患率を比べると、アジア人の発症率が西洋人に比べてはるかに少ない事実からです。 その理由は何か?と考えた時に食習慣、特に大豆食品の摂取量に可能性を指摘されたのです。そして、大豆の摂取量が多いほど、これらのガンの発生率が低いのでした。当然、大豆の何らかの成分が、これらのガンの発生率を抑えていると考えられたのです。大豆と言えば、イソフラボンです。

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上のグラフは乳がんで下のグラフは前立腺がんの日米比較のグラフです。この両方のグラフを見ると、日本と比較してアメリカでは、断トツにそれぞれの癌の発症率は高いのです。

これから分かるように、納豆・味噌汁などの大豆食品の摂取している日本人の方が、はるかにガンの発生率は少ないのです。しかし、最近の日本人の食習慣も変わり、毎日納豆を食べ味噌汁を飲む人は少なくなってきています。それから考えると、徐々に乳がんも前立腺がんも次第に増加してくるでしょう。

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これらのサプリメントを服用すれば、抗がん剤を服用しなくても、ガンの成長や勢いや増大をある程度抑える可能性があると考えられます。神経質でガン神経症の人にはオススメです。このページでご紹介した大豆イソフラボンは、ニチモウ・バイオテックス(株)のアグリマックスというサプリメントです。乳がんや前立腺がんの患者さんやこれらの病気の疑いをかけられている人は、このサプリメントをオススメします。ご希望の方は、右のパンフレットをお読みください。

http://draglymax.jp/

クリニックID 5045900

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痛みで苦しむ徳島の患者さん

私の著書を読み、徳島県から男性患者さんが娘さんと二人で来院されました。陰部と会陰部の強い痛みと肛門の痛みで苦しんでいた患者さんです。

平成30年11月に血尿認められ、地元の内科医で膀胱炎と診断され抗生剤を処方されました。その後、陰部・会陰部の痛みが出てきて、次第に強くなり、12月には救急車で搬送されました。救急病院で精密検査を行いましたが、「異常なし」でした。

その後、地元の市民病院で痛みの原因を調べたところ、超音波エコー検査で膀胱腫瘍(癌)の初期が偶然にも発見され、平成31年1月に手術(経尿道的膀胱腫瘍切除)を行いました。

Pain37115m72ところが、膀胱腫瘍を治療したにもかかわらず、問題の痛みが治りません。主治医に相談しても「分かりません」「貴方の気のせいです」「慢性前立腺炎でしょう?」と冷たく対応されてしまいました。この悩み解決のために、内科、肛門科、泌尿器科合わせて10軒以上も診察・検査したが、痛みの原因は分りませんでした。

たまたま友人に紹介された私の著書を書店で取り寄せ、本の内容と自分の病状が一致したことに驚き、3回も読んでしましました。そして当院に来院されました。

Pain37115m72pp早速、超音波エコー検査を行いました。パット見て分かりにくい所見です。膀胱出口に白く硬化像が確認できます。

一番気になる所見が、膀胱縦走筋と前立腺結石の区別がつきにくい所です。一つの塊に見えます。当然、排尿機能障害の結果です。また、膀胱括約筋も白く肥大しています。これもまた排尿機能障害の結果です。当然、膀胱三角部が肥大・変形しますから、膀胱三角部が過敏になり、この患者さんの苦しみである原因不明の痛みになったのです。

排尿障害治療薬と頻尿治療薬で治療を開始しました。1ヶ月後に症状が軽快したかどうか、連絡を楽しみです。

【備考」

この患者さんが来院したのが4月23日(火)でした。4月25日(木)に電話があり、痛みが50%になったという喜びの電話でした。何と!クスリを服用して3日目には症状が改善したのでした!

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頻尿とは無関係…前立腺ガン

Pca37102m81bladpp先日、患者さんからご紹介された80代の男性がご夫婦でお越しになりました。

その男性の悩みは頻尿でした。毎日10回以上の頻尿と尿意切迫感で悩まれていたのです。地元の総合病院で治らない頻尿のことを何べん訴えても、同じお薬をただ処方されているだけでした。医師であれば、目の前の患者さんの訴えに応じてお薬の工夫をしなければなりません。

早速、エコー検査を行いました。前立腺の大きさは43ccと通常(20cc)の倍の大きさでした。また膀胱の壁がデコボコしています。これは、排尿障害による膀胱への物理的負荷が長期間かかることによる肉柱(白い→)形成の結果です。体質の関係で前立腺の全体像が詳細に観察できないので、一度、排尿していただきました。

 

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排尿後に残尿測定をしたところ、40㏄以上も残っていました。すると、前立腺が詳細に見えたので、入念に観察しました。膀胱縦走筋が変形して肥厚しています。排尿障害の証拠です。また、前立腺の実質の中に前立腺結石を認めました。これも排尿障害の証拠です。膀胱三角部の粘膜が白く輝いています。これも膀胱出口が十分に開かないで排尿するために生じる膀胱出口の振動が原因で膀胱三角部の粘膜が硬くなった証拠です。つまり排尿障害による膀胱三角部の過敏による頻尿が、この患者さんの症状なのです。

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さらに詳細に前立腺を観察すると、…あってはならない影が見えるのです。そこで前立腺の直腸触診を行うと、前立腺の左葉から中央にかけて硬結が触れたのです。明らかに前立腺ガンでした。

 

Pca37102m81pcappもう一度、エコー検査で確認すると、前立腺外腺組織の左葉から中央にかけて前立腺ガンの陰影(赤い→)が確認できました。前立腺ガンと思われる陰影の大きさは1.54㏄です。

今回の患者さんの悩みは頻尿でしたから、まずは頻尿の治療を優先としました。前立腺ガンの治療は帰宅後どうするのかお考えくださいとお話ししました。

後日、改めてお越しになり、私の奇抜でユニークな治療をすることになりました。

 

 

 

 

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頻尿は、冷え性だから…

Hie37071m80先日、80代のご夫婦がお越しになりました。

ご主人がオシッコが近くて困っていると言うのです。日中は1時間半に1回(1日12回)、夜間4回の頻尿があるのです。過去に治してもらおうと、地元の公立病院泌尿器科を受診しました。いろいろと検査を行い、前立は大きくなかったので、結果、「頻尿の原因は冷え性ですね!」と診断され、お薬も処方されなかったそうです。

お話をお聞きして、『ひどい医者だなぁ』と思いました。一般内科の医師がそのように判断するのであれば、仕方がないかなぁ?と思われますが、泌尿器科の「専門医」が何をバカなことを言っているんだと情けなくなりました

早速、超音波エコー検査を行いました。確かに前立腺は19㏄と正常範囲です。おそらく前立腺の大きさが正常なので「異常ない」と判断して、「冷え性が原因です」と診断したのでしょう。

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しかし、超音波エコー検査画像を拡大して精密に観察すると、異常所見が明白に観察できます。

①膀胱縦走筋が膀胱出口の方向に向いていません。(赤い→)そして膀胱縦走筋は先端が先細りになるのが正常なのに、先端が開いて変形しています。(黒い↔)

②膀胱縦走筋の変形=膀胱三角部の増大(赤い部分)しますから、膀胱三角部は過敏になり頻尿になるのです。

③膀胱括約筋の白さの面積も広がっています。つまり、排尿機能障害のために膀胱括約筋が発達したと言うことになるのです。

④前立腺結石も確認できます。前立腺結石=排尿機能障害です。

以上の結果から、排尿機能障害が原因の頻尿だったのです。

 

 

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膀胱・直腸の違いで分かる病気の本質

膀胱と直腸は、元々は同じ臓器だったのです。
以前にも、膀胱の発生学的構造について解説しました。そこでおさらいです。

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まずは、胎児の4週の時点で、膀胱の基礎が出来上がります。それが、「総排泄腔」です。その形はとてもシンプルです。総排泄腔の前に「へその緒」が繋がっています。総排泄腔の前後の真ん中辺りにクビレが生じます。これを「尿直腸中隔」と呼びます。イラストでは「中隔」と示しています。
胎児の6週に成ると中隔というクビレがドンドン深くなっていきます。深くなるに連れ、総排泄腔の前は膀胱に、背後は直腸になろうと変形します。つまり、膀胱と直腸は、発生の途中では同じ臓器だったのです。ですから、出産後に成長して成人になれば、別の臓器と思われますが、神経的には脊髄神経で繋がっている方もおられます。その証拠に、膀胱炎になると便意を催すヒトもいれば、下痢すると頻尿になるヒトも存在します。
胎児の7週に成ると、尿直腸中隔は完成して膀胱と直腸は完全に分離独立します。膀胱の末端は、体壁皮膚の外側まで通過して「尿道」になります。胎児の11週には男性の場合は、この尿道から芽が出て、それが「前立腺」になります。背後の直腸は、大腸(S字結腸)の末端と接続して、大腸は直腸まで連続します。

ここまで見ると、膀胱も直腸も、ほぼほぼ同じ臓器です。何が違うかと言うと、膀胱は腎臓・尿管と繋がり尿を溜め排泄し、直腸は消化器官末端の大腸と繋がって大便の通り道です。尿管の粘膜細胞である移行上皮が膀胱の粘膜として広がり、大腸の粘膜細胞の円柱上皮が広がり直腸の粘膜になるのです。最初は同じ臓器なのに、粘膜細胞は異なるのです。
さて、ここで疑問が生じます。オシッコが出なくなる「神経因性膀胱」の原因は、膀胱の力が無くなったから尿が出なくなると言われています。しかし、直腸の力が無くなったから大便が出なくなる病気は存在しません。もともと直腸には、そのような力がある構造でもなく、大便の塊を腹圧をかけて押し出す際に、便意を感じてチョコっと力を補助するだけです。直腸の筋肉はただ単に蠕動(ぜんどう)運動するだけです。膀胱もほぼ同じで、尿を溜める時に膨らみ、尿を出す時に一滴も残らず閉じるだけの力があればよく、肝心の排出力は腹圧をかけて尿が出るだけです。ではどうして、「神経因性膀胱」という病気で尿が出なくなるのでしょうか。それは、生まれは同じ双子の臓器ですが、膀胱出口の構造が直腸の出口よりもシンプルではないからです。

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ここで、先ず直腸の出口=肛門の仕組みを見てみましょう。内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が隣り合わせで接しています。排便の際には、外〇〇括約筋が開きますが、内〇〇括約筋は軽く収縮します。なぜなら、直腸の縦走筋と協力して、直腸を漏斗状に姿を変えて大便が出やすくするのです。ここで容易に分かることは、内〇〇括約筋が頑張っても骨格筋である外〇〇括約筋には負けてしまうので肛門は容易に開くのです。

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直腸と比較すると、膀胱の出口は少し複雑です。
内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が上下に位置しているのです。
排泄物が液体の膀胱の場合は、直腸と同じに隣接していると、尿が漏れ出てしまうからです。しかし、排尿時は、直腸と同じ動きをします。外〇〇括約筋が開こうとすると、内〇〇括約筋が収縮して同時に膀胱縦走筋が収縮します。その相互作用で膀胱の頸部は漏斗状に姿を変えて排尿しやすくなります。
ところが、直腸と違い、内と外〇〇括約筋が上下に位置していて、外〇〇括約筋の力が内〇〇括約筋に十分な伝わりません。そのため、微妙なバランスで内〇〇括約筋が開くことになります。もしも、このバランスが乱れれば、内〇〇括約筋は十分に開かず、排尿障害になるのです。

つまり、直腸は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が並行に位置し、膀胱は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が縦に位置しているのです。力の強さは、骨格筋・随意筋である外〇〇括約筋の方が、内臓筋・不随意筋である内〇〇括約筋よりもはるかに強いのです。ですから、並行に並んでいる直腸の場合は、内〇〇括約筋は外〇〇括約筋の言いなりです。そのため、外〇〇括約筋が開くと内〇〇括約筋が容易に開いてしまうのです。しかし、ある程度の距離を置いて縦に並んだ膀胱の場合は、内〇〇括約筋が自己主張するので、外〇〇括約筋の言いなりにならないのです。その程度は、歳を重ねるごとに強くなり、また男性の場合は前立腺が大きくなるほどに強くなるのです。

便秘などの大便の出が悪いのは、大便の固さに問題があるのです。しかし尿は液体ですから、出の悪さは膀胱出口の開閉だけに依存しています。内尿道括約筋(膀胱括約筋)と外尿道括約筋の連携プレイが問題になるのです。神経因性膀胱は膀胱全体の筋肉の力がないからと言うのは「嘘」です。『治らないんだ😞』と詐欺被害者になってしまいます。騙されてガッカリしないでください。ですから、神経因性膀胱などの治療には、内尿道括約筋を緩める薬や手術で内尿道括約筋をカットしてあげればいいのです。

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前立腺ガンを2年間放置…その結果…

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3年前の平成28年7月にPSA値8.31と高くて来院した50歳代の男性患者さんのエピソードです。

触診とエコー検査で前立腺の右葉に前立腺ガンが確認できました。私オリジナルの穏やかな治療を開始しました。5ヶ月経過すると、エコー検査でも触診でも、ほとんど確認ができないほど前立腺ガンは小さくなりました。その患者さんは、埼玉から通院していましたが、家庭の事情で九州に転居することになりました。

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遠方の患者さんには、お薬を着払いでお送りすることはできますから、そのようにお話しをしていました。
ところが、この患者さんは、転居の前後である本を読み、「癌は何もしないで自然に任せるべきだ」という内容に感銘を受けて、お薬を止め治療を何の相談もなく中止してしまったのです。せっかく治療効果が得られたのに…私からしてみれば、顔にドロを塗られた思いです。その後、2年余り何もせずに前立腺ガンを放置してしまったのです。
ところが、最近になって健診で内科の医師がPSA検査したところ、PSA値が57を超えるほど高くなってしまいました。地元の泌尿器科を受診したら、このまま何もしないでいると、苦しんで死ぬと脅され、気持ちが不安定になりました

早速、エコー検査を行うと、写真の如く前立腺の堅い被膜(白点線)から直腸側に前立腺ガンの陰影が突出しています。触診でも、明らかに硬い前立腺ガンが突出していました。
前立腺ガンの明らかな悪化・進行・侵攻です。
この患者さんに、次のように説明しました。
❶初診時に前立腺ガンとお話ししました。
❷治療により前立腺ガンが激減したことは確認しましたね?
❸しかし、貴方は読んだ本の影響を受け、ガンの積極的な治療をしないで、自然経過を選択した。
❹治療を中止すれば、再発・悪化のリスクが高くなるのは、常識的に当然です。
❺現実、現在の貴方の前立腺ガンは大きくなり、前立腺の被膜を超えて、ステージⅡ→ステージⅢ以上に悪化しています。それがPSA値57です。
❻読んだ本の影響で「何もしない」と決めたのなら、男らしく自分の判断を貫きなさい。一度決めたことは貫きなさい!地元の医師の言葉くらいで動揺するな!
❼今後の治療は、するしないは別として、地元の医師と十分相談しなさい。

ある意味でドクハラ・ドクターハラスメントかもしれませんが、以上のようにアドバイスをしました。
そして、言葉少なくお帰りになりました。自分の人生ですから、患者さんも私も自分の意志を通すべきです。


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膀胱の構造から考えた治療の選択肢

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慢性前立腺炎や間質性膀胱炎などの下部尿路症の主な原因は、患者さん本人が気付いていない排尿障害です。
機能性排尿障害が、膀胱括約筋を肥厚させ、さらに強い器質性の排尿障害になります。
それと同時に膀胱三角部が肥厚・過敏になります。
膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部が肥厚して排尿障害が強くなるため、膀胱体部にも負担が掛かります。
膀胱括約筋のスイッチである受容体は、α1受容体ですから、治療薬はα1ブロッカーのユリーフ、ハルナール、フリバスです。
膀胱三角部のスイッチである受容体は、β3受容体ですから治療薬はβ3作動薬であるベタニスです。
膀胱体部のスイッチである受容体は、ムスカリン受容体ですから、治療薬は抗コリン剤のベシケアなどです。
下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)の慢性的病気は、この膀胱括約筋と膀胱三角部と膀胱体部の三つ巴で作られる症状です。ですから、α1ブロッカーとβ3作動薬と抗コリン剤の3つを駆使すればいいのです。

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ところが、この理論で治療しても、すべての患者さんがスッキリ、ピッタリと治る訳ではありません。
なぜなら、平滑筋に作用するスイッチである受容体は、万人が常に均一均等に配分している訳ではないからです。膀胱括約筋=α1受容体、膀胱三角部=β3受容体、膀胱体部=ムスカリン受容体とデジタルにキッチリと配分しているとは限りません。
イラストのグラフで示すように、人によって、受容体の分布配分が様々です。
私なら、まずはα1ブロッカーを投与します。早めに結果を出す時や患者さんの症状が強い際には、β3作動薬を併用します。この処方で大方8割の患者さんは症状が軽快します。
一部の患者さんでは、効果がイマイチの場合があります。その場合には、α1ブロッカーの種類を変えるか、抗コリン剤を併用します。

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排尿障害が原因のいろいろな病気

医師になって約40年(正確には39年)、それまで蓄積した臨床体験から、一見、排尿障害と無関係に思える病気の原因が、排尿障害と密接に関係している事が分かりました。
原因を分かりにくくしているのが、膀胱や前立腺を神経支配している、脊髄神経回路だったのです。
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脊髄神経回路は、人によってさまさまな症状を作ります。医師は、その神経回路の様子を想像出来ませんから、たくさんの原因不明の病気を創るのです。その発想の貧弱さが、結局は患者さんたちを苦しめて来たのです。

①排尿「機能障害」→膀胱括約筋の肥大・膀胱三角部の過敏

②膀胱括約筋の肥大→排尿障害の悪化→前立腺に負担→前立腺肥大症→排尿障害がさらに悪化

③前立腺に負担→PSA値の上昇→前立腺癌を疑われる→前立腺針生検

④膀胱に負担→膀胱の疲弊→膀胱の弛緩→神経因性膀胱→治らない病気と誤解

⑤膀胱の疲弊→膀胱の萎縮→間質性膀胱炎→水圧拡張術→さらに萎縮が進む

⑥膀胱三角部の過敏→神経回路の興奮→❶慢性前立腺炎❷慢性膀胱炎❸過活動膀胱❹膀胱疼痛症❺慢性骨盤疼痛症候群❻線維筋痛症❼舌痛症❽慢性胃痛症❾幻臭症➓坐骨神経痛→気のせいと誤解

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新たなβ3作動薬

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近々、新たなβ3作動薬が販売されることになりました。
キッセイ薬品と杏林製薬の併売です。これまでは、アステラス製薬のβ3作動薬のベタニスしかありませんでした。ベタニスも画期的なクスリでしたが、全ての人に均一に効果があるとは限りませんでした。
治療する側の医師としては、下部尿路症の患者さんにいろいろなお薬で治療しますが、その人に合う薬を見つけるのが大変です。少しでも選択肢が増えると、医師も助かるし、患者さんにとっても有益です。

これまで、ベタニスの効果が得られなかった人や副作用のために中止された人にとっては、朗報です。

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尿意の秘密

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膀胱や前立腺の数々の病気を調べ研究して治療するに当たって、基本的な概念を明らかにする必要があります。その対象が「尿意」です。
泌尿器科学会で名だたる先生たちが唱える、尿意のメカニズムは次のようです。
まずは、膀胱の基本的構造をイラストで示しました。膀胱粘膜があり、その下に粘膜下組織、平滑筋層、神経組織のC線維があります。
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①オシッコがたまり膀胱が膨らむと、当然、膀胱粘膜が引き伸ばされます。
②すると、膀胱粘膜からATPやアセチルコリンなどのさまざまな「生物活性物質」が放出されます。
③それら生物活性物質が膀胱粘膜のすぐ下に存在するC線維を刺激して、それが脊髄神経回路に伝達されて尿意になるのです。
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もしも、この通りだとすると、説明できない現象があります。
頻尿や尿意切迫感を抑えるβ3作動薬のベタニスや抗コリン剤のベシケア・ステーブラ・トビエースなどは、膀胱の平滑筋を緩める働きがあります。そのお陰で、頻尿や尿意切迫感の患者さんが、オシッコを我慢できるようになるのです。しかし、もしそうだとしたら、平滑筋が緩み、膀胱がさらに膨らみ、膀胱の粘膜はなお一層伸びて、生物活性物質が大量に放出される筈です、すると、頻尿の尿意切迫感が強くならなければなりません。したがって、この理論は、間違いです。
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では、どのように考えればいいのでしようか?
ヒントは、β3作動薬や抗コリン剤が平滑筋にしか効かないことにあります。そして、平滑筋を緩める=尿意が低下する点にあります。平滑筋細胞は、細胞間が電気結合=ギャップ結合で繋がっていて、1個の細胞の情報がすべての細胞に伝わります。つまり、1個の細胞の意識が、すべての細胞の共通の意識になるのです。膀胱が膨らむと、平滑筋は引き伸ばされて緊張(赤いギザギザ線)し、平滑筋全体に伝達されます。その緊張情報=膀胱内圧=尿意情報が神経に伝達されて尿意になるのです。この仕組みは、ほぼ神経細胞と一緒です。神経は線状なので1次元ですが、平滑筋は立体的なので3次元です。膀胱平滑筋は、収縮と弛緩する物理的な動力装置としての働きと、機能的な感覚センサーとしての働きがあるのです。

実は平滑筋には他にも違う働きがいろいろあります。動脈壁の中膜にある平滑筋は、動脈壁の内膜に溜まった悪玉コレステロールを食べて泡沫細胞になります。これはマクロファージ=貪食細胞と同じです。また、動脈壁の内膜に集まった泡沫細胞を固めるために平滑筋がコラーゲンを作ります。これは線維芽細胞と同じです。

以上のように平滑筋には、多彩な能力があるのです。その平滑筋には、私たちが知らない能力があるかもしれません。その不明の能力が原因不明の病気に関与しているかもしれません。そういう意味では、平滑筋の興奮を抑える大豆イソフラボンが、さまざまな病気の予防に役立つ可能性があります。

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誤解

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今まで解説してきた下部尿路症は、基本的考え方は恐らくこうでしょう。

①前立腺肥大症は、前立腺肥大症が膀胱を刺激して、頻尿・残尿感・尿意切迫感が出現する。前立腺の手術をしても治らない人がいる。
②急性膀胱炎は、バイ菌が刺激して、膀胱粘膜が過敏に反応して、頻尿・残尿感が出る。若いご婦人のこの病気はセックスの後に起こる。しかし、高齢者の場合は原因不明である。
③慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が膀胱を刺激して、頻尿・排尿痛・陰部の痛みが出る。抗菌剤を長期間投与しても治らない。
④間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜に原因不明の炎症が起きで、頻尿・膀胱の強い痛みになる。萎縮した膀胱を水圧拡張しても治らない。
⑤過活動膀胱は、原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁になる。
⑥膀胱疼痛症候群は、原因不明で軽い頻尿程度がある程度、主症状は排尿に関係なく膀胱の痛み。麻薬の痛み止めを服用しても治らない。

結局は、すべての病気の原因を膀胱が受け止めて、下部尿路症状を作っているのだろうという考え方です。その割には、原因と思われる病態を治療してもなかなか治りません。さらに原因が別としても、膀胱は同じですから、同じ症状でもいいと考えられませんか?何故いろいろと違う症状なのでしょう。明らかな膀胱粘膜の炎症である細菌性急性膀胱炎と同じ頻尿・残尿感・排尿痛にならないのでしょう?……どうしてでしょうか?
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これには、理由があるのです。
前回解説したように、疫学的調査で症状を比較すると、尿勢低下のみが「機能障害」です。一般的に、病気の症状は、機能障害が原因で、その他の症状を作っていると考えられます。機能障害で排尿時に膀胱括約筋と膀胱三角部が弛緩しないため、膀胱出口が開かないために排尿障害になります。弛緩しない膀胱括約筋と膀胱三角部は、縦走筋と力比べするために、膀胱括約筋・膀胱三角部が肥大化・肥厚化し、ますます排尿障害を悪化します。
①排尿障害が悪化すると、
ⅰ.膀胱内圧のエネルギーが、長期間前立腺を刺激したため、前立腺が対応反応して肥大化→「前立腺肥大症」になる。
ⅱ.膀胱内圧が長期間に渡って上昇するので、膀胱自身が疲弊する。疲弊の結果、
a)膀胱が弛緩する→「神経因性膀胱」
b)膀胱が萎縮する→「間質性膀胱炎」

さらに膀胱三角部は尿意を知覚するセンサーですから、肥厚化によって尿意エネルギーは大量に産生されるために、脊髄神経回路を介して、頻尿・残尿感・尿意切迫感・切迫性尿失禁・膀胱の痛み・陰部の痛み・シビレ・痒みになるのです。
①男性で不定愁訴があって、前立腺が大きくないと、→「慢性前立腺炎」
②尿検査で白血球/細菌が見つかると、→「慢性膀胱炎」
③検査結果がほぼ正常で精神的に落ち込むと、→「心因性頻尿」
④検査結果が多少異常があっても、痛みがとても強いと、→「膀胱疼痛症」
⑤痛みの領域が広いと、→「慢性骨盤疼痛症候群」
⑥検査結果がほぼ正常だと、→「過活動膀胱」

ご覧のように、下部尿路症で付けられた診断名の根拠が、如何にいい加減か分かります。診断名から治療しても、病気が治るとは思えません。診断名を考案した医師たちの短絡的な発想が情け無い。表向きの症状だけで病名を作るのは、素人でも作れることです。
イラストで示すように、病気の根本的原因は、排尿障害と膀胱括約筋・膀胱三角部の肥大化と異常興奮が原因です。そのために、排尿障害の治療薬であるα1ブロッカーと、膀胱三角部の興奮を抑えるβ3作動薬と抗コリン剤が必要になるのです。

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下部尿路症のいろいろ

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「下部尿路症」には、次のようないろいろな病気があります。
①前立腺肥大症
前立腺が大きいから頻尿になる。
でも、手術で前立腺を除去しても、頻尿が治らない患者さんが存在する。「歳のせい」にされる。
②急性膀胱炎
バイ菌が原因で膀胱粘膜が炎症を起こし頻尿になる。頻尿=炎症?=バイ菌と単純に思われる。
③慢性膀胱炎
バイ菌はいないのに、繰り返し膀胱炎症状の頻尿になる。頻尿=炎症?=見つからないバイ菌=不潔にしている
④過活動膀胱
バイ菌も明確な原因もなく、頻尿になる。ダメな膀胱
⑤間質性膀胱炎
膀胱粘膜下の間質に炎症所見が認められる。バイ菌はいない。アレルギーが原因と思われている。頻尿と痛みが併発する。
⑥膀胱疼痛症
バイ菌はいない、膀胱粘膜に炎症もない。頻尿±ただ痛みが前面に出る。
⑦非細菌性慢性前立腺炎
前立腺に明確な原因もなく、頻尿や痛みが出る。只ひたすらに抗生剤とセルニルトンを処方するだけ。
⑧慢性骨盤疼痛症候群
男女問わず、原因不明で痛み±頻尿で苦しむ。
⑨神経因性膀胱
排尿直後にもかかわらず、残尿が50㎖以上も残っている。そして頻尿±残尿感±不快感が出る。原因は膀胱の神経がダメになった➡︎治せない。
⑩前立腺がんの手術後の頻尿
手術前には、なかった頻尿が手術後から頻繁に出る。主治医は、手術の後遺症だからと言って、何もしてくれない。理由は、膀胱と尿道を接合縫合する際に、膀胱三角部を縫ったからです。

以上の病気の原因はいろいろだったり、不明ですが、症状は似たり寄ったりの頻尿・残尿感・尿意切迫感です。しかし同じような症状なのに、症状を作る明確な原因が突き止められていません。何となく膀胱が過敏になっているから、という対症療法で済ませるので、すべての病気をいい加減にしか治せないのです。こんな事で、よく偉そうに泌尿器科学会を専門医がリードしていますよね?

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これらの下部尿路症の患者さんのいろいろな症状のうち、ある一定の確率で尿勢低下=排尿機能障害を認めます。機能障害が病気の原因で、膀胱を苦しめていると考えるべきです。治療としては、排尿機能障害を中心にα1ブロッカーであるユリーフ・ハルナール・フリバスを処方して、膀胱三角部の過敏反応を抑えるために、β3作動薬のベタニスと、抗コリン剤であるベシケア・ステーブラ・トビエースを処方します。
世間では、頻尿や尿意切迫感だけに振り回されて、原因を追求せずに、β3作動薬や抗コリン剤だけを処方しています。もちろん、それだけでも症状が落ち着く患者さんもおられますが、繰り返し症状は出てきて、次第に治療が困難になるほど症状が強くなります。なぜなら、患者さんの脊髄神経回路がバージョンアップするからです。そして、過活動膀胱➡︎間質性膀胱炎➡︎膀胱疼痛症➡︎慢性骨盤疼痛症候群という表面的な病名に診断されてしまうのです。そも病名に流れる根底には、ただ一つ「排尿障害」があるのです。

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毎日新聞の記事から PSA検査と前立腺がん

患者さんからのご連絡で、毎日新聞の記事に私の考えと合致する内容の記事が掲載されたそうです。ご紹介ありがとうございます。
下記にその記事を要約しました。
詳細は下記のサイトをご覧ください。

毎日新聞


Mainichinews
高齢男性に多い前立腺がん。早く見つければ治療後の見通しは良いが、一般に病状の進行は緩やかなため、不利益も伴う治療をすべきか悩ましいところだ。2回目は、前立腺がんの早期発見に役立つPSA検査についてまとめた。【渡辺諒】

死亡率低下、証拠不十分 病状進行遅く、効果不透明
 長野県安曇野市の無職、工藤元彦さん(77)は約10年前に受けたPSA検査と、その後の精密検査を後悔し続けている。きっかけは夏風邪。2~3週間たっても治らず、市販の風邪薬を飲むと尿が出なくなり、救急病院へ。そこで受けたPSA検査で「異常」と出た。

 この検査は、前立腺がんの可能性を調べる検診の一種で、……。国立がん研究センターによると、がんや炎症で前立腺の組織が壊れると、PSAと呼ばれる特異なたんぱく質(腫瘍マーカー)が血液中に漏れ出てくる。PSAの血中濃度が1ミリリットル当たり0~4ナノグラム(ナノは10億分の1)は正常だが、同4~10ナノグラムだと25~40%の割合でがんが見つかる。……。

 PSA検査の結果を知った工藤さんは、前立腺12カ所に針を刺し、組織を採って調べる精密検査(針生検)を受けた。すると、1カ所からがん細胞が見つかり、医師から手術か放射線治療、PSAの値を定期的に調べる監視療法のいずれかを勧められた。「手術を選んだ友人が尿漏れに苦しんでいる」「前立腺がんは成長が遅い」ことを思い出し、工藤さんは結局、監視療法を選んだ。

 その後、少しずつPSAの値が上昇し、腰痛にも悩まされるように。「前立腺がんは骨に転移しやすい」と聞いたため、病院で磁気共鳴画像化装置(MRI)を使用した画像検査を繰り返し受けたが、がんは前立腺にとどまったまま。工藤さんは「結局、尿が出なくなったのもがんと関係がなかった。高齢者は早期にがんを発見して心配するよりも、知らずに過ごした方が精神的に健康だ」と話す。

早期の発見には有用
 PSA検査は、複数ある腫瘍マーカーのうち、「前立腺がんを早期発見するのに最も有用」(同センター)という。日本泌尿器科学会はガイドライン(指針)で、50代から受けるよう勧めている。学会の代議員で、黒沢病院(群馬県高崎市)の伊藤一人院長は「検査で前立腺がんの死亡率が下がったというデータもあり、一度は受けておくべきだ」と強調する。……。

 一方、問題は、早期発見による利益と不利益のバランスだ。米国予防医学専門委員会によると、55歳以上で自覚症状のない1000人がPSA検査を受けた場合、異常値となった240人のうち精密検査で100人にがんが見つかるが、前立腺がんによる死亡を避けられるのは1~2人。60人以上は……医療行為などによって、尿失禁や勃起不全の合併症を経験する。前立腺がんは進行が比較的遅く、寿命に影響しないことも多い……不利益が利益を上回るケースもある。

 過剰医療をなくそうと70以上もの専門学会が参加している米国のキャンペーン「Choosing Wisely」(賢い選択)でも、米国泌尿器科学会が「リスクについて医師と話し合った後に検査を検討すべきで、日常的に受けるべきではない」と呼び掛けている。米国ではPSA検査について、医師と患者が対等に話し合い、結果についての責任も両者が負う「シェアード・ディシジョン・メイキング」という考え方が浸透している。大阪大の祖父江友孝教授(がん疫学)は「一般的に検診を肯定的に捉える風潮が強いが、検査を受けることで発生する不利益も考えてほしい」と話す。

 日本でも厚生労働省の研究班がまとめた指針によると、個人の判断で受診することは妨げないものの、市区町村が行うがん検診への導入は勧められないという。がん検診の最も重要な点は、検査によってそのがんによる死亡率を下げることだが、国立がん研究センター検診研究部の中山富雄部長は「PSA検査には『下げる』と『下げない』と両方のデータがあるため証拠が不十分で、現時点で結論が出せない」と指摘する。

 8割超の市区町村がPSA検査を導入している中で、熊本市や東京都八王子市のように厚労省研究班の指針を順守し、PSA検査を提供していない自治体もある。大阪府は府内の市町村に対し、指針に基づく検診だけを実施するよう通知することも検討している。

多い選択肢 十分理解を
 利益と不利益をきちんと理解してからPSA検査を受けるべきか判断すべきだが、検査して「異常」となった場合にはどんな精密検査や治療が必要になるのか。

 がんかどうか確定するには精密検査の針生検が必要だが、年齢や前立腺の大きさ、MRIの画像検査の結果次第で針生検を一度中止し、半年から1年後にPSA検査を再び行ってから決めることもできる。……。

 治療としては、がんの転移があれば、薬剤で男性ホルモンを下げてがん細胞の増殖を抑える。一方、がんが前立腺内にとどまっている場合は、▽手術▽放射線▽監視療法--の3種。ただ、手術でがんを取り除こうとすると、前立腺周辺の神経や括約筋にダメージが加わり、……。放射線治療でも、排尿困難や頻尿、血尿、便秘の症状が出る可能性もある。

 監視療法は、がんが前立腺内にとどまり、PSAの値も血中濃度が1ミリリットル当たり10ナノグラム未満といった低リスクの患者に対して行われ、3カ月ごとにPSA検査を、1年後に針生検を受け、がんの進行を見極めていく。しかし、針生検にも感染症や排尿障害が出る恐れがある。

 国立病院機構大阪医療センター泌尿器科の西村健作科長は「前立腺がんは治療の選択肢が多岐にわたるため、長所と短所を説明するのに十分な診療時間が必要だ。患者は3種の治療内容と有効性、合併症などを偏りなく理解したうえで、納得できる治療を選んでほしい」と話した。

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見えてきた排尿障害の仕組み

過去にたくさんの排尿障害の仕組みを考察してきました。
検査所見の存在に対して、疑問点が常にありました。排尿障害の患者さんには、男女問わず、膀胱出口が硬く盛り上がっていました。その理由については、排尿障害のために膀胱出口が排尿時に振動するので、次第に膀胱出口が盛り上がると考えていました。でも実際に、内視鏡手術の際に膀胱出口を切開・切除すると、そこは必ず平滑筋組織です。もしも振動エネルギーで盛り上がっているのであれば、線維組織のはずです。つまり、盛り上がった膀胱出口の組織は、膀胱括約筋の二次的な姿なのです。排尿障害の患者さんの膀胱括約筋は、必ずマッチョなのです。

マッチョになるためには、振動エネルギーではなく、筋トレによるものだと考えられます。筋トレ?……膀胱括約筋の筋トレ相手は、排尿時に収縮する膀胱出口周囲の縦走筋です。つまり何らかの理由で、排尿時に膀胱括約筋が柔らかく弛緩しないので、縦走筋に引っ張られる際に鍛えられたのでしょう。

そう考えると、α1-ブロッカーであるユリーフやハルナールなどの即効性の理由が理解できます。α1-ブロッカーは、前立腺や尿道の緊張を緩めるのではなく、膀胱括約筋=内尿道括約筋の緊張を緩めるので、膀胱出口が開きやすくなるのです。
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膀胱の構造は、大きく分けて膀胱体部、膀胱三角部、膀胱出口(膀胱頸部)に分けられます。筋肉の観点から見ると、膀胱体部は二層構造で、内側が輪状筋、外側が縦走筋です。輪状筋は、膀胱の横方向の直径を小さくするように収縮させます。縦走筋は膀胱の外側に存在し、膀胱の天辺の部分が膀胱出口に向かうように収縮させます。この2つの筋肉の働きで、膀胱は膨らんだり縮んだりするのです。膀胱出口は複雑で、膀胱出口ギリギリまで輪状筋と縦走筋が到達し、その内側に膀胱括約筋=内尿道括約筋が位置します。先ほど説明したように、排尿障害のある人は、膀胱出口周囲の膀胱括約筋が発達・肥厚しています。これは、縦走筋と膀胱括約筋の排尿時の動きがシンクロせずに、逆にバランスが悪く、縦走筋が収縮する時に膀胱括約筋が緩まないで対抗している証拠です。

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この画像は、3Dエコー検査で観察した膀胱出口の所見です。
見て分かるように、膀胱出口を中心とした同心円状ではありません。
これを分かりやすく説明したのが、次のイラストです。

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イラストで見えるように、輪状筋は、膀胱三角部を挟んでブーメランの様な形をしています。
何故この様な形状をしているかは、それなりの理由があります。
発生段階で、尿管の原基を囲むように輪状筋が発達したからです。そして、尿管の原基から膀胱三角部が形成したのです。

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3Dエコー画像を元に、下部尿路の基本的構造を左のイラスト側面像で示しました。
膀胱出口周囲に存在する赤い部分が、どちらも膀胱括約筋です。膀胱内側の肌色の部分が輪状筋で、外側の空色の部分が縦走筋です。

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健常であれば、右のイラストで示すように排尿時に、両方の膀胱括約筋が緩んで、縦方向に収縮した縦走筋の意のままに膀胱出口は開き、オシッコがスムーズに出るのです。

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排尿障害の患者さんは、どう言う訳か膀胱三角部も含め、排尿時に弛緩しないでギューっと収縮します。縦走筋が収縮して膀胱出口を開こうとしても十分に開かないのです。
この経過が長期間に渡ると、膀胱括約筋が縦走筋と筋トレしていることになり、イラストのように次第にマッチョになります。排尿障害の患者さんをエコー検査で観察すると、膀胱出口前部の膀胱括約筋と膀胱三角部の膀胱括約筋が厚くなり、膀胱側に突出しています。

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この膀胱括約筋の肥厚は、イラストで表現したように、まるで膀胱出口を鍵でロックした状態になるのです。
この状態が何十年も続けば、縦走筋や輪状筋は疲れ果てて、男女関係なく神経因性膀胱と診断されます。排尿時の圧力が前立腺を刺激して、前立腺肥大症になります。膀胱三角部が突出すると、中葉肥大型と判断される形状です。
排尿障害の患者さんの内視鏡手術の際には、この固くなった膀胱括約筋の切開・切除が重要になります。ところが、前立腺肥大症だと、「肥大症」とい言葉に翻弄されて前立腺しか手術しないので、手術後も排尿障害が続くのです。

以上のように排尿障害し続くと、何故に頻尿・残尿感・尿意切迫感などの症状が発現するのでしようか?実は、膀胱三角部の括約筋は、圧力センサーでもあるのです。通常は蓄尿で膀胱内圧が高まると、その圧力が膀胱三角部の圧力センサーを刺激して尿意を感じるのです。ところが、膀胱三角部が肥厚したために膀胱三角部の組織密度が高まり、膀胱内圧の反応閾値に関係なく、圧力センサーが過剰に反応してしまうのです。

治療としては、膀胱括約筋の緊張を緩めて上げれば良いのです。そのために、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーの処方です。ご婦人の場合は、エブランチルしか処方できません。
次に膀胱三角部に特異的に作用するベタニスなどのβ3刺激剤が有効になります。
また、膀胱内圧を下げることで、膀胱三角部の圧力センサーを二次的に刺激しないように、輪状筋の過敏性収縮を抑えることです。そのために、ベシケア・ステーブラ・トビエースなどの抗コリン剤が必要になります。


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α1-ブロッカーの速効性の理由#2

M3umecha実は、尿道括約筋の他に、膀胱括約筋と言う排尿に深く関わる括約筋が存在します。さらに、尿管の延長線上にある膀胱三角部が尿道括約筋近くまで延びています。この2つの括約筋と膀胱三角部の協同作業が排尿メカニズムの本質なのです。
尿道括約筋は、人の意思で動く骨格筋=横紋筋です。膀胱括約筋は、人の意思とは無関係の自律神経支配の内臓筋=平滑筋です。人がオシッコをしようと力むと、
①尿道括約筋(赤い大勢のヒト型モデル)が収縮して引っ張りながら開きます。
②次に、自律神経を介して、オートマチックに膀胱括約筋(白い二人のヒト型モデル)が収縮して膀胱出口が開くのです。
③尿道括約筋に膀胱三角部が引っ張られます。
④そして、
(イ)腹筋
(ロ)内臓の重さ
(ハ)膀胱の収縮
(ニ)膀胱内のオシッコの重さ
で尿が流れ出るのです。
この3つの筋肉の動きと4つの圧力でオシッコが出るのです。膀胱の力がないから、オシッコが出ないという神経因性膀胱の単純な診断にとても疑問を感じますよね?

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筋力の強さは、尿道括約筋>>>膀胱括約筋です。何故ならば、尿道括約筋は骨格筋で、膀胱括約筋は内臓の筋肉だからです。横紋筋・骨格筋は「赤い筋肉」で、マグロと同じです。平滑筋・内臓筋は「白い筋肉」でタイやヒラメと同じです。マグロの方が長時間力強く動けますが、タイやヒラメは短時間の動きしかできません、この状態が長期間続くと、中年以降に内臓の筋肉である膀胱括約筋(青いヒト型モデル)は疲れ果てます。そのため、排尿の際に膀胱括約筋の収縮力が弱くなり、上記の排尿メカニズムがスムーズに作用しなくなります。その結果、膀胱出口が開かずに、膀胱三角部・尿道・前立腺が引っ張られて尿道側にペコッと凹むように狭くなります。それが、中年以降の排尿障害になります。
排尿障害と診断されると、
①前立腺が大きいと「前立腺肥大症」
②前立腺が小さいと「神経因性膀胱・慢性前立腺炎」
③ご婦人だと、やはり「神経因性膀胱」、不定愁訴が強い「過活動膀胱・間質性膀胱炎」
と誤診されるのです。膀胱出口が狭まるので、排尿障害の患者さんの膀胱出口から流出した尿はジェット流になるので、尿道口から出る尿は、分裂したり散ったりします。

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α1-ブロッカー(ハルナール・ユリーフ・フリバス)を服用すると、前立腺・尿道・膀胱三角部の平滑筋の緊張が緩むために硬さが取れ、膀胱出口にかかる尿道括約筋のけん引力が低下して、膀胱出口が凹んで狭くならなくなります。また、前立腺の硬い被膜が尿道括約筋によって引っ張られるので、膀胱出口が逆に開きやすくなります。その結果、膀胱出口が間接的にある程度開くので、排尿がスムーズに流れ出るのです。

しかし、前立腺肥大症で前立腺の組織密度がきわめて高いと、いくらα1-ブロッカーを使用しても、前立腺の硬さは取れません。そうなると、この排尿メカニズムだけでは、オシッコがスムーズに出ません。

オシッコという普通、ヒトが誰も意識もしない生理現象を当たり前だと思うので、いい加減な病態生理で病気を治療するのです。もっと、基本にかえって分析するべきです。そうすれば、誤診されて苦しむ患者さんが少なくなります。
人間の身体の基本構造(解剖学的・生理学的)を詳細に考慮することで、病気の本質が見えてきます。

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α1-ブロッカーの速効性の理由#1

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前立腺肥大症で、頻尿や排尿困難の患者さんに、α1-ブロッカーを服用すると、数日で効果が出てきます。かなりの速効性です。

前立腺肥大症が排尿障害になる理由は、次の通りです。
前立腺肥大症で組織密度が高くなり硬くなった前立腺が、尿道を圧迫して排尿障害になるからです。さらに、前立腺内の平滑筋のα受容体を介して、交感神経の指示通りに緊張するので、前立腺がますます硬くなります。

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α1-ブロッカーを使って、α1受容体をブロックしますから、交感神経の指示が抑えられ平滑筋の緊張が軟らかくなります。そのため、尿道の圧迫が取れて尿が出やすくなるというものです。
しかし……です……前立腺が小さい患者さんで排尿障害の患者さんにも効果があります。さらに、ご婦人にα1-ブロッカーを服用していただくと、何と前立腺のないご婦人にも効果があるのです。

したがって、前立腺が軟らかくなったから、尿道が圧迫されないで、排尿がスムーズになると言うのは、ある意味で「いい加減」な理論です。目に見えない現象を発想の貧弱な専門家が、自分たちが想定した動物実験や臨床治験で得られた結果を公表して、自分たちの理論が、あたかも真実かのごとく思い込んでいるのでしよう。

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では、既存の排尿のメカニズムを解説しましよう。
一般的に考えられている排尿のメカニズムは、イラストのように①尿道括約筋が開く②膀胱が収縮する③膀胱出口が二次的に開く④尿が流れ出る、とされています。尿道括約筋は、通常は尿が漏れないようにしまっていて、排尿時に開いて、膀胱の圧力で膀胱出口が開くいて排尿すると思われています。
この理論が、誰が見ても一見正しいと思われるのが、病気の本質が見えてこなくなる原因です。しかし、こんなにも単純なメカニズムでオシッコが本当に出るでしょうか?尿道括約筋が開くだけで、こんなにも簡単に前立腺と膀胱出口が開いてくれるでしょうか?
この理論が正しければ、
①前立腺が小さい患者さんで排尿障害で苦しんでいる患者さんは、膀胱の力が弱くなった神経因性膀胱と診断されます。
②ご婦人でも、排尿障害の患者さんは、やはり神経因性膀胱と診断されます。
でも、α1-ブロッカーを服用していただくと、膀胱の力が戻る訳でもないのに排尿障害は改善します。
また、前立腺肥大症がとても大きな患者さんでも、排尿障害のまったくない人もいます。この理論では、説明ができません。

続く……。

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PSA検査の大いなる誤解と弊害

間寛平さんの出演する前立腺癌早期発見キャンペーンをテレビ・コマーシャルでよく見ることがあります。
PSA検査で前立腺癌を早期発見しようというキャンペーンです。年間43000人が前立腺癌になるという恐ろしい内容です。
依然、このブログで、PSA検査を発見した研究者の最近の思いを掲載しました。(ニューヨーク・タイムズの記事)ここにその直訳を載せましょう。

Published: March 9, 2010
Tucson
発行日: 2010年3月9日ツーソン

EACH year some 30 million American men undergo testing for prostate-specific antigen, an enzyme made by the prostate. Approved by the Food and Drug Administration in 1994, the P.S.A. test is the most commonly used tool for detecting prostate cancer.
『毎年約3000万人のアメリカ人の男性が、前立腺特異抗原PSA(前立腺によって作られる酵素)の検査を受けています。1994年に食品医薬品局によって承認されたPSA検査は、前立腺癌検査の最も一般的に使用される検査法です。』

The test’s popularity has led to a hugely expensive public health disaster. It’s an issue I am painfully familiar with — I discovered P.S.A. in 1970. As Congress searches for ways to cut costs in our health care system, a significant savings could come from changing the way the antigen is used to screen for prostate cancer.
『このPSA検査の流行は、高額な経費かけた国民の健康被害に発展しました。 この問題は、私にとって切ないほど馴染みのある問題です。なぜなら、1970年に私がPSAを発見したからです。 議会が国民のヘルス・ケア・システムでコストを削減する手立てを模索している時に、抗原が前立腺癌のスクリーニング検査として使用される方法に変えることで、かなりの節約になりました。』

Americans spend an enormous amount testing for prostate cancer. The annual bill for P.S.A. screening is at least $3 billion, with much of it paid for by Medicare and the Veterans Administration.
『アメリカ人は前立腺癌の検査に巨額の費用を負担しています。 PSAスクリーニング検査のため、毎年の請求額は少なくとも30億ドル(2400億円)です。それらの多くが老人医療健康保険制度と復員軍人援護局によって支払われています。』

Prostate cancer may get a lot of press, but consider the numbers: American men have a 16 percent lifetime chance of receiving a diagnosis of prostate cancer, but only a 3 percent chance of dying from it. That’s because the majority of prostate cancers grow slowly. In other words, men lucky enough to reach old age are much more likely to die with prostate cancer than to die of it.
『前立腺癌と聞けば多くの重圧を感じるかもしれませんが(あるいは、前立腺癌と知れば多くの記事や評判になるかも知れませんが)、次の数字を考えてみてください。 アメリカ人の男性が、生涯に前立腺癌の診断を受ける可能性は16パーセントです、しかし、前立腺癌で死亡というのは、わずか3パーセントしかありません。 それは前立腺癌の大部分の成長が遅いからです。 言い換えれば、幸運にも高齢者になった男性は、前立腺癌が原因で亡くなるよりも、前立腺癌を持って亡くなる人の方がはるかに多いのです。』

Even then, the test is hardly more effective than a coin toss. As I’ve been trying to make clear for many years now, P.S.A. testing can’t detect prostate cancer and, more important, it can’t distinguish between the two types of prostate cancer — the one that will kill you and the one that won’t.
『その時でさえ、この検査はコイン占い(コイントス)より無意味です。 私が、今まで何年間も明らかにしようとして出来なかったことは、PSA検査で前立腺癌を検出できないこと、さらに重要なことは、それが2つのタイプ、つまり死亡原因になる癌か天寿を全うできる癌かを見分けることができないということでした。』

Instead, the test simply reveals how much of the prostate antigen a man has in his blood. Infections, over-the-counter drugs like ibuprofen, and benign swelling of the prostate can all elevate a man’s P.S.A. levels, but none of these factors signals cancer. Men with low readings might still harbor dangerous cancers, while those with high readings might be completely healthy.
『代わりに、この検査は、男性の血中前立腺抗原がどのくらい持っているかが単に分かるだけです。 感染症、イブプロフェンのような市販薬、および前立腺肥大症はすべて、男性PSAレベルを上げます。しかし、これらの要素のいずれも癌ではありません。 PSA値が低いと判定された場合でも、前立腺癌を完全否定することはできませんが、一方で、高いと判定された場合でも、健常者とされる場合もあります。』

In approving the procedure, the Food and Drug Administration relied heavily on a study that showed testing could detect 3.8 percent of prostate cancers, which was a better rate than the standard method, a digital rectal exam.
『承認手続きの際に、食品医薬品局は、一般的な検査法である直腸触診に比べ前立腺癌発見率が良いとして、3.8パーセントの前立腺癌を検出できたPSA検査研究を大いに根拠としました。』

Still, 3.8 percent is a small number. Nevertheless, especially in the early days of screening, men with a reading over four nanograms per milliliter were sent for painful prostate biopsies. If the biopsy showed any signs of cancer, the patient was almost always pushed into surgery, intensive radiation or other damaging treatments.
『それでも、3.8パーセントは少ない数です。 それにもかかわらず、特に初期のスクリーニングでは、PSA値4ナノグラム/mL以上の男性を苦痛な前立腺生検へとしました。 生検で何か癌の兆候を見つけたら、ほとんどいつも外科的治療や積極的な放射または他のダメージが大きい治療に患者さんは追い込まれました。』

The medical community is slowly turning against P.S.A. screening. Last year, The New England Journal of Medicine published results from the two largest studies of the screening procedure, one in Europe and one in the United States. The results from the American study show that over a period of 7 to 10 years, screening did not reduce the death rate in men 55 and over.
『医学界はPSAスクリーニングに対してゆっくりと方向転換しています。 昨年、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、スクリーニング方法について2つの大規模研究を報告しました。1つはヨーロッパ、もう1つは合衆国の研究です。 アメリカの研究結果からは、7年~10年の期間にわたっての研究で、PSAスクリーニング検査は55歳以上の男性の前立腺癌死亡率を低下させることはなかったという報告です。』

The European study showed a small decline in death rates, but also found that 48 men would need to be treated to save one life. That’s 47 men who, in all likelihood, can no longer function sexually or stay out of the bathroom for long.
『もう一つのヨーロッパの研究では、死亡率のわずかな減少を示しましたが、48人もの男性のスクリーニング検査で、治療が必要な人をたった1人しか見つけるにすぎませんでした。 残りの47人の男性は、ほとんど性的機能が廃絶しているか、入浴できないような人たちでした。』

Numerous early screening proponents, including Thomas Stamey, a well-known Stanford University urologist, have come out against routine testing; last month, the American Cancer Society urged more caution in using the test. The American College of Preventive Medicine also concluded that there was insufficient evidence to recommend routine screening.
Thomas Stamey、『ご存知スタンフォード大学泌尿器科医、を含む多数の早期スクリーニング提案者たちは、定期PSA検査に反対しました。 先月、アメリカ癌協会はPSA検査を行う際に、さらに多くの注意を喚起しました。 また、American College of Preventive Medicine は、定期検査を推薦するには根拠が不十分であったと結論を下しました。』

So why is it still used? Because drug companies continue peddling the tests and advocacy groups push “prostate cancer awareness” by encouraging men to get screened. Shamefully, the American Urological Association still recommends screening, while the National Cancer Institute is vague on the issue, stating that the evidence is unclear.
『さて、PSA検査はなぜまだ続けられているのでしょうか? 製薬会社が、PSA検査を売り続けていることと、圧力団体が、男性はスクリーニング検査を受けるように「前立腺癌の啓蒙」を押しているからです。 恥ずかしくも、アメリカ泌尿器科学会は、スクリーニング検査をまだ勧めています。一方、国立ガン研究所はこの問題に関してあいまいな立場ですが、証拠が不明瞭と述べています。』

The federal panel empowered to evaluate cancer screening tests, the Preventive Services Task Force, recently recommended against P.S.A. screening for men aged 75 or older. But the group has still not made a recommendation either way for younger men.
『癌検診を評価するのに権限を与えられた連邦委員会(Preventive Services Task Force)は、最近、75歳以上の男性に対してPSAスクーリング検査を推薦しました。 しかし、委員会は、75歳未満の男性に対していずれにせよ勧告はしませんでした。』

Prostate-specific antigen testing does have a place. After treatment for prostate cancer, for instance, a rapidly rising score indicates a return of the disease. And men with a family history of prostate cancer should probably get tested regularly. If their score starts skyrocketing, it could mean cancer.
『前立腺特異抗原テスト(PSA)は今でも一定のポジジョンを占めているのも事実です。 例えば、前立腺癌治療後に、急速に上昇するPSA値は、病気の再燃を示します。また、前立腺癌の家系がある男性は定期的にPSA検査されるでしょう。 PSA値が急峻に上昇し始めるなら、それは癌を意味します。』

But these uses are limited. Testing should absolutely not be deployed to screen the entire population of men over the age of 50, the outcome pushed by those who stand to profit.
『しかし、これらの用途は限定的です。 50歳以上のすべての男性をスクリーニングするためにPSA検査を絶対に実施すべきではありません。PSA検査は利益追求側に立った人々によってごり押しされた代物です。』

I never dreamed that my discovery four decades ago would lead to such a profit-driven public health disaster. The medical community must confront reality and stop the inappropriate use of P.S.A. screening. Doing so would save billions of dollars and rescue millions of men from unnecessary, debilitating treatments.
『40年前の私の発見が、このような利益主導の国民健康災害につながるとは夢にも思いませんでした。 医学界は、現実に立ち向かって、PSAスクリーニングという誤りを止めなければなりません。 そうすることで、何十億ドルの節約と数百万の男性を不要で有害な治療から救出することがきっと出来るでしょう。』

【原文】

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グリソンスコア5+5=10のラテント癌

今回、ご紹介するのは、PSA値が高く心配になり、平成29年6月に来院した72歳の男性患者さんです。
平成28年にPSA値が5以上になり、診療所や大学病院で前立腺針生検をすすめられました。当院初診時には、超音波エコー検査でも触診でも、前立腺癌の所見は認められませんでした。

夜間頻尿(2回~6回)があり、超音波エコー検査で前立腺結石と膀胱三角部の肥厚を認めたので、排尿障害によるPSA値上昇と判断したのでした。
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その後も超音波エコー検査と触診を2回実施しましたが、前立腺癌の所見は得られませんでした。
その間、PSA検査を受け、その値が11を超えることもあり、患者さんは悩みました。また、周囲の友人のアドバイスも受け、私に内緒で、某がんセンターで前立腺針生検を受けてしまったのです。その結果、12本中2本に前立腺癌が発見されてしまいました。それもグリソンスコア5+5=10の悪性度の一番高い前立腺癌でした。
エコー検査や触診で確認できなくて、針生検で12本中2本ですから、ステージⅠのラテント癌ということです。問題なのは、悪性度の高いグリソンスコア10の前立腺癌を針生検で刺激してしまったことにあります。患者さんは、急いで当院を受診して今後の方針を相談に来られました。半ば後悔をしているようです。
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先ず、針生検した病院での治療方針が決まるまで、骨シンチ、MRI検査の結果待ちで3週間ほどありました。主治医は何も考えずに、計画を立てて待っています。
その間に針生検による傷害を治すために、体内の免疫・炎症システムが活発になります。結果、免疫細胞に傷付いた癌細胞は、マクロファージに貪食されるか、別の場所に運ばれてしまいます。

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能力の高い前立腺癌細胞が、自分たちの受けている状況を何もせずに傍観している訳がありません。癌細胞にとって、出来ることは、細胞分裂しかありません。癌細胞が細胞分裂をすればするほど悪性度が増すのです。癌細胞は通常3〜6週間に1回バラバラに分裂しますから、放置できません。
治療方針が決まるまで、エストラサイトを週1回1カプセルの低容量を服用してもらいました。その後、重粒子線治療を決めたのですが、人気で混んでいるため9月に開始することになりました。それまで、エストラサイトを続けて服用していただきました。

今回の記事は、この患者さんからのご希望で掲載しました。いろいろな体験をされる患者さんがおられます。記事を参考にベストの選択をされてください。


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泌尿器科の医師は、排尿障害と言う基本概念に戻れ!

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①前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSAが高くなる原因のほとんどが、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症による排尿障害が原因です。500人中の88%、440人が排尿障害でPSAが高い患者さんでした。

②慢性前立腺炎の患者さんも調べると、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症などの患者さんが自覚しない「隠れ排尿障害」が認められ、排尿障害の治療を行うと症状は軽快します。

③間質性膀胱炎や過活動膀胱の女性患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、症状は軽快します。

④陰部がかゆくなる陰嚢掻痒症・陰部掻痒症・陰門掻痒症(肛門のかゆみ)などの患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、かゆみは軽快します。

⑤原因不明の坐骨神経痛の患者さんの中にも、一定の割合で、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、痛みが軽快します。

⑥神経因性膀胱は、膀胱に力が無くなったから排尿できないと、一般的に考えられます。しかし、なぜ突然に神経因性膀胱になるのかという議論はなされません。長年かけて膀胱出口が十分に開放されないために、疲労・疲弊してしまった膀胱を「神経因性膀胱」と診断しているだけです。ダメになった膀胱を検査結果で、幾つにも分類しても、患者さんを治すことができませんから、全く意味がありません。隠れ排尿障害であったために、患者さんは排尿障害を自覚していません。しかし、膀胱は次第に疲れて、ある日突然に排尿障害を自覚して、それが神経因性膀胱と診断されるのです。

病気の原因をおろそかにして、目に見える症状だけに振り回されている医師は、素人同然です。長い年月をかけて得た知識と経験を利用して、患者さんの病気し本質を見つけようではありませんか!


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膀胱出口閉塞症・症候群と言う考え方

アメリカには膀胱出口閉塞症と言う考え方がありますが、具体的に明確な定義がありません。日本では、膀胱に関する病気がたくさんあります。膀胱の病気には、アレルギー性膀胱炎・細菌性急性膀胱炎・慢性膀胱炎・心因性頻尿・過活動膀胱・膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・うっ血性骨盤疼痛症候群・慢性骨盤内疼痛症候群・神経因性膀胱などです。ところが、すべての病気が原因不明です。
この中で、ハッキリした原因があるのはアレルギー性膀胱炎と細菌性急性膀胱炎の2つだけです。この2つ以外の病気の原因は、とてもいい加減です。

①慢性膀胱炎:
陰部を不潔にしている、お尻を拭く時に後ろから前に拭くので不潔になる、などの理由で膀胱炎になるとされる。患者さんが一生懸命に陰部を清潔にしても治らない。
②心因性頻尿:
ストレスなどで神経が過敏なった結果、頻尿になる。
③過活動膀胱:
原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁の総合的病名。
④膀胱疼痛症:
原因不明の膀胱を中心とする痛みの病気。他の膀胱の病気に併発することがある。
⑤間質性膀胱炎:
極端な頻尿と痛みを伴う病気である。アレルギーと思われている。膀胱粘膜の所見で確定診断をする。
⑥うっ血性骨盤疼痛症候群:
ご婦人の原因不明の下半身疼痛を示す病名。うっ血所見(静脈血の低下・静脈瘤)があります。
⑦慢性骨盤内疼痛症候群:
慢性前立腺炎の別名。
⑧神経因性膀胱:
膀胱に力がなくなったからオシッコが出ない・・・その理由は不明。

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これらの患者さんを調べると、多かれ少なかれ、排尿障害が隠れています。ところが、極端な排尿障害ではないので、診察している医師が重要視せずに無視するので、結果、原因不明になるのです。その根源は、排尿の仕組みを正確に理解していないからです。尿道括約筋が開くから、連動して(白い破線矢印⇕)膀胱出口が自動的に開いて排尿すると思っているのです。生身の生体の扉が、そんな単純な仕組みで出来ていると思う方がおかしいでしょう。

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尿道括約筋は開くのではなく、引っ張っている(けん引)のです。特に膀胱三角部が尿道括約筋のギリギリ手前まで伸びていますから、前後方向に開きます。同時、に膀胱括約筋が収縮することで、膀胱出口がロート状に開くので尿がスムーズに出るのです。

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膀胱括約筋は内臓の筋肉=平滑筋です。尿道括約筋は体を動かすための骨格筋=横紋筋です。
力強さは、横紋筋>>>平滑筋ですから、年齢を重ねる毎に平滑筋=膀胱括約筋は疲労困憊して十分に収縮できなくなります。すると、力強い横紋筋=尿道括約筋だけが頑張るので、イラストの如く、膀胱出口が逆に狭くなり(ガチン)、オシッコが出にくくなるのです。

その状態が、繰り返し繰返し、長期間に渡って繰り返されると、膀胱出口は硬くなります。また、膀胱三角部もその振動で硬くなります。組織が硬くなると言う事は異常現象ですから、情報収集のためにセンサーが生まれ、脊髄神経回路と密接の繋がります。これがすべての病気の症状出現と結びつくのです。
膀胱三角部が過敏になれば、頻尿・残尿感・尿意切迫感・尿失禁になります。それぞれの症状の程度と組合せにより、慢性膀胱炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎と診断されるのです。
膀胱三角部と連結している脊髄神経回路がバージョン・アップすると痛み症状が強くなり、膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・慢性前立腺炎,慢性骨盤疼痛症候群と診断されるのです。
膀胱出口の硬さが増して、膀胱全体が疲弊すると、神経因性膀胱と診断されるのです。神経因性膀胱の専門医は、ダメになった膀胱をいろいろな検査で分類分けするのです。ダメになった理由を追求しないで、……「神経がダメになったのだから、治せませんね。」と、安易な診断をするのです。本当に無能です。
このように考えれば、極端なオシッコの出の悪さを自覚しなくても、病気が作られるのは理解できるでしよう。


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イギリスから訪れたご夫婦

イギリスの健康診断でPSA値が高く、主治医から針生検を強いられて悩むご主人を見て、奥さまがインターネット検索で、私の書いているブログをお読みになりました。私の意見に共感し、日本に来る予定があったので、ご夫婦で高橋クリニックにお越しになりました。奥さまは、私のブログをお読みになっているので、積極的ですが、ご主人は連れて来られたという印象で、落ちつかない様子です。

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前立腺の大きさは32cc(正常20cc)で少し大きめです。また、膀胱出口が膀胱側に突き出ています(白い矢印↖️)。本来の前立腺と膀胱の境界線は点線のラインです。この形態から、排尿障害が強いと考えられます。
触診では、典型的な前立腺肥大症の硬さで、左右差がありません。前立腺ガンの固い硬結も触れませんから、前立腺ガンの心配はありません。

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結局、排尿障害が強く、さらに前立腺肥大症もあるために、排尿時の強い圧力(青い矢印⬇︎)がスムーズに尿道を通過しません。そのため、圧力⬇︎はすべて前立腺にかかります。前立腺は【PSA】というタンパク分解酵素を貯蔵している臓器でもありますから、その圧迫でイラストの如くPSAが漏出して、血液検査でPSA値が高いと判断されるのです。

触診と超音波エコー検査で前立腺ガンが確認できなければ、前立腺ガンが存在しないか、あるいは最悪ステージⅠと判断できます。もしも、ステージⅠだとしても、5年生存率は癌でない人と比べても同じなのです。また、ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの5年生存率も同じですから、触診とエコー検査で確認できてから治療しても遅くはありません。様子をみることにしました。
1年後に再検査することにしました。奥さま!ご理解いただけましたか?

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PSA値141で悩む患者さん

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健診の血液検査で、PSA値が何と141も高かかったので、医療関係者の娘さんとご一緒に60歳代の患者さんが心配そうな面持ちで来院されました。
エコー検査の所見は、写真で示すように、前立腺の外腺に相当な体積(3.44㏄)で前立腺ガンを確認できます。赤い矢印➡が前立腺ガンで青い矢印➡が精嚢腺です。
触診でも右葉〜中央にかけて硬結が触れます。間違いなく前立腺ガンです。触診の硬さからすると、グリソンスコア7〜8でしよう。

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患者さんは、針生検は受けたくないが、手術か放射線治療を選択したいという雰囲気です。しかし、針生検を受けないと、希望する治療法は選べません。私が唱える、「針生検が逆に前立腺ガンに火をつけて、悪性度が増すかもしれない」という理論にも納得しているので、決断がつかないのです。
グラフで示すように、前立腺針生検直後から悪性度の高い前立腺ガンの患者さんの生存率は極端に低下します。前立腺針生検するまでに、隠れていた悪性度の高い患者さんがすでに多く亡くなっていあたというデータはありません。どう考えても前立腺針生検が引き金になっていたのでしょう。

そこで、患者さんに提案をしました。針生検の2日前と前日の2日間だけエストラサイト(女性ホルモン+抗ガン剤)を1カプセル服用して、針生検によるガンの興奮を一時的に抑えること。術後、毎週1回1カプセル服用して、その後のガンの興奮を抑え込もうというものです。患者さんは、私の提案を承諾して頂けました。


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陰部の痛みを「歳のせい・気のせい」と言われ高齢者

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以前からオシッコが近い70歳過ぎのご高齢の患者さんです。ご家族3人でお越しになりました。
昨年の夏頃から陰部がピリピリ痛くて仕方がありません。そこで、診療所や病院を3軒受診しましたが、前立腺肥大症の診断で、ハルナールとセルニルトンを処方されましたが、症状は改善しません。
最近では、肛門まで痛くなり、肛門科を受診しましたが、いぼ痔があるだけで、特に問題なしと診断されたのです。
泌尿器科の医師は、「歳のせい・気のせい」とまで言われてしまいました。
早速、超音波エコー検査を行いました。この写真だけでは分かりにくいので、下にコメントを記しました。

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すぐに分かることは、膀胱括約筋ふが四方に分裂していることです。これは、排尿障害によって、膀胱括約筋に物理的負荷がかかった結果です。そのため、膀胱三角部が厚くなり、膀胱刺激症状がいくつも作られても不思議ではありません。陰部のピリピリ感も肛門の痛みも膀胱刺激症状の一つと考えられます。
前立腺も大きさは31㏄と若干大きいだけです。治療薬としては、
①ユリーフ
排尿障害を改善させるため
②アボルブ
前立腺を柔らかくすることで、前立腺から膀胱三角部への緊張がゆるませるため
③ベタニス
膀胱三角部の緊張をゆるませるため

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膀胱括約筋の変形

排尿時に、尿道括約筋が尿道側にけん引されます。その際に膀胱括約筋が収縮することによって、膀胱出口がロート状に開くことで、排尿します。
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この膀胱括約筋と尿道括約筋の連携が円滑にできないと、排尿障害になります。尿道括約筋は、ヒトの意志で収縮しますが、膀胱括約筋は自律神経の働きで、ヒトの意志ではコントロールできません。排尿障害の患者さんは、長年に渡って、膀胱括約筋の断端が、尿道括約筋によってけん引され続けるので、断端が変形します。今回、その変形した症例をいくつかご紹介しましょう。

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まずは、ほぼ正常な膀胱括約筋の姿です。正常であれば、膀胱括約筋の方向は一方向に向かっています。その方向は、膀胱出口です。膀胱括約筋によって膀胱出口が開けば、尿道括約筋のけん引力は、膀胱出口だけにかかるので、膀胱括約筋には影響は及びません。実は、50歳代の頃の私の膀胱括約筋の姿です。

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60歳代患者さんの膀胱括約筋の拡大写真です。
膀胱括約筋の末端の方向が2つに分かれています。
下の方向に分かれている部分は、尿道括約筋によって力強くけん引された結果です。

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30歳代患者さんのエコー検査所見です。
排尿障害が原因の慢性前立腺炎症状で苦しまれています。
やはり、膀胱括約筋が2方向に分かれています。

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70歳代患者さんです。
過去に前立腺肥大症の内視鏡手術を受けています。ところが、手術の後も、頻尿や痛みが治りません。
エコー検査の所見では、前立腺は削り取られていますが、膀胱三角部が手つかずで残っているので、症状がなくならないのです。
膀胱括約筋も2方向に分裂しています。

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この患者さんの膀胱括約筋は、実に大きく分裂しています。
長年かかって、繰り返し膀胱括約筋に物理的負担がかかると、こんなにも大きく開いてしまうのです。

排尿障害の患者さんが、皆んながみんな膀胱括約筋が変形している訳ではありません。多くの患者さんに認められます。2方向性の分裂所見のない患者さんの場合は、膀胱括約筋の方向が膀胱出口に向かずに、尿道括約筋の方向に向くことになります。いわゆる偏向型です。ご婦人の排尿障害の患者さんの場合は、ほとんどが分裂型ではなく、この偏向型が多いのです。

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平滑筋のスイッチ

前立腺肥大症・慢性前立腺炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎などの治療に使用される薬剤のほとんどが、平滑筋に影響する薬理作用を持っています。
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平滑筋は、すべての内臓を構成する筋肉です。体を動かす時に使う筋肉は骨格筋(横紋筋)です。内臓の筋肉とはいえ、筋肉ですから、収縮と弛緩を繰り返します。収縮=緊張、弛緩=リラックスの状態です。その動きの典型的なものが胃や大腸の蠕動運動です。これらの動きは、骨格筋に比べてとても複雑です。その理由は、たくさんの平滑筋細胞がお互い密接に連絡しあって情報交換をしているからです。一部の平滑筋は自律神経(交感神経・副交感神経)と連絡しており、そこから得た情報を隣接する平滑筋に次々と伝達するのです。まるで、伝言ゲームのようです。

自律神経に関わらないのが、一酸化窒素NOです。一酸化窒素が平滑筋にそばに存在すると、受容体を介さないで無条件で平滑筋内に侵入します。一酸化窒素は、平滑筋をリラックスさせる作用があるのですが、平滑筋の中で、直ぐに消滅してしまいます。
何の受容体かは不明ですが、大豆イソフラボンの受容体、正露丸の受容体、タガメットがブロックする受容体(H2レセプター)なども、長年の臨床経験上ある筈です。

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交感神経に反応するのが、膀胱・前立腺の平滑筋のα₁−受容体、β₃−受容体です。
副交感神経に反応するのが、平滑筋のM−受容体です。
交感神経が興奮すると、膀胱出口・前立腺にあるα₁−受容体を刺激し、オシッコを出にくくします。さらに、膀胱三角部にあるβ₃−受容体を刺激し、尿を我慢させます。受容体は平滑筋に変化を促す【スイッチ=受容体】です。逆に副交感神経が興奮すると、膀胱体部の平滑筋にあるM−受容体を刺激して膀胱を収縮させます。

この仕組みを考慮して病気の治療を考えると、次のようです。
排尿障害が病気の原因ですから、膀胱出口・前立腺をリラックスさせるために、α₁−受容体をブロックするクスリとして、ユリーフ・ハルナール・フリバスを使用するのです。
また、膀胱三角部をリラックスさせるために、β₃−受容体刺激剤のベタニスを使用するのです。
さらに、膀胱体部をリラックスさせるために、M−受容体をブロックするクスリとして、ベシケア・ステーブラ・ウリトス・トビエースを使用します。
ただし、平滑筋の数々の受容体の分布は、患者さんの膀胱や前立腺の位置によって異なるので、その組合せの影響で、とても効くヒトもいれば、まったく効かないヒトもいます。

平滑筋の緊張をリラックスさせることで、膀胱や前立腺の過敏な症状が軽減できるのかと言えば、平滑筋は筋肉としての動力装置でもありますが、実はセンサー・感覚器でもあるのです。

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レーザー光線手術をしたのに、頻尿・傷みが治らない患者さん

70歳代の男性患者さんがご夫婦で来院されました。
2年前から恥骨部分が痛くて仕方がないそうです。5年前に尿閉を繰り返したので、レーザーを使った前立腺肥大症の手術を行いました。
しかし、手術後も頻尿は改善せずに、毎日15回の頻尿と、夜間2回の頻尿です。さらに、恥骨の痛みが加わり、患者さんは苦しみ悩んでいるのです。
複数の病院を受診して、CT検査などの精密検査をしたにもかかわらず治らないので、精神科にも受診させられました。
娘さんが、インターネットで高橋クリニックを見つけて来院しました。
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早速、超音波エコー検査をおこなうと、写真のような所見です。
これをご覧になっただけでは、ハッキリ分からないでしょう。
そこで、説明を加えたのが、次の写真です。

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黒く見える大部分が尿の見えるところです。
レーザー光線で手術を行い、切除された部分が三角形線で示す部分です。
口を開けたヘビのように見える膀胱括約筋の上に、膀胱三角部(赤い→)がハッキリ確認できます。
これで、患者さんの痛み症状と頻尿症状が、前立腺肥大症の手術を行ったにもかかわらず治らなかった理由です。

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排尿障害→前立腺肥大症→頻尿になる理由を解説しましょう。
排尿障害によって、排尿中に膀胱出口は十分に開きませんから、膀胱出口が振動します。
その振動により、膀胱三角部が過敏になり肥厚します。
膀胱三角部は、尿意のセンサーですから、ここが過敏になると、頻尿や痛みが作られます。

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最先端のレーザー光線手術で、前立腺肥大症の主な部分(腺腫)を摘出して、それを細かくスライスして膀胱から除去します。
前立腺肥大症の手術だから、前立腺さえ除去すれば良いと、未熟な医師が考えるのです。

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ところが、前立腺は小さくなって、オシッコの出は良くなりましたが、過敏になった膀胱三角部が手付かずです。結局、過敏になったセンサーはそのままですから、症状が治る訳がありません。
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【前立腺肥大症=排尿障害→頻尿+痛み】
と考えて、短絡的に前立腺肥大症を手術さえすれば、症状がなくなる!と思い込んでいるのです。病気は、そんなに単純ではありません。
本当は、
【排尿障害→前立腺肥大症+膀胱三角部の過敏→排尿障害の悪化+頻尿+痛み】
というのが、この病気の仕組みなのです。
治療は、前立腺肥大症と膀胱三角部の処置が必要になります。
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この状態を解決するためには、膀胱三角部を落ち着かせることを目標とします。
①膀胱出口の緊張を緩めるために、ユリーフ
②膀胱三角部を直接に緩めるために、ベタニス
③残っている前立腺の硬さを柔らかくするために、アボルブ
④痛みは脊髄中枢で合成された痛みなので、脊髄中枢の興奮を抑える、トラムセット

以上の治療で改善が得られなければ、内視鏡手術で膀胱三角部を処置すればよいのです。


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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの発現率

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前立腺ガンを標準治療でテストステロン(男性ホルモン)を抑制するホルモン治療を行うと、4年~5年で効かなくなります。この状態の前立腺ガンを去勢抵抗性前立腺ガンCRPCと呼びます。

どの程度の頻度で、この状態になるのか明確に記された文献がないので、いろいろ調べてみました。すると、こんな表を見つけました。癌が骨転移する確率と、その予後(生存期間)です。
前立腺ガンの場合、骨転移が発現する確率が、【65%~75%】とかなりの高さです。2人に1人以上の危険率で骨に転移したということになります。ただし、初めから骨に転移した人は別です。ホルモン治療しているにもかかわらず、骨にガン細胞が転移すると言う事は、すなわち、ホルモン治療では抑えることが出来なくなった前立腺ガンと言うことになります。つまり、【骨転移≒去勢抵抗性前立腺ガン】ということです。

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先の表と同じサイトには、前立腺ガンの治療経過を示すイラストが併記されています。
このように、治療法・治療経過がイラストで表示できるほど、決まりきった前立腺ガンの個性なのです。では、どうして前立腺ガンは、このような性格が出てくるのでしようか?

前立腺ガンに、この特有な個性を促した要素かあるかもしれません。治療する前と後では、何が違うかと言うと、毎日のホルモン治療がキッカケです。ホルモン治療は、前立腺ガンを相当抑えることは出来ますが、完璧ではありません。そのために、ガン細胞がバージョンアップして、去勢抵抗性前立腺ガンが生まれるのです。「毎日」の治療がいけないのです。ガン細胞に治療を気付かせるのが去勢抵抗性前立腺ガンが生まれる原因だと私は考えています。

もしそうだとしたら、毎日ではなく、ガン細胞が気付かせない治療法を選択すれば良いと思います。つまり、密かに計画的に気付かないようにガン細胞の食事に毒を盛るような暗殺をするのです。
もう1つの考え方として、毎日大量の薬を間断なく連続して治療を続けると、ガン細胞の変身のストッパーを毎日1個ずつ外してしまうのではないでしょうか?そのため、治療を少量で1週間に1錠、2週間に1錠であれば、ガン細胞の変身ストッパーを外す時間がかかって、7年〜14年以上延ばすことが出来るかもしれません。
教科書的の知識だけが、常に正しいとは限りません。教科書的な知識の境界線を超えるような柔軟な発想で、目の前の事実の本質を見極めるべきです。

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予想以上に早く確認された前立腺ガン

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72歳の男性患者さんです。
去年の8月にPSA値が5.61と高く心配になり、関西からお越しになりました。
超音波エコー検査や触診で、前立腺ガンは確認できませんでしたから、経過観察にしました。

ところが9カ月後の5月に、PSA値が8.658と若干高くなったので、心配になり再度患者さんがお越しになりました。超音波エコー検査では、以前確認できなかった陰影が前立腺の左に(赤い矢印)確認されました。陰影の大きさは0.89ccの体積です。触診でも、前立腺の左に硬結が触れました。明らかに前立腺ガンです。

前立腺ガンは、倍加速度が速いもので2年と言われていましたが、例外もあると認識さました。前回、エコー検査でも触診でも認識できなかった前立腺ガンが、たった9カ月で確認できるまでになった訳ですから、倍加速度2年というのは正直安心できません。注意深く観察するためには、出来れば半年に一度のペースが良いのでしょう。

遠方から飛行機に乗って、3か月に一度来院される患者さんもおられますが、さすがに半年に一度で十分でしょう。交通費が勿体ないと思います。

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前立腺ガンとフリバス

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今回の泌尿器科学会で興味を引いたのが、東京大学の先生が発表した下記のPDFファイルの報告です。
「jua2018_1297_unit_prog_ext_ja.pdf」をダウンロード


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【背景】
我々は前回の研究で、ナフトピジルががん細胞にアポトー シスを誘導し増殖を抑制させること、後ろ向きではあるがタムス ロシン内服群(3.1%)に比べてナフトピジル内服群(1.8%)で 前立腺がんの発生率が有意に低いことを見出した。そこで今回、 前向きの無作為化比較研究でナフトピジルの前立腺がん発生予 防効果について検証研究を計画した。
【方法】
本研究は多施設共同非盲検無作為化比較試験である。初 回前立腺針生検で陰性だった前立腺肥大症症例のうち、すべての 選択基準を満足し、除外基準に抵触しない症例を対象に、ナフト ピジル投与群、非投与群に無作為に割付後、1 年毎に血清 PSA 値を測定する。血清PSA値が前回生検前直近値より上昇した場 合には前立腺針生検を行い前立腺がんの有無を確かめる。登録 割付日から前立腺がんの判定日までの期間を主要評価項目とし Kaplan-Meier法を用いて各群の前立腺がんイベント発症確率を 求め、log-rank検定により群間比較を行う。
【考察】
ドキサゾシンやテラゾシンなどのα1アドレナリン受容 体遮断薬がアポトーシスを起こしてがん細胞の増殖を抑制する ことは1994年から報告されている。その後、アポトーシスを誘 導する経路はα1アドレナリン受容体を介さない事、タムスロシ ンなど一部のα1アドレナリン受容体遮断薬ではアポトーシス を誘導する効果がないことなどが報告され、2007 年には後ろ向 きの研究であるがドキサゾシン、テラゾシンの内服者は非内服 者に比べ前立腺がんの発生率が低かった(1.65% vs 2.41%)と Harris らが報告した。ナフトピジルはα1アドレナリン受容体 サブタイプBへの親和性が低く血圧低下の作用が少ない薬剤で、 日本では前立腺肥大症の治療に使用されており、2008 年に神田 らから前立腺がん細胞株の増殖を抑制すると報告された。 本研 究はα1アドレナリン受容体遮断薬が前立腺がんの発生率に影 響するか検証する初めての前向き臨床研究である。  
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ナフトビジル(商品名:フリバス)が前立腺ガンを自滅(アポトーシスapoptosis)させる作用があることが分かりました。アルファ・ブロッカーであるフリバスにこのような作用があるとは‼️ビックリです。排尿障害の治療薬としては、ユリーフ>>ハルナール>>フリバスのイメージでした。
それが事実であるのならば、前立腺肥大症などの排尿障害の症状がなくても、フリバスを前立腺ガンの治療薬として併用した方が良いことが理解できます。今後はフリバスの出番が多くなるでしょう。
フリバスは平滑筋に影響するクスリです。それからすると、平滑筋に効果のあるイソフラボンや正露丸も効果があるかもしれません。

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前立腺ガンの居場所

触診とエコー検査で確認できた前立腺ガンは、この6年間で100人以上もいました。その中で、前立腺外腺の他にガン陰影を発見したのは1例だけです。99%が外腺に認めました。
その他に前立腺全体を悪性度の高い癌が拡がっていた患者さんが1人いまいたが、この患者さんは、エコー検査では、前立腺全体に拡散したために確認はできませんでした。この様な患者さんは、本当に稀です。

しかるに、今の泌尿器科医師は、前立腺の深部中央の前立腺組織採取を懸命に行っているように思えます。
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例えば、この写真の患者さんは、前立腺尖部の左に厚さ2ミリ程度のガン組織の塊りを確認できます。
前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

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この写真の患者さんは、前立腺の右側に厚さ4ミリ程度のガン組織の陰影を確認できます。
やはり、前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

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この写真の患者さんは、前立腺の右側奥の膀胱の裏側に厚さ4ミリ程度のガン組織の陰影を確認できます。
やはり、前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

これらの写真をご覧になって分かるように、前立腺ガンのほとんどが、前立腺の外腺に発生します。それにも、かかわらず触診もしないで、前立腺の内腺に向かって針を何本も刺すのです。前立腺ガンが見つからないばかりでなく、下手すると前立腺ガンを傷つけいためるだけです。そのせいで前立腺ガンは発見できませんでしたが、針生検が残った前立腺ガンを刺激して悪性度を増すのかもしれません。

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病気と症状と治療のタイミング

慢性前立腺炎、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、前立腺肥大症、神経因性膀胱、PSA高値などの患者さんが全国からお越しになります。
その理由は、地元の病院やクリニックでは治らないからです。
治らない原因の第一は、まずは病気の本質を治療しないからです。例えば、慢性前立腺炎や慢性膀胱炎は、「炎」という取りあえずの病名に合わせた治療しかしないからです。また、間質性膀胱炎や過活動膀胱は原因不明の病気ですから、頻尿や痛みに対する治療しかしないからです。更に、前立腺肥大症は、頻尿の出現理由を考えないで治療するからです。
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病気の本質は、「排尿障害」です。
排尿障害→膀胱三角部の過敏→脊髄神経回路の構築→症状(頻尿・尿意切迫感・残尿感・痛み・シビレ・かゆみ)の発現です。それぞれの病気の仕組みは、下記の通りです。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
★慢性前立腺炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★慢性膀胱炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★間質性膀胱炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★過活動膀胱=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★前立腺肥大症=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕前立腺の肥大➕脊髄神経回路の完成
★神経因性膀胱=排尿障害➕膀胱出口の硬化→→→排尿障害の強化
★PSA高値=排尿障害±炎症±前立腺肥大症±先天性±前立腺ガン
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
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ご覧の通り、すべての病気に排尿障害が絡んでいます。その排尿障害の程度はピンからキリまであります。なかには、患者さん自身が自覚しない程度、あるいは医師が評価しない程度の排尿障害のため、まったく治療しないので中々治らないのです。

病気はイラストのように4つの時期に分けて判断します。
★1期は排尿障害があるにもかかわらず症状の出ない状態です。いわゆる「未病」の状態です。
★2期は、脊髄神経回路が完成して症状がで始めた状態です。
★3期は、排尿障害が治療されないために、脊髄神経回路がバージョンアップしてしまい、症状が強く出ている状態です。
★4期は、脊髄神経回路が排尿障害から独立・独り立ちして、神経回路がますます複雑になり、完成度が極めて高くなった状態です。排尿障害を治療しても治リません。信じられないほどの強い症状になります。頻尿が毎日80回以上、突然あるいは持続性のナイフで刺されたような痛み、血が出るくらい何遍掻いてもカユミが収まらない状態です。

治療する医師は、この状態を十分に把握して治療しなければなりません。
★排尿障害に対してはアルファブロッカー(ユリーフ、ハルナール、フリバス、エブランチル)です。
★膀胱三角部の過敏さに対しては、ベタニス、ベシケア、ウリトス、ステープラ、アボルブ、タガメット、サプリメント(イソフラボン、ノコギリヤシ、カボチャの種、正露丸)です。
★脊髄神経回路に対しては、トラムセット、リリカ、カロナール、仙骨神経ブロック、サプリメント(グリシン)です。

世間では、患者さんを十分に調べもせずに、病名だけで治療する輩の何と多いことか!親身になって、患者さんの言葉を真摯に受け止めて治療しようと努力する医師が、もっと増えて欲しいと思います。


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前立腺ガンの低用量治療法

前立腺ガンはモノではなく、生き物です。ところが、医師は患者さんの前立腺ガンをモノとして対応しているとしか思えません。もしも、モノであるのならば、治療法に抵抗するホルモン抵抗性・去勢抵抗性前立腺ガンCRPCにはならないでしょう。
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ガン細胞だって意思はないかもしれませんが、正常の細胞と同じに、それなりの感受性はあるはずです。そのガン細胞を針生検で10カ所以上も突いて突いて突いて、その後大量のホルモン剤や抗ガン剤を投与され正面から攻撃されたら、何とか自分を守ろうと努力工夫して強くなるのに決まっています。
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そのような考えで、
①まずは、針生検をしないで前立腺ガンを確定診断する。
②次に、ホルモン剤を通常の投与を続けると、ガン細胞もその攻撃に対して気がつき対抗手段を画策するので、極少量か、前立腺肥大症の治療薬を投与する。
③抗ガン剤も同様で、極少量を投与して、ガン細胞に気付かれないように毒を盛る。
④排尿障害のあるヒトは、排尿の際、前立腺に物理的刺激がかかるので、なるべく回避するために排尿障害の治療薬を処方する。

もともと穏やかな前立腺ガンです。ですから、穏やかな治療するべきです。もしも、本来、穏やかな前立腺ガンが対応能力に長けているガン細胞であれば、強い攻撃に対しては強く報復する性格があるのかもしれません。しかし、どうやったら巧妙に前立腺ガンをだまして毒であるホルモン剤や抗ガン剤を取り込ませるかです。
以前にエストラサイトを利用した低用量処方について記事を揚げています。エストラサイトに限らず、強いお薬は低用量処方を試みることにしています。

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前立腺ガンが生まれる理由

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前立腺ガンは、前立腺の外腺(辺縁領域)に多くできます。その理由は、いろいろと言われていますが、前立腺の構造学的観点から考えてみます。
このイラストは、胎児11週目の下部尿路を表現しています。
まず、尿道から前立腺の原基である芽が出てきます。それが、中心領域と辺縁領域です。

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中心領域と辺縁領域がある程度の成長後に、遅れて移行領域が発芽します。
中心領域と辺縁領域の成長がある程度で休んでいると、移行領域の発育がますます大きくなり、尿道の前側から後ろ側に、尿道を覆いかぶさるように発育します。その結果、移行領域と中心領域が1つに融合して内腺になるのです。

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内腺はドンドン発育し大きくなり、次第に辺縁領域を外側に圧迫することになります。
辺縁領域=外腺は、内腺による圧迫と、硬い繊維組織でできている前立腺被膜の間に、ギューギューと挟めれ常に圧迫刺激を受け続けます。
40歳過ぎてから、内腺はますます大きくなって前立腺肥大症になりますから、外腺は更に一層圧迫されます。また、前立腺肥大症で排尿障害が出現し、排尿の際に排尿圧力が前立腺に直接かかり、外腺はトコトン刺激を受けます。
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つまり、前立腺外腺は、前立腺が生まれた時は辺縁領域として、出産後は外腺として、40代以降は内腺にできた前立腺肥大症に強く圧迫される外腺として、何回も圧迫刺激を受け続けています。そして、男性ホルモンであるテストステロンの変動刺激を胎児の頃から6回も受けています。これほど物理的刺激・化学的刺激を受ける窮屈な分泌腺は生体内には存在しません。外腺にガン細胞が生まれても不思議ではないでしょう。

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«代替医療に希望を託す前立腺ガンの患者さんのその後